Entity SQL クイック リファレンス

このトピックでは、Entity SQL クエリのクイック リファレンスを提供します。 このトピックのクエリでは、AdventureWorks Sales Model が使用されています。

リテラル

String

Unicode と非 Unicode の文字列リテラルがあります。 Unicode 文字列は先頭に N が付きます。たとえば、N'hello' のようになります。

非 Unicode 文字列リテラルの例を次に示します。

'hello'
--same as
"hello"

Output:

DateTime

DateTime リテラルでは、日付部分と時刻部分の両方が必須です。 既定値はありません。

例:

DATETIME '2006-12-25 01:01:00.000'
--same as
DATETIME '2006-12-25 01:01'

Output:

整数型

整数リテラルには Int32 (123) 型、UInt32 (123U) 型、Int64 (123L) 型、および UInt64 (123UL) 型があります。

例:

--a collection of integers
{1, 2, 3}

Output:

その他

Entity SQL でサポートされているその他のリテラルは、Guid、Binary、Float/Double、Decimal、および null です。 Entity SQL の NULL リテラルは、概念モデルのその他すべての型と互換性があると見なされます。

型コンストラクター

ROW

ROW では、ROW(1 AS myNumber, 'Name' AS myName). のように、構造的に型付けされた匿名のレコード値が作成されます。

例:

SELECT VALUE row (product.ProductID AS ProductID, product.Name
    AS ProductName) FROM AdventureWorksEntities.Product AS product

Output:

MULTISET

MULTISET では、次のようなコレクションが作成されます。

MULTISET(1,2,2,3) --same as-{1,2,2,3}.

例:

SELECT VALUE product FROM AdventureWorksEntities.Product AS product WHERE product.ListPrice IN MultiSet (125, 300)

Output:

Object

名前付きの型コンストラクターでは、person("abc", 12) のように、名前付きのユーザー定義オブジェクトが作成されます。

例:

SELECT VALUE AdventureWorksModel.SalesOrderDetail (o.SalesOrderDetailID, o.CarrierTrackingNumber, o.OrderQty,
o.ProductID, o.SpecialOfferID, o.UnitPrice, o.UnitPriceDiscount,
o.rowguid, o.ModifiedDate) FROM AdventureWorksEntities.SalesOrderDetail
AS o

Output:

関連項目

REF

REF では、エンティティ型のインスタンスへの参照が作成されます。 たとえば、次のクエリは、Orders エンティティ セットの各 Order エンティティへの参照を返します。

SELECT REF(o) AS OrderID FROM Orders AS o

Output:

次の例では、プロパティ抽出演算子 (.) を使用して、エンティティのプロパティにアクセスします。 プロパティ抽出演算子を使用すると、参照は自動的に逆参照されます。

例:

SELECT VALUE REF(p).Name FROM
    AdventureWorksEntities.Product AS p

Output:

DEREF

DEREF では、参照値が逆参照されて、その逆参照の結果が生成されます。 たとえば、次のクエリは、SELECT DEREF(o2.r) FROM (SELECT REF(o) AS r FROM LOB.Orders AS o) AS o2 のように、Orders エンティティ セットの各 Order について Order エンティティを生成します。

例:

SELECT VALUE DEREF(REF(p)).Name FROM
    AdventureWorksEntities.Product AS p

Output:

CREATEREF と KEY

CREATEREF では、キーを渡す参照が作成されます。 KEY では、型参照を持つ式のキー部分が抽出されます。

例:

SELECT VALUE Key(CreateRef(AdventureWorksEntities.Product, row(p.ProductID)))
    FROM AdventureWorksEntities.Product AS p

Output:

関数

正規

正規関数の名前空間は Edm で、Edm.Length("string") のように使用されます。 正規関数と同じ名前の関数を含んでいる別の名前空間がインポートされない限り、名前空間を指定する必要はありません。 2 つの名前空間に同じ関数が存在する場合は、ユーザーは完全な名前を指定する必要があります。

例:

SELECT Length(c. FirstName) AS NameLen FROM
    AdventureWorksEntities.Contact AS c
    WHERE c.ContactID BETWEEN 10 AND 12

Output:

Microsoft プロバイダー固有

Microsoft プロバイダー固有の関数は、SqlServer 名前空間にあります。

例:

SELECT SqlServer.LEN(c.EmailAddress) AS EmailLen FROM
    AdventureWorksEntities.Contact AS c WHERE
    c.ContactID BETWEEN 10 AND 12

Output:

名前空間

USING では、クエリ式で使用する名前空間を指定します。

例:

using SqlServer; LOWER('AA');

Output:

ページング

ページングは、ORDER BY 句に対して SKIP および LIMIT サブ句を宣言することによって表すことができます。

例:

SELECT c.ContactID as ID, c.LastName AS Name FROM
    AdventureWorks.Contact AS c ORDER BY c.ContactID SKIP 9 LIMIT 3;

Output:

グループ化

GROUPING BY では、クエリ (SELECT) 式によって返されるオブジェクトをグループ化するよう指定します。

例:

SELECT VALUE name FROM AdventureWorksEntities.Product AS P
    GROUP BY P.Name HAVING MAX(P.ListPrice) > 5

Output:

ナビゲーション

リレーションシップ ナビゲーション操作を使用すると、開始側のエンティティと終了側のエンティティ間のリレーションシップをナビゲートできます。 NAVIGATE では、<名前空間>.<リレーションシップ型名> として修飾されるリレーションシップ型が取得されます。 終了側のカーディナリティが 1 の場合、Ref<T> が返されます。 終了側のカーディナリティが n の場合、Collection<Ref<T>> が返されます。

例:

SELECT a.AddressID, (SELECT VALUE DEREF(v) FROM
    NAVIGATE(a, AdventureWorksModel.FK_SalesOrderHeader_Address_BillToAddressID) AS v)
    FROM AdventureWorksEntities.Address AS a

Output:

SELECT VALUE AND SELECT

SELECT VALUE

Entity SQL には、暗黙の行の構築をスキップする SELECT VALUE 句が用意されています。 SELECT VALUE 句には 1 つの項目のみを指定できます。 このような句を使用した場合、SELECT 句内の項目には row ラッパーは構築されず、SELECT VALUE a などの目的の構造を持つコレクションを作成できます。

例:

SELECT VALUE p.Name FROM AdventureWorksEntities.Product AS p

Output:

SELECT

Entity SQL には、任意の行を構築するための行コンストラクターも用意されています。 SELECT は、投影内の 1 つまたは複数の要素、および SELECT a, b, c などのフィールドを持つデータ レコードの結果を取得します。

例:

SELECT p.Name, p.ProductID FROM AdventureWorksEntities.Product as p Output:

CASE 式

CASE 式では、一連のブール式が評価されて結果が判定されます。

例:

CASE WHEN AVG({25,12,11}) < 100 THEN TRUE ELSE FALSE END

Output:

関連項目

• Entity SQL リファレンス
• Entity SQL の概要