200% 逓減残高による減価償却について
適用: Microsoft Dynamics AX 2012 R3, Microsoft Dynamics AX 2012 R2, Microsoft Dynamics AX 2012 Feature Pack, Microsoft Dynamics AX 2012
固定資産減価償却プロファイルを設定し、[減価償却プロファイル] フォームの [方法] フィールドで [200% 逓減残高] を選択すると、この減価償却プロファイルを割り当てられる固定資産の減価償却に、各減価償却期間で同じ比率が適用されます。この比率は資産の耐用年数に基づいて計算されます。たとえば、資産の耐用年数が 5 年の場合は、比率は 40% (200%/5) として計算します。
この方法は倍額定率法とも呼ばれます。
200% 逓減残高による減価償却を設定するには、さらに、[減価償却プロファイル] フォームの [償却年] フィールドと [期間の頻度] フィールドでオプションを選択します。償却年 フィールドの選択内容に応じて、[期間の頻度] フィールドのオプションが変更されます。
償却年の選択
"減価償却プロファイル" フォームの [償却年] フィールドで、[カレンダー] または [会計年度] を選択できます。(固定資産 >設定 >減価償却 >減価償却プロファイル をクリックします。この選択により、[期間の頻度] フィールドで指定できるオプションが決まります。
カレンダー
[償却年] フィールドの既定値である [カレンダー] をそのまま使用できます。
[カレンダー] オプションを選択すると、毎年 1 月 1 日に償却基礎額 (一般には正味簿価額から仕損価格を差し引いた値) が更新されます。このトピックの後の例では、計算列の計算における最初の式の分子が償却基礎額です。
[カレンダー] を選択すると、[期間の頻度] フィールドで次のオプションが提示されます。このオプションによって、暦年を通した償却発生額の転記日付と金額が定義されます。
[年 1 回] では 12 月 31 日に量が転記されます。
[月 1 回] を選択すると、各カレンダー月の最終日に 1 か月分の量が転記されます。
[四半期に 1 回] を選択すると、各四半期の最終日 (3 月 31 日、6 月 30 日、9 月 30 日、および 12 月 31 日) に、四半期分の量が転記されます。
[半期に 1 回] を選択すると、暦年の半年の最終日 (6 月 30 日と 12 月 31 日) に半年分の金額が転記されます。
[毎日] を選択すると、毎日の 1 つのトランザクションを使用した毎日の減価償却方法の減価償却量が転記されます。
注意
(THA) このコントロールは、基本住所がタイにある法人にのみ使用可能です。
会計年度
[償却年] フィールドで [会計年度] を選択すると、200% 逓減残高による減価償却は、価格モデルまたは減価償却簿で指定した会計カレンダーまたは [元帳] フォームで選択した会計カレンダーの会計年度に基づいて計算します。会計カレンダーは、"会計カレンダー" フォームで設定します。詳細については、「会計カレンダー、会計年度、および期間について」を参照してください。
たとえば、7 年 1 日から 6 月 30 日の会計年度に対し、減価償却計算は 7 月 1 日に開始します。会計年度は 12 か月以上または以下の可能性があります。減価償却は各年度期間に合わせて調整されます。次の会計年度の期間は [会計カレンダー] フォームの期間で設定されます。
償却年として [会計年度] が選択されると、次のオプションを [期間の頻度] フィールドで使用できます。
[年 1 回] を選択すると、会計年度に対して計算した減価償却の合計額が、会計年度の最終日に 1 つの金額として転記されます。
[会計年度期間] では、会計年度に対して計算された減価償却の合計額が転記され、それは、各会計年度の [会計カレンダー] フォームに定義されている会計期間に見越計上されます。
200% 逓減残高による減価償却の例
取得費用 |
11,000 |
救済価格 |
1, 000 |
償却基礎額 |
10,000 |
耐用年数 |
5 |
年次減価償却率 |
40% |
200% 低減残高法では、200% を耐用年数で除算します。この比率は、資産の正味簿価額で乗算され、各年の減価償却金額が決まります。
期間 |
年次減価償却額の計算 |
簿価額 |
年末の正味簿価額 |
---|---|---|---|
年 1 |
(11,000 - 1,000) * 40% = 4,000 |
(11,000 - 4,000) = 7,000 |
(11,000 - 1,000 - 4,000) = 6,000 |
年 2 |
6,000 * 40% = 2,400 |
(7,000 - 2,400) = 4,600 |
(6,000 - 2,400) = 3,600 |
年 3 |
3,600 * 40% = 1,440 |
(4,600 - 1,440) = 3,160 |
(3,600 - 1,440) = 2,160 |
注意
200% 逓減残高による減価償却の金額が、定額法を使用して発生する金額より低くなる場合、通常は、残余耐用期間が定額法に換算されます。