Azure の登録の検証
Azure Stack Hub のデプロイを開始する前に、Azure Stack Hub 適合性チェッカー ツール (AzsReadinessChecker) を使用して、Azure Stack Hub で Azure サブスクリプションをすぐに使用できることを検証します。 適合性チェッカーは以下を検証します。
- 使用する Azure サブスクリプションの種類がサポート対象であること。 サブスクリプションは、クラウド ソリューション プロバイダー (CSP) またはマイクロソフトエンタープライズ契約 (EA) である必要があります。
- ご自身のサブスクリプションの登録に使用するアカウントが Azure にサインインでき、サブスクリプション所有者であること。
Azure Stack Hub 登録の詳細については、「Azure を使用した Azure Stack Hub の登録」を参照してください。
適合性チェッカー ツールを取得する
最新バージョンの AzsReadinessChecker を PowerShell ギャラリーからダウンロードします。
インストールと構成
前提条件
以下の前提条件が必要です。
Az PowerShell モジュール
Az PowerShell モジュールをインストールしておく必要があります。 手順については、「PowerShell Az プレビュー モジュールをインストールする」を参照してください。
Microsoft Entra 環境
- Azure Stack Hub で使用する Azure サブスクリプションの所有者であるアカウントのユーザー名とパスワードを識別します。
- 使用する Azure サブスクリプションのサブスクリプション ID を識別します。
Azure の登録を検証する手順
管理者特権の PowerShell プロンプトを開き、次のコマンドを実行して、AzsReadinessChecker をインストールします。
Install-Module -Name Az.BootStrapper -Force -AllowPrerelease Install-AzProfile -Profile 2020-09-01-hybrid -Force Install-Module -Name Microsoft.AzureStack.ReadinessChecker
PowerShell プロンプトから次のコマンドを実行して、
$subscriptionID
を、使用する Azure サブスクリプションとして設定します。xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx
をお使いのサブスクリプション ID に置き換えます。$subscriptionID = "xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx"
PowerShell プロンプトから、次のコマンドを実行します。
Connect-AzAccount -subscription $subscriptionID
PowerShell プロンプトから次のコマンドを実行して、お使いのサブスクリプションの検証を開始します。 Microsoft Entra管理者とMicrosoft Entraテナント名を指定します。
Invoke-AzsRegistrationValidation -RegistrationSubscriptionID $subscriptionID
ツールの実行後、出力を確認します。 サインインと登録の両方の要件ついて、状態が適切であることを確認します。 検証が成功した場合の出力は、次の例のように表示されます。
Invoke-AzsRegistrationValidation v1.2100.1448.484 started. Checking Registration Requirements: OK Log location (contains PII): C:\Users\[*redacted*]\AppData\Local\Temp\AzsReadinessChecker\AzsReadinessChecker.log Report location (contains PII): C:\Users\[*redacted*]\AppData\Local\Temp\AzsReadinessChecker\AzsReadinessCheckerReport.json Invoke-AzsRegistrationValidation Completed
レポートとログ ファイル
検証を実行するたびに、結果のログが AzsReadinessChecker.log と AzsReadinessCheckerReport.json に出力されます。 これらのファイルの場所は、PowerShell に検証結果と共に表示されます。
これらのファイルは、Azure Stack Hub をデプロイする前、または検証に関する問題を調査する前に、検証の状態を共有するときに役立ちます。 両方のファイルに、以降の各検証チェックの結果が保持されます。 デプロイ チームはこのレポートを使用して ID 構成を確認できます。 デプロイ チームやサポート チームは、検証の問題を調査する際に、このログ ファイルを役立たせることができます。
既定では、両方のファイルが C:\Users\username\AppData\Local\Temp\AzsReadinessChecker\AzsReadinessCheckerReport.json
に書き込まれます
- 別のレポートの場所を指定するには、実行コマンド ラインの末尾に
-OutputPath <path>
パラメーターを使用します。 - ツールの以前の実行に関する情報を AzsReadinessCheckerReport.json からクリアするには、実行コマンド ラインの末尾に
-CleanReport
パラメーターを使用します。
詳細については、「Azure Stack Hub 検証レポート」を参照してください。
検証エラー
検証チェックに失敗した場合は、エラーの詳細が PowerShell ウィンドウに表示されます。 また、ツールによって、AzsReadinessChecker.log ファイルにログ情報が記録されます。
次の例は、一般的な検証エラーの詳細を示します。
ユーザーがサブスクリプションの所有者でなければならない
Invoke-AzsRegistrationValidation v1.1809.1005.1 started.
