製造実行の生産パラメーターについて

適用: Microsoft Dynamics AX 2012 R3, Microsoft Dynamics AX 2012 R2, Microsoft Dynamics AX 2012 Feature Pack, Microsoft Dynamics AX 2012

[製造実行] モジュールは、主に製造会社向けに作成されたものです。生産ジョブやプロジェクトでの時間と品目の消費を登録するために使用できます。ジョブ登録のモジュールの使用を開始する前に、最初に生産プロセスで登録をいつどのように転記するかを定義するさまざまな生産パラメータを設定する必要があります。生産パラメータの設定は、在庫管理、生産管理、および原価計算に影響します。

作業者が生産ジョブの登録を開始する前に、"生産パラメーター" フォームのすべての設定を慎重に考慮することをお勧めします。生産管理 >設定 >製造実行 >生産パラメーター をクリックします。 会社がマルチサイト機能を使用する場合は、サイトごとに異なる生産パラメータを設定することができます。詳細については、「製造実行生産パラメーター (フォーム)」を参照してください。

[生産] モジュールに統合するパラメータは、"生産パラメーター" フォームの以下のタブで設定します。

  • [一般] : [製造実行] の生産ジョブの一般的なパラメータ設定。

  • [開始] : 生産工程の開始時に使用されるパラメータ。

  • [工程] : 生産プロセス中に生産工程および工程に関するフィードバックに適用されるパラメータ。

  • [完了レポート] : 製造オーダーの最後の工程の完了後、品目を報告する際に適用されるパラメータ。

  • [数量の検証] : 製造オーダーの開始数量およびフィードバックされた数量の検証に使用されるパラメータ。

生産ジョブのタイプ

[工程] タブの "ジョブ登録" フォームで、登録を必要とする生産ジョブのタイプを選択します。

通常、作業者は設定ジョブとプロセス ジョブを登録します。ただし、ジョブのスケジューリングが適用されている場合は、製造オーダーの処理時にも作業者が登録する必要がある他のジョブ タイプ (配送ジョブなど) を選択できます。

重要

関連するすべてのジョブ タイプが選択されていることを確認してください。選択漏れがあると、"ジョブ登録" フォームでジョブを登録できない可能性があります。"工順グループ" フォームの ジョブ管理 列で行った選択に、選択内容を合わせます。生産管理 >設定 >工順 >工順グループ をクリックします。 次に、[設定] タブをクリックします。

ジョブ管理 が工順グループで選択されている場合、このジョブ タイプが製造オーダーで完了報告されます。これは、ジョブが [製造実行] で完了報告されたときに発生します。[ジョブ管理] が選択されているすべてのジョブ タイプが工程の完了報告されると、[製造実行] の工程も完了報告されます。

注意

一部のジョブ タイプは生産仕訳帳から手動で報告できます。その場合、対象ジョブ タイプに [ジョブ管理] を選択し、[製造実行] の "生産パラメーター" フォームにある [工程] タブの登録でこのジョブ タイプを選択しないようにします。

BOM 消費とピッキング リスト仕訳帳

在庫管理が効率的であるようにするために BOM 消費の設定が一貫していることが重要です。たとえば、[製造実行] でBOM 消費パラメータが正しく設定されていない場合、材料が在庫から 2 回差し引かれたり、まったく差し引かれなかったりする場合があります。

"生産パラメーター" のフォームで、[自動 BOM 消費] は、3 つのステージで設定されます。

  • 生産の開始時。これは [開始] タブで設定します。

  • 工程が完了されるときの生産プロセス中。これは [工程] タブで設定します。

  • 製造オーダーが完了済と報告されるとき。これは [完了レポート] タブで設定します。

3 つのステージごとに、[自動 BOM 消費] フィールドには製造オーダーの品目をピッキングするのための 3 つの方法があります。

  1. [部品消費ルール] : このオプションは、生産モジュールの BOM で定義されたオプションと組み合わせて使用されます。生産管理 >共通 >製造オーダー >すべての製造オーダー をクリックします。 "すべての製造オーダー" フォームで、一覧から製造オーダーを選択し、[アクション ウィンドウ] で [BOM] ボタンをクリックします。[BOM] フォームから、 [設定] タブ、 [部品消費ルール] フィールドをクリックします。 [生産] の [部品消費ルール] オプションは次のとおりです。

    • 開始

    • 完了

    • 手動

    • 空白 – オプションは選択されません。

    [製造実行] モジュールでは、[自動 BOM 消費] フィールドの [開始] タブで [部品消費ルール] が選択されている場合、BOM で [開始] 値に設定されているすべての材料は、工程の開始時に在庫から差し引かれることを意味します。

