ASSERT に代わる VERIFY の使用
MFC アプリケーションのデバッグ バージョンを実行したときに、問題がなかったとします。 ただし、同じアプリケーションのリリース バージョンでは、クラッシュしたり、正しくない結果が返されたり、その他の異常な動作が発生したりする可能性があります。
この問題は、ASSERT ステートメントに重要なコードを配置して、正しく実行されることを確認した場合に発生する可能性があります。 MFC プログラムのリリース ビルドでは ASSERT ステートメントはコメント アウトされるため、リリース ビルドではこのコードは実行されません。
関数呼び出しが成功したことを確認するために ASSERT を使用している場合は、代わりに VERIFY を使用することを検討してください。 VERIFY マクロでは、アプリケーションのデバッグ ビルドとリリース ビルドの両方で、独自の引数が評価されます。
別の推奨される方法は、関数の戻り値を一時変数に割り当ててから、その変数を ASSERT ステートメントでテストすることです。
次のコード フラグメントがあるとします。
enum {
sizeOfBuffer = 20
};
char *buf;
ASSERT(buf = (char *) calloc(sizeOfBuffer, sizeof(char) ));
strcpy_s( buf, sizeOfBuffer, "Hello, World" );
free( buf );
MFC アプリケーションのデバッグ バージョンでは、このコードは問題なく実行されます。 calloc( )
の呼び出しが失敗した場合は、ファイルと行番号を含む診断メッセージが表示されます。 ただし、MFC アプリケーションの製品版ビルドでは次のようになります。
calloc( )
の呼び出しは行われず、buf
は未初期化のままになります。またはstrcpy_s( )
によって "Hello, World
" がランダムにメモリにコピーされ、アプリケーションがクラッシュしたり、システムが応答しなくなったりする可能性があります。またはfree()
によって、割り当てられなかったメモリの解放が試行されます。
ASSERT を正しく使用するには、コード サンプルを次のように変更する必要があります。
enum {
sizeOfBuffer = 20
};
char *buf;
buf = (char *) calloc(sizeOfBuffer, sizeof(char) );
ASSERT( buf != NULL );
strcpy_s( buf, sizeOfBuffer, "Hello, World" );
free( buf );
または、代わりに VERIFY を使用できます。
enum {
sizeOfBuffer = 20
};
char *buf;
VERIFY(buf = (char *) calloc(sizeOfBuffer, sizeof(char) ));
strcpy_s( buf, sizeOfBuffer, "Hello, World" );
free( buf );