サード パーティ ライブラリの移植
Visual Studio 2013 以前のプロジェクトを Visual C++ の現在のバージョンにアップグレードする場合は、プロジェクトで使用されているライブラリをアップグレードする必要があります。 ライブラリとプロジェクトは、コンパイラ ツールセットの互換性のあるバージョンとターゲットによってビルドする必要があります。 ライブラリのソース コードにアクセスできず vcpkg を通じてライブラリを使用できない場合は、ライブラリ ベンダーから更新されたバイナリを取得する必要があります。 詳細については、「Overview of potential upgrade issues」 (アップグレードの潜在的な問題の概要) を参照してください。
Visual Studio 2015 以降からアプリケーションをアップグレードする場合、依存関係をアップグレードする必要はありません。これらのバージョンによって生成されるコードはバイナリ互換です。 詳細については、「Visual Studio のバージョン間の C++ バイナリ互換性」を参照してください。
オープンソース ライブラリ vcpkg を使用する
これまでは、サードパーティ ライブラリを検索しアップグレードするのは困難な作業となる場合がありました。 サードパーティ製の C++ オープンソース ライブラリの取得とリビルドを簡単にするために、Visual C++ チームは、VC++ パッケージ ツールまたは vcpkg と呼ばれるコマンドライン ツールを作成しました。 vcpkg には、多くの一般的な C++ オープンソース ライブラリの、検索可能なカタログがあります。 vcpkg コマンドラインから、カタログ内の任意のライブラリを直接インストールすることができます。 ライブラリをインストールすると、vcpkg によってコンピューターにディレクトリ ツリーが作成され、このフォルダーに .h
ファイル、.lib
ファイル、バイナリを追加します。 このフォルダーは、コンパイル コマンドラインで使用することも、vcpkg integrate install
コマンドによって Visual Studio 2015 以降に統合することもできます。 ライブラリの場所を統合すると、Visual Studio でそのライブラリの場所を検索したり、作成した新しいプロジェクトに追加したりすることができます。 ライブラリを使用するには、#include
するだけです。 Visual Studio は自動的にプロジェクトの設定にライブラリのパスを追加し、DLL をソリューション フォルダーにコピーします。 詳細については、「vcpkg」を参照してください。
問題の報告
オープンソース ライブラリが vcpkg カタログに見つからない場合は、GitHub リポジトリでイシューを発行してください。 そこで、コミュニティとチームが Visual C++ を確認し、このライブラリのポート ファイルを作成する可能性があります。