チュートリアル 4: BizTalk Server 2013 を使用したハイブリッド アプリケーションの作成
このセクションでは、Microsoft Azure BizTalk ServicesとBizTalk Serverを含むハイブリッド アプリケーションを作成する方法について詳しく説明します。
ビジネス シナリオ
Northwind は取引先からフラット ファイル EDI メッセージの形式で販売注文を受けている企業であり、取引先の 1 社が Contoso です。 Northwind は、次のことを行うエンド ツー エンドのアプリケーションをセットアップしたいと考えています。
EDI メッセージ処理を管理する – アプリケーションのこのモジュールでは、Contoso から受信したメッセージが標準の EDI メッセージ形式に準拠していることを確認する必要があります。 また、メッセージが正常に処理されたことを検証するために必要なすべての確認を生成する必要もあります。
ビジネス ロジックを使用してデータを処理する – EDI メッセージが正常に検証および処理されたら、Northwind はビジネス ロジックに対してメッセージを実行して、さらに処理する必要があります。 たとえば、受信メッセージの注文数量が特定の数量を超えている場合、データは SQL Server データベースに格納され、 それ以外の場合は共有ファイルの場所に送信されるなどです。
Northwind は、このシナリオを実現するため、EDI メッセージ処理がクラウド上で実行され、ビジネス ロジックによるデータ処理が社内で実行されるようにするハイブリッド アプリケーションをセットアップすることに決定しました。 Northwind は、このハイブリッド アプリケーションをセットアップするために、次のものを使用します。
Microsoft Azure BizTalk Services – Microsoft Azure BizTalk Servicesで利用できる Azure BizTalk ポータルを使用すると、顧客は Microsoft Azure で取引先と EDI 契約を構成できます。 Northwind は、Microsoft Azure BizTalk Services – 2012 年 4 月のリリースを使用して、受信 EDI メッセージを処理し、X12 840 販売注文スキーマに対して検証し、メッセージを Northwind で必要なスキーマに変換し、Service Bus キューにメッセージを送信する契約を作成して展開します。 したがって、ハイブリッド アプリケーションを開発するため、データは Service Bus キューから社内アプリケーションに送信される必要があります。
BizTalk Server – BizTalk Serverで使用できる Service Bus (SB-Messaging) 用の新しいアダプターを使用すると、アプリケーションはキュー、トピックなどの Service Bus エンティティからBizTalk Serverにメッセージを受信できます。 BizTalk Server アプリケーションの一部として、Northwind はオーケストレーションを使用して、受信した販売注文で要求された数量が 100 を超えるかどうかを判断します。 数量が 100 を超える場合、メッセージは SalesOrder という名前のSQL Serverデータベース テーブルに挿入されます。 この数量が 100 以下の場合、メッセージは共有ファイルの場所に送信されます。
メッセージをSQL Serverデータベース テーブルに挿入するために、Northwind は、BizTalk アダプター パックの一部として使用できるSQL Serverに Microsoft BizTalk アダプターを使用します。
エンド ツー エンドのメッセージ フロー
ハイブリッド アプリケーションでのメッセージのフローは次のとおりです。
Contoso は X12 販売注文メッセージをエンドポイントに送信します。エンドポイントでは、クラウド上に EDI アグリーメントが展開されています。
メッセージが正しく EDI アグリーメントを通じて処理されると、Service Bus キューに送信されます。
受信アダプター SB-Messaging Service Bus キューからのメッセージを使用し、BizTalk Serverに展開されたオーケストレーションをインスタンス化して、注文数量に基づいて異なる宛先にメッセージを送信します。
注文された数量が 100 を超える場合、オーケストレーションは メッセージを SalesOrder テーブルに挿入します。 注文数量が 100 以下の場合、メッセージは共有ファイルの場所に書き込まれます。
コンピューターをセットアップする
このチュートリアルでは、4 つの広範なアクティビティを実行する必要があります。 次の表に、各アクティビティとそのソフトウェア要件を示します。
アクティビティ | 必要なソフトウェア |
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EDI アグリーメントに必要な EDI アイテムを作成する | このチュートリアルは、Microsoft Azure BizTalk Services – 2012 年 4 月リリースと X12 840 販売注文スキーマを使用して作成されました。 これらは から https://go.microsoft.com/fwlink/p/?LinkId=235057ダウンロードできます。 |
EDI アグリーメントを作成して展開する | EDI アグリーメントは Azure で展開されるので、Azure BizTalk Portal にログインするために必要なものは Web ブラウザー (Internet Explorer など) のみです。 |
BizTalk Server アプリケーションのビルド、デプロイ、構成 | Azure VM にBizTalk Server コンピューターをプロビジョニングする場合は、 の手順https://msdn.microsoft.com/library/azure/jj248689.aspxに従います。 |
EDI アグリーメント エンドポイントにテスト メッセージを送信する | Microsoft Azure BizTalk Servicesに付属するサンプル パッケージで使用できる MessageSender ツールを使用できます。 サンプル パッケージは から https://go.microsoft.com/fwlink/p/?LinkId=235057ダウンロードできます。 |
これらはすべて同じコンピューターにインストールすることも、別のコンピューターにインストールすることもできます。