Azure Resource Manager テンプレート内でのディスクの使用
適用対象: ✔️ Linux VM ✔️ Windows VM ✔️ フレキシブル スケール セット ✔️ 均一スケール セット
このドキュメントでは、Azure Resource Manager テンプレートを使って仮想マシンをプロビジョニングする際のマネージド ディスクと非管理対象ディスクの違いについて説明します。 以下の例は、非管理対象ディスクが使用されている既存のテンプレートを管理ディスクに更新する際にお役立てください。 ここでは参考として vm-simple-windows テンプレートを使用しています。 マネージド ディスクを使用したテンプレートと非管理対象ディスクを使用した以前のバージョンを見て直接比較することもできます。
非管理対象ディスクのテンプレートの書式
最初に、非管理対象ディスクのデプロイ方法について見てみましょう。 非管理対象ディスクを作成するときは、VHD ファイルを保持するストレージ アカウントが必要です。 ストレージ アカウントは新たに作成しても、既にあるものを使用してもかまいません。 この記事では、新しいストレージ アカウントの作成方法を紹介します。 次に示すように、resources ブロックでストレージ アカウント リソースを作成します。
{
"type": "Microsoft.Storage/storageAccounts",
"apiVersion": "2018-07-01",
"name": "[variables('storageAccountName')]",
"location": "[resourceGroup().location]",
"sku": {
"name": "Standard_LRS"
},
"kind": "Storage",
"properties": {}
}
仮想マシン オブジェクト内で、ストレージ アカウントへの依存関係を追加します。ストレージ アカウントが仮想マシンより前に作成されるようにするためです。 storageProfile
セクション内に、VHD がある場所の完全 URI を指定します。この URI はストレージ アカウントを参照するもので、OS ディスク用とデータ ディスク用に必要となります。
{
"type": "Microsoft.Compute/virtualMachines",
"apiVersion": "2018-10-01",
"name": "[variables('vmName')]",
"location": "[resourceGroup().location]",
"dependsOn": [
"[resourceId('Microsoft.Storage/storageAccounts/', variables('storageAccountName'))]",
"[resourceId('Microsoft.Network/networkInterfaces/', variables('nicName'))]"
],
"properties": {
"hardwareProfile": {...},
"osProfile": {...},
"storageProfile": {
"imageReference": {
"publisher": "MicrosoftWindowsServer",
"offer": "WindowsServer",
"sku": "[parameters('windowsOSVersion')]",
"version": "latest"
},
"osDisk": {
"name": "osdisk",
"vhd": {
"uri": "[concat(reference(resourceId('Microsoft.Storage/storageAccounts/', variables('storageAccountName'))).primaryEndpoints.blob, 'vhds/osdisk.vhd')]"
},
"caching": "ReadWrite",
"createOption": "FromImage"
},
"dataDisks": [
{
"name": "datadisk1",
"diskSizeGB": 1023,
"lun": 0,
"vhd": {
"uri": "[concat(reference(resourceId('Microsoft.Storage/storageAccounts/', variables('storageAccountName'))).primaryEndpoints.blob, 'vhds/datadisk1.vhd')]"
},
"createOption": "Empty"
}
]
},
"networkProfile": {...},
"diagnosticsProfile": {...}
}
}
マネージド ディスクのテンプレートの書式
Azure Managed Disks を使用した場合、そのディスクが最上位のリソースとなり、ユーザーによって作成されるストレージ アカウントは不要となります。 マネージド ディスクは、最初 2016-04-30-preview
の API バージョンで公開され、その後のすべての API バージョンで使用でき、既定のディスク タイプになりました。 以降のセクションでは、既定の設定とディスクのカスタマイズ方法について詳しく見ていきます。
注意
2016-04-30-preview
と 2017-03-30
の間で大きな変更があったため、2016-04-30-preview
以降の API バージョンを使うことをお勧めします。
マネージド ディスクの既定の設定
今後、マネージド ディスクを使用して VM を作成する場合、ストレージ アカウント リソースを作成する必要はありません。 以下のテンプレート例を見ると、前出の非管理対象ディスクの例とは、いくつかの違いがあることがわかります。
apiVersion
は、マネージド ディスクをサポートするバージョンです。osDisk
とdataDisks
は、VHD の具体的な URI を参照していません。- 追加のプロパティを指定せずにデプロイすると、ディスクでは VM のサイズに基づいてストレージの種類が使用されます。 たとえば、Premium Storage をサポートする VM サイズ (Standard_D2s_v3 など、名前に "s" が含まれるサイズ) を使用する場合、既定で Premium ディスクが構成されます。 これは、ディスクの sku 設定でストレージの種類を指定することによって変更できます。
- ディスクの名前を指定しなかった場合、OS ディスクには
<VMName>_OsDisk_1_<randomstring>
形式の名前が、各データ ディスクには<VMName>_disk<#>_<randomstring>
形式の名前が付きます。- カスタム イメージから VM を作成する場合、ストレージ アカウントの種類とディスクの名前に使用される既定の設定は、カスタム イメージ リソースに定義されているディスクのプロパティから取得されます。 これらは、テンプレートで対応する値を指定することでオーバーライドすることができます。
- 既定では、Azure Disk Encryption が無効になっています。
- 既定では、ディスク キャッシュが、OS ディスクでは "読み取り/書き込み" に、データ ディスクでは "なし" になっています。
- 下の例を見るとわかるように、ストレージ アカウントの依存関係は依然として存在します。ただし、これはあくまで診断のストレージ用であって、ディスク ストレージに必要なものではありません。
{
"type": "Microsoft.Compute/virtualMachines",
"apiVersion": "2018-10-01",
"name": "[variables('vmName')]",
"location": "[resourceGroup().location]",
"dependsOn": [
"[resourceId('Microsoft.Storage/storageAccounts/', variables('storageAccountName'))]",
"[resourceId('Microsoft.Network/networkInterfaces/', variables('nicName'))]"