Checking Registration Requirements: Fail
Error Details for registration account admin@contoso.onmicrosoft.com:
The user admin@contoso.onmicrosoft.com is role(s) Reader for subscription 3f961d1c-d1fb-40c3-99ba-44524b56df2d. User must be an owner of the subscription to be used for registration.
Additional help URL https://aka.ms/AzsRemediateRegistration
Log location (contains PII): C:\Users\username\AppData\Local\Temp\AzsReadinessChecker\AzsReadinessChecker.log
Report location (contains PII): C:\Users\username\AppData\Local\Temp\AzsReadinessChecker\AzsReadinessCheckerReport.json
Invoke-AzsRegistrationValidation Completed
原因 - アカウントが Azure サブスクリプションの管理者ではありません。
解決策 - Azure サブスクリプション管理者であるアカウントを使用します。これは、Azure Stack Hub デプロイから使用の請求対象となります。
期限切れまたは一時パスワード
Invoke-AzsRegistrationValidation v1.1809.1005.1 started.
Checking Registration Requirements: Fail
Error Details for registration account admin@contoso.onmicrosoft.com:
Checking Registration failed with: Retrieving TenantId for subscription [subscription ID] using account admin@contoso.onmicrosoft.com failed with AADSTS50055: Force Change Password.
Trace ID: [Trace ID]
Correlation ID: [Correlation ID]
Timestamp: 2018-10-22 11:16:56Z: The remote server returned an error: (401) Unauthorized.
Log location (contains PII): C:\Users\username\AppData\Local\Temp\AzsReadinessChecker\AzsReadinessChecker.log
Report location (contains PII): C:\Users\username\AppData\Local\Temp\AzsReadinessChecker\AzsReadinessCheckerReport.json
Invoke-AzsRegistrationValidation Completed
原因 - パスワードの有効期限が切れているか一時パスワードであるため、アカウントでサインインできません。
解決策 - PowerShell で次のコマンドを実行し、プロンプトに従ってパスワードをリセットします。
Login-AzureRMAccount
別の方法として、Azure portal にアカウント所有者としてサインインします。この場合、ユーザーはパスワードの変更を強制されます。
ユーザーの種類が不明
Invoke-AzsRegistrationValidation v1.1809.1005.1 started.
Checking Registration Requirements: Fail
Error Details for registration account admin@contoso.onmicrosoft.com:
Checking Registration failed with: Retrieving TenantId for subscription <subscription ID> using <account> failed with unknown_user_type: Unknown User Type
Log location (contains PII): C:\Users\username\AppData\Local\Temp\AzsReadinessChecker\AzsReadinessChecker.log
Report location (contains PII): C:\Users\username\AppData\Local\Temp\AzsReadinessChecker\AzsReadinessCheckerReport.json
Invoke-AzsRegistrationValidation Completed
原因 - アカウントは、指定したMicrosoft Entra環境にサインインできません。 この例では、AzureChinaCloud が AzureEnvironment として指定されています。
解決策 - 指定した Azure 環境に対してアカウントが有効であることを確認します。 PowerShell で次のコマンドを実行して、特定の環境に対してアカウントが有効であることを確認します。
Login-AzureRmAccount -EnvironmentName AzureChinaCloud