信頼性の管理

Dev/Test サブスクリプションに運用サービスを置くわけにはいきませんが、運用環境での信頼性を確認するために、Azure Dev/Test サブスクリプションで他のステージを使用することはできます。

社内の Dev/Test サブスクリプションを使用する際は、次の点についての方針を定める必要があります。

  • 制御データ
  • セキュリティとアクセスの管理
  • 運用システムの稼働時間の管理

一般的に、本番環境に入る前には、共有、QA、統合、ステージング、フェイルオーバーなど、さまざまなデプロイ ステージがあります。 ステージが会社でどう定義されているかによって、組織の Dev/Test サブスクリプションの使い方が変わる場合があります。

顧客向けアプリケーションなど、ミッションクリティカルなサービスを実行している場合、Dev/Test サブスクリプションは使用しないでください。 Dev/Test サブスクリプションには、金銭的な補償を伴う SLA は付属しません。 これらのサブスクリプションは運用前のテストと開発を目的としています。

サイト信頼性エンジニアリング (SRE)

信頼性エンジニアリングと信頼性管理について理解を深めるために、SRM (Site Reliability Management: サイト信頼性管理)、つまり組織がそのシステム、サービス、製品に適切な信頼性を持続的に実現できるよう支援するエンジニアリング規範を考えてみましょう。

SRE と DevOps がどう違うのかという点については、その分野でもまだ結論が出ていません。 ある程度合意されている相違点としては、以下のようなことが挙げられます。

  • SRE は、信頼性に焦点を当てたエンジニアリング規範である。 DevOps は、開発 (Development) 組織と運用 (Operations) 組織に関するサイロの解消に向けた動きから注目されるようになった文化的なムーブメントです。
  • 私は SRE (サイト信頼性エンジニア) ですのように、SRE は役職名にもなりうる。 DevOps は、役職名にはなりません。
  • SRE は杓子定規になりがちです。 DevOps は意図的にそうならないようになっています。 ほぼ世界中に定着している継続的インテグレーションと継続的デリバリー、そしてアジャイルの原則は DevOps に最も近い。

SRE のプラクティスの詳細については、次のリンクを確認してください。

サービス レベル契約

Enterprise Dev/Test の用途は、アプリケーションの開発とテストに限定されます。 このサブスクリプションを使用して、金銭的な補償を伴う SLA は得られません。

各種 Dev/Test サブスクリプションの使い分けを知る

Visual Studio サブスクライバー向けの月単位の Azure クレジットや、Enterprise Dev/Test サブスクリプション開発テスト用の従量課金制プラン サブスクリプション (PAYG) など、個人やチームに合ったプランが簡単に見つかります。

個人のクレジット サブスクリプションを管理する

Visual Studio の Azure クレジットは、個人の Dev/Test や内部ループ開発で使用できる個人向けのベネフィットです。 開発者どうしでクレジットをプールすることはできません。 クレジット サブスクリプションは Azure サブスクリプションではありますが、特別な Azure プランです。 クレジット サブスクリプションの管理は、他の Azure サブスクリプションと変わらないので、グループ内やチーム内で作業することができます。 Enterprise Dev/Test サブスクリプションを調達方法として勤務先が選んだ場合、クレジット カードに対する個人の使用制限は廃止することができます。

開発者の内部ループ作業では、えてしてクレジットが使用されますが、いずれエンタープライズまたは組織の Azure Dev/Test サブスクリプション、つまり従量課金制を含むサブスクリプションに切り替わります。 このように、DevOps プロセスの過程で、内部ループには、個人のクレジット サブスクリプションを使用することができます。 DevOps の外部ループでは、運用以外のターゲットは Enterprise Dev/Test に、また運用ターゲットは運用環境に移されることになります。

クレジット サブスクリプション、Enterprise Dev/Test サブスクリプション、そして PAYG サブスクリプションを管理し、それぞれが固有の階層を持った管理グループを使用して開発者を区分しましょう。

組織の Azure Dev/Test プランを使用する

組織の Azure Dev/Test サブスクリプションが必要な場合は、2 つのプランから選ぶことができます。

それぞれのオプションに固有の割引が付属しており、Visual Studio サブスクリプションが必要となります。

それぞれのサブスクリプション プランを通じて、仮想マシンが事前に構成されたクラウドの開発/テスト環境をチームで利用することができます。 複数の Azure サブスクリプションを作成し、1 つのアカウントからそれらを管理します。 分離された環境を保ちながら、各プロジェクトまたは各チームに対する請求も分けることが可能です。

Enterprise Dev/Test サブスクリプションには、Enterprise Agreement (EA) が必要です。 開発テスト用の従量課金制プラン サブスクリプションは EA を必要としませんが、Enterprise Agreement アカウントで使用することは可能です。

Enterprise Dev/Test プランではなく PAYG プランを利用する利点は何ですか?

PAYG Dev/Test プランは、Visual Studio サブスクライバーとして使用する方に適しています。 個人用途向けのクレジット サブスクリプションとは異なり、PAYG はチーム開発に最適で、1 つのサブスクリプションを複数のユーザーが利用できます。 次の条件に当てはまる方には、PAYG Dev/Test プランが適しているでしょう。

  • Enterprise Agreement を所有していない。 この場合、Visual Studio ライセンスで作成できるのは PAYG アカウントのみとなります。
  • Enterprise Agreement を作成しているものの、組織の契約を使用しないサブスクリプションをセットアップする必要がある。 たとえば特別なプロジェクトがあって、独自のサブスクリプションが必要になった場合や、プロジェクトごとまたはチームごとに課金される分離された環境を作成しなければならない場合が該当します。
  • ID を分けておきたい。 データ、リソース、アプリへのアクセスを保護するために、他の ID とは別に特定の ID が必要になる場合があります。