メッセージ フローのトレースの構成

Windows Communication Foundation (WCF) のアクティビティ トレースが有効な場合は、エンド ツー エンド アクティビティ ID が、WCF スタック全体で論理アクティビティに割り当てられます。 .NET Framework 4.6.1 では、この機能の高パフォーマンス バージョンが導入されており、"メッセージ フローのトレース" と呼ばれる Event Tracing for Windows (ETW) と連携します。 この機能が有効な場合は、エンド ツー エンド アクティビティ ID が受信メッセージから取得され (空の場合は割り当てられ)、チャネルによってメッセージがデコードされた後に生成されたすべてのトレース イベントに伝達されます。 ユーザーはこの機能を使用して、デコード後に、異なるサービスから取得したトレース ログでメッセージ フローを再構築できます。

トレースは、アプリケーションで問題が検出された後に有効にし、その問題が解決された後は無効にすることができます。

トレースの有効化

メッセージ フローのトレースを有効にするには、次の例に示すように、.NET Framework 4 の messageFlowTracing 構成要素を true に設定します。

<system.servicemodel>  
  <diagnostics>  
    <endToEndTracing propagateActivity="true" messageFlowTracing="true" />  
  </diagnostics>  
</system.servicemodel>  

アクティビティはアクティビティ ID と呼ばれる識別子の交換によって関連付けられます。 この識別子は GUID で、System.Diagnostics.CorrelationManager クラスによって生成されます。 System.Diagnostics.Trace.CorrelationManager.ActivityID を操作する場合は、実行の制御が WCF コードに転送を返すときに値を元の値に設定するようにしてください。 また、非同期 WCF プログラミング モデルを使用する場合は、System.Diagnostics.Trace.CorrelationManager.ActivityID がスレッド間で転送されるようにしてください。

メッセージ フローのトレース REST サービス

メッセージ フローのトレースでは、要求をエンドツーエンドでトレースできます。 SOAP ベースのサービスでは、アクティビティ ID は、SOAP メッセージのヘッダー内で送信されます。 REST 要求にはこのヘッダーは含まれないため、代わりに、特殊な HTTP イベント ヘッダーが使用されます。 次のコード スニペットには、アクティビティ ID をプログラムで取得する方法が示されています。

Object output = null;
if (OperationContext.Current.IncomingMessageProperties.TryGetValue(HttpRequestMessageProperty.Name, out output))
{
   HttpRequestMessageProperty httpHeaders = output as HttpRequestMessageProperty;
   // Retrieve the Activity Id from the HTTP header    string e2eId = httpHeaders.Headers["E2EActivity"];
   // ...
}

次のコードを使用するとプログラムでヘッダーを追加できます。

HttpContent content = new StreamContent(contentStream);  
Guid correlation = Guid.NewGuid();  
content.Headers.Add("E2EActivity", Convert.ToBase64String(correlation.ToByteArray()));