System Center Data Protection Manager 2007 で Windows Server 2008 のイメージバックアップとベアメタルリカバリーを行う (1/2)

みなさん、こんにちは。

今日は、System Center Data Protection Manager (DPM) を使った、Windows Server 2008 のイメージバックアップとベアメタル リカバリーについて、です。

DPMでは、データのバックアップが主な機能であるため、イメージバックアップ、およびベアメタル リカバリーはできません。そのため、同梱されている System Recovery Tool (SRT) を使用する必要がありました。ところが、この SRT は、バックアップ対象が Windows Server 2003 または Windows XP に限定されています。Windows Server 2008 の場合、OS 標準の Windows Server バックアップ (WSB) で別途取得する必要があります。

このたび、以下のホワイトペーパーがリリースされました。
How to do Bare Metal Recovery of WS08 with DPM 2007 SP1

こちらのホワイトペーパーでは、WSB と DPM を連携した、イメージバックアップ、ベアメタル リカバリーの方法が説明されています。この方法を使うと、各データを DPM上のストレージに集約することが可能になります。

イメージ バックアップの、大きな流れは、以下の通りです。

    1. DPM エージェントで、前処理として、WSB のシステムバックアップを実施します。作成したバックアップを、WS08 のローカルストレージに出力します。
    2. 1.で出力したファイルを SCDPM サーバーにバックアップします。

ベアメタル リカバリーは以下のとおりです。

    1. DPM で、任意のフォルダに回復したいイメージバックアップを展開しておきます。
    2. WS08 のインストール DVD でマシンを起動します。
    3. Windows 環境回復機能により、1 に展開したバックアップからリストアを実行します。

今回は、イメージバックアップについて詳しく紹介します。

(実行手順)
1. あらかじめ、対象の WS08 サーバーのイメージ バックアップのデータサイズを見積もります。WSB を起動し、1回限りのバックアップウィザードを途中まで実行すれば、必要ディスクを確認することができます。

imagebackup1                                      ※この例では、29.99GB というサイズが表示されています。

2. WS08 上のボリュームに、ServerBackup という名前のフォルダを作成し、以下のコマンドで共有に設定しておきます。(後でこのフォルダが、DPMのバックアップ対象となります。)

Net share ServerBackup$=N:\ServerBackup /GRANT:System,FULL
※ボリュームが N:\ の場合

3. WS08 サーバー上で、テキストエディタを起動し、以下のスクリプトを記述します。

@echo off
setlocal enabledelayedexpansion
set BACKUP_TARGET=\\%COMPUTERNAME%\ServerBackup$rd /s /q "%BACKUP_TARGET%\WindowsImageBackup\%computername%"
wbadmin start backup -backuptarget:"%BACKUP_TARGET%" -allcritical –quiet
if %ERRORLEVEL% == 0 (
pushd "%BACKUP_TARGET%\WindowsImageBackup\%computername%"
for /f "tokens=*" %%i in ('dir /b /s *.vhd') do move /Y "%%i" .

4. 3 のファイルを c:\ServerBackupScripts\win2k8serverbackup.cmd として保存します。

5. 4 で作成したバッチファイルをバックアップの前処理として実行させるため、
%PROGRAMFILES%\Microsoft Data Protection Manager\DPM\Scripting\ScriptingConfig.xml に以下の記述を追記します。

<DatasourceScriptConfig DataSourceName=“N:”>
<PreBackupScript>"c:\ServerBackupScripts\win2k8serverbackup.cmd"</PreBackupScript>
<PostBackupScript></PostBackupScript>
<TimeOut>90</TimeOut>
</DatasourceScriptConfig>

※DatasourceName = “N:” のドライブ文字は適切な設定に変更してください

6. DPMで保護グループを作成します。バックアップ対象として、2 で作成したフォルダを指定します。

7. 保存期間は任意とします。また、同期の間隔は、回復ポイントの直前とします。ファイルの回復ポイントには、バックアップを実行するスケジュールを指定します。なお、ディスクへのバックアップの場合には、最低でも一週間に1回はバックアップを実施する必要があります。

8. “ディスクの割り当ての確認” の画面で、DPMで自動計算された値を修正し、環境に応じたディスクサイズを指定します。ディスクサイズの目安としては、レプリカボリュームとして、1 で確認済のデータサイズの 1.5倍以上、回復ポイントボリュームとしては、1 で確認済のデータサイズの 0.5 倍以上を指定します。

以上で、スケジュールに従ってバックアップが開始され、ベアメタル リカバリーに必要な、イメージ バックアップが作成されます。

次回は、ベアメタル リカバリーの手順を紹介します!

それでは!

M.O.