],
"properties": {
"hardwareProfile": {...},
"osProfile": {...},
"storageProfile": {
"imageReference": {
"publisher": "MicrosoftWindowsServer",
"offer": "WindowsServer",
"sku": "[parameters('windowsOSVersion')]",
"version": "latest"
},
"osDisk": {
"createOption": "FromImage"
},
"dataDisks": [
{
"diskSizeGB": 1023,
"lun": 0,
"createOption": "Empty"
}
]
},
"networkProfile": {...},
"diagnosticsProfile": {...}
}
}
最上位のマネージド ディスク リソースの使用
仮想マシン オブジェクトにディスク構成を指定する代わりに、最上位のディスク リソースを作成して、それを仮想マシン作成の過程でアタッチすることもできます。 たとえば、データ ディスクとして使用するディスク リソースは次のように作成できます。
{
"type": "Microsoft.Compute/disks",
"apiVersion": "2018-06-01",
"name": "[concat(variables('vmName'),'-datadisk1')]",
"location": "[resourceGroup().location]",
"sku": {
"name": "Standard_LRS"
},
"properties": {
"creationData": {
"createOption": "Empty"
},
"diskSizeGB": 1023
}
}
VM オブジェクト内で、アタッチするディスク オブジェクトを参照します。 作成した管理ディスクのリソース ID を managedDisk
プロパティに指定しておけば、VM が作成されるときにディスクがアタッチされます。 VM リソースの apiVersion
は 2017-03-30
に設定されています。 VM の作成前にディスク リソースが作成されるように、ディスク リソースへの依存関係が追加されます。
{
"type": "Microsoft.Compute/virtualMachines",
"apiVersion": "2018-10-01",
"name": "[variables('vmName')]",
"location": "[resourceGroup().location]",
"dependsOn": [
"[resourceId('Microsoft.Storage/storageAccounts/', variables('storageAccountName'))]",
"[resourceId('Microsoft.Network/networkInterfaces/', variables('nicName'))]",
"[resourceId('Microsoft.Compute/disks/', concat(variables('vmName'),'-datadisk1'))]"
],
"properties": {
"hardwareProfile": {...},
"osProfile": {...},
"storageProfile": {
"imageReference": {
"publisher": "MicrosoftWindowsServer",
"offer": "WindowsServer",
"sku": "[parameters('windowsOSVersion')]",
"version": "latest"
},
"osDisk": {
"createOption": "FromImage"
},
"dataDisks": [
{
"lun": 0,
"name": "[concat(variables('vmName'),'-datadisk1')]",
"createOption": "attach",
"managedDisk": {
"id": "[resourceId('Microsoft.Compute/disks/', concat(variables('vmName'),'-datadisk1'))]"
}
}
]
},
"networkProfile": {...},
"diagnosticsProfile": {...}
}
}
マネージド ディスクを使った VM で構成される管理された可用性セットを作成する
マネージド ディスクを使った VM で構成される管理された可用性セットを作成するには、可用性セット リソースに sku
オブジェクトを追加し、その name
プロパティを Aligned
に設定します。 このプロパティにより、各 VM のディスクが単一障害点とならないよう互いに分離されます。 また、可用性セット リソース の apiVersion
は 2018-10-01
に設定されています。
{
"type": "Microsoft.Compute/availabilitySets",
"apiVersion": "2018-10-01",
"location": "[resourceGroup().location]",
"name": "[variables('avSetName')]",
"properties": {
"PlatformUpdateDomainCount": 3,
"PlatformFaultDomainCount": 2
},
"sku": {
"name": "Aligned"
}
}
Standard SSD ディスク
Resource Manager テンプレートで Standard SSD ディスクを作成するには、次のパラメーターが必要です。
- Microsoft.Compute の apiVersion を
2018-04-01
(またはそれ以降) として設定する必要があります。 StandardSSD_LRS
として managedDisk.storageAccountType を指定します。
次の例は、Standard SSD ディスクを使用する VM の properties.storageProfile.osDisk セクションを示したものです。
"osDisk": {
"osType": "Windows",
"name": "myOsDisk",
"caching": "ReadWrite",
"createOption": "FromImage",
"managedDisk": {
"storageAccountType": "StandardSSD_LRS"
}
}
テンプレートを使用して Standard SSD ディスクを作成する方法における完全なテンプレート例については、Standard SSD データ ディスクを含む Windows イメージから VM を作成に関するページを参照してください。
その他のシナリオとカスタマイズ
REST API の仕様の詳細については、マネージド ディスク作成の REST API に関するドキュメントを参照してください。 その他のシナリオや、テンプレートのデプロイ時に API に送信できる既定値や許容値についても説明されています。
次のステップ
- マネージド ディスクを使用した完全なテンプレートについては、次の Azure クイック スタート リポジトリのリンクを参照してください。
- マネージド ディスクの詳細については、「Azure Managed Disks の概要」のドキュメントを参照してください。
- 仮想マシン リソースのテンプレートについては、Microsoft.Compute/virtualMachines テンプレート リファレンス ドキュメントを参照してください。
- ディスク リソースのテンプレートについては、Microsoft.Compute/disks テンプレート リファレンス ドキュメントを参照してください。
- Azure VM Scale Sets で管理ディスクを使う方法については、スケール セットでデータ ディスクを使用する方法に関する文書を参照してください。