    注意

    [製造実行] の [開始] タブで [部品消費ルール] フィールドが選択されている場合、同じ原則を [工程] タブまたは [完了レポート] タブでも選択する必要があります。これは、製造オーダーの部品消費ルールとして [完了] を使用した BOM の在庫から材料が差し引かれるようにすることです。[工程] タブまたは [完了レポート] タブが [部品消費ルール] 選択を含むことが重要です。これは、材料が在庫から 2 回差し引かれないようにするためです。

    BOM では、在庫からの材料の控除は各品目に設定された値に基づきます。この値は、Microsoft Dynamics Ax で作成されたすべての品目に対して必須です。これは、[部品消費ルール] が "空白" に設定され、たとえば [製造実行] の [生産パラメーター] フォームにある [開始] タブおよび [工程] タブで [部品消費ルール] を選択した場合に発生します。

  2. [常時] : 特定のステージでこのオプションを選択する場合、材料はそのステージの在庫から常に差し引かれます。たとえば、生産の材料が製造オーダーの開始時に差し引かれます。この設定では、[工程] と [完了レポート] タブで "なし" を選択する必要があります。これによって、品目が在庫から 2 回差し引かれないようにします。

  3. [なし] : BOM 消費が特定のステージで起こらないことを意味します。たとえば、[開始]、[工程]、および [完了レポート] の 3 つのすべてのタブで "なし" が選択されている場合、手動で材料を在庫から差し引く必要があります。

重要

入念に生産パラメータの設定を慎重に検討し、"生産パラメーター" フォームの各タブで選択したパラメータは互いに矛盾しないようにします。

次の各例で、さまざまな BOM 消費原則をサポートするパラメータの設定について示します。パラメータは、[製造実行] の "生産パラメーター" フォームで設定します。

Aa570152.collapse_all(ja-jp,AX.60).gif例 1 : 工程でのバックフラッシュ

工程での品目の完了報告時にピッキング リスト仕訳帳および BOM 品目の消費を生成する必要がある場合は、以下の設定を使用します。

タブ/フィールド

設定

開始 /

オンラインで開始を更新

ステータス / ステータス + 数量

開始 /

自動 BOM 消費

なし

工程 /

自動 BOM 消費

常時

完了レポート /

自動 BOM 消費

なし

完了レポート /

オンラインで完了レポートを更新

ステータス + 数量

Aa570152.collapse_all(ja-jp,AX.60).gif例 2 : 生産でのバックフラッシュ

製造オーダーでの品目の完了報告時にピッキング リスト仕訳帳および BOM 品目の消費を生成する必要がある場合は、以下の設定を使用します。

タブ/フィールド

設定

開始 /

オンラインで開始を更新

ステータス / ステータス + 数量

開始 /

自動 BOM 消費

なし

工程 /

自動 BOM 消費

なし

完了レポート /

自動 BOM 消費

常時

完了レポート /

オンラインで完了レポートを更新

ステータス + 数量

Aa570152.collapse_all(ja-jp,AX.60).gif例 3 : 部品消費タイミング

BOM 品目の部品消費タイミングの設定に従ってピッキング リスト仕訳帳および BOM 品目の消費を生成する必要がある場合は、以下の設定を使用します。

タブ/フィールド

設定

開始 /

オンラインで開始を更新

ステータス + 数量

開始 /

自動 BOM 消費

部品消費ルール

工程 /

自動 BOM 消費

部品消費ルール

完了レポート /

自動 BOM 消費

なし

完了レポート /

オンラインで完了レポートを更新

ステータス + 数量

Aa570152.collapse_all(ja-jp,AX.60).gif例 4 : 製造オーダーの開始時に材料を差し引く

生産の開始時にピッキング リスト仕訳帳および BOM 品目の消費を生成する必要がある場合は、以下の設定を使用します。

タブ/フィールド

設定

開始 /

オンラインで開始を更新

ステータス + 数量

開始 /

自動 BOM 消費

常時

工程 /

自動 BOM 消費

なし

完了レポート /

自動 BOM 消費

なし

完了レポート /

オンラインで完了レポートを更新

ステータス / ステータス + 数量

このセクションで前述されている選択に基づいて、ピッキング リスト仕訳帳は製造オーダー プロセスのさまざまなステージで転記されます。

  • 工程の開始時。

  • 工程での数量フィードバックの報告時。

  • 製造オーダーでの品目の完了報告時。

Aa570152.collapse_all(ja-jp,AX.60).gif例 5 : 手動の BOM 消費

次の設定は、常に手動で材料を在庫から差し引く必要がある場合に使用できます。この場合、ピッキング リスト仕訳帳は転記されません。

タブ/フィールド

設定

開始 /

オンラインで開始を更新

ステータス

開始 /

自動 BOM 消費

なし

工程 /

自動 BOM 消費

なし

完了レポート /

自動 BOM 消費

なし

完了レポート /

オンラインで完了レポートを更新

ステータス

参照

キー タスク : 製造実行の設定

サイトおよびマルチサイト機能について

生産フィードバックについて

ジョブのスケジューリングについて

工程スケジュールについて

工順グループの作成