購買要求ワークフローについて
適用: Microsoft Dynamics AX 2012 R3, Microsoft Dynamics AX 2012 R2, Microsoft Dynamics AX 2012 Feature Pack, Microsoft Dynamics AX 2012
確認プロセスを介して購買要求を [下書き] の最初の状態から [承認済] の最後の状態へ移動するには、購買要求をワークフロー システムに送信します。Microsoft Dynamics Ax クライアントで購買要求のワークフローを設定します。ワークフローは、1 つ以上の確認の手順を含むようにコンフィギュレーションできます。
ワークフロー システムは、確認プロセス全体で購買要求を単一ドキュメントとしてルーティングできます。また、購買要求の明細行は、適切なレビュー担当者に個々にルーティングすることもできます。購買要求の明細行が個々に確認される場合、確認プロセスがすべての購買要求明細行に関して完了してから、購買要求の確認プロセスが全体として完了します。購買要求の全般的なステータスは購買要求明細行のステータスによって制御されます。ワークフロー システムは、購買要求をレビュー用に送信すると、レビューのタスクを省き、自動的に購買要求を承認するようにコンフィギュレーションすることもできます。
購買要求が [承認済] ステータスに設定されていると、発注書が購買要求明細行に対して生成され、仕入先に処理のために送信されます。
購買要求のワークフローをコンフィギュレーションする方法の詳細については Microsoft Dynamics Ax クライアントにあるアプリケーション ユーザー ヘルプの「購買要求ワークフローの設定」を参照してください。購買要求に使用されるワークフロー ステータスに関する詳細については、「購買要求のステータスについて」を参照してください。
注意
このトピックには、Microsoft Dynamics AX 2012 R2 で追加または変更された機能に関する情報が含まれています。この情報は、AX 2012 R3 にも適用されます。このトピックの後半を参照してください。
例 : 購買要求ワークフロー
購買要求ワークフローは、組織の購買要求の業務プロセスを表します。ワークフローは、どのユーザーが購買要求を完了および承認できるかを決定することにより、購買要求が組織内をどのように流れるかを定義します。購買要求がワークフローの確認プロセスをどのように流れるかが、次の図の例で表しています。この例では、購買要求が単一ドキュメントとしてのワークフロー プロセスをルーティングされています。購買要求明細行は個々にルーティングされていません。
購買要求プロセス確認プロセス
この例では、組織の次の 3 種類のビジネス ロールがワークフローに含まれています。
品目またはサービスを要求するユーザー – 要求者
購買担当者 - 承認者
要求者の管理者 - 承認者
注意
要求者とは、購買要求にある品目またはサービスを要求し、その品目やサービスを受け取る作業者のことです。ただし、この作業者が購買要求を準備する必要はありません。別の作業者が、要求者に代わって購買要求を作成して送信するためのアクセス許可を得ることができます。この作業者は作成者と呼ばれます。作成者は購買要求が送信された後、承認またはキャンセルされるまで管理を担当します。このシナリオでは、要求者が購買要求を変更できません。
この例では、購買要求は、ワークフロー プロセスの次の手順に従います。
作成者は購買要求を作成してレビュー用に送信します。
購買担当者が通知を受信します。通知によって、購買担当者が購買要求の情報を確認し、入力されていない必要な情報を入力しておくように要求されます。必須情報は正味金額や仕入先情報が含まれます。また、購買担当者は、購買要求を作成者に戻すこともできます。必須フィールドが入力されている場合、購買要求は確認プロセスに送られます。
注意
購買要求にエラーが含まれていないと、ワークフローは確認タスクを省くようにコンフィギュレーションされている場合、購買要求は [承認済] ステータスに自動的に設定されます。
要求者のマネージャーが購買要求を確認し承認します。
たとえば、要求者が自身の支出制限を超えた場合、承認は要求者のマネージャーにルーティングされます。要求者のマネージャーが購買要求を承認または却下したり、作成者に戻して変更を要求したりできます。
注意
この例では、購買要求が特定のユーザーまたはユーザー グループに割り当てられていません。代わりに、ユーザー階層に基づいて複数のユーザーに割り当てられています。したがって、要求者のマネージャーが承認者です。ワークフロー タスクのレビュー担当者を割り当てる方法の詳細については、Microsoft Dynamics Ax クライアントのアプリケーション ユーザー ヘルプの「タスクを手動でコンフィギュレーションする」を参照してください。
Microsoft Dynamics Ax が発注書を自動的に作成するように設定されている場合、購買要求が承認された後に発注書が作成されます。購買要求明細行で指定されている通貨、仕入先、または法人ごとに発注書が作成されます。たとえば、購買要求に 2 つの明細行があり、各明細行の仕入先、通貨、または法人が異なる場合は、2 つの発注書が作成されます。
購買要求明細行の要求者、明細行タイプ、または調達カテゴリが異なる場合は、購買ポリシーが組織にどのようにコンフィギュレーションされているかよって、個別の発注書も作成できます。
Microsoft Dynamics Ax に発注書の自動作成を設定していない場合、購買担当者は購買要求明細行を手動で選択して発注書を作成する必要があります。
注意
承認済購買要求の発注書を自動的に生成するルールの設定方法については、Microsoft Dynamics Ax クライアントのアプリケーション ユーザー ヘルプの「発注書作成の設定と需要連結ルール」を参照してください。
Microsoft Dynamics AX 2012 R2 の新機能と変更された機能
Microsoft Dynamics AX 2012 R2 では、要求目的 の概念が導入されています。要求目的により、要求の需要を満たす方法に柔軟性を持たせることができます。要求を作成する際に、消費または補充のいずれかの目的をその要求に割り当てることができます。要求の需要は、目的に応じて発注書、移動オーダー、製造オーダー、またはかんばんによって満たすことができます。要求目的と要求目的が要求プロセスに及ぼす影響の詳細については、「購買要求について (エンタープライズ ポータル)」を参照してください。
消費目的の要求
注意
Microsoft Dynamics AX 2012 R2 の消費目的の購買要求は、Microsoft Dynamics AX 2012 の購買要求に相当します。
消費目的の要求によって作成された需要は、常に発注書によって満たされます。Microsoft Dynamics Ax が発注書を自動的に作成するように設定されている場合、購買要求が承認された後に発注書が作成されます。購買要求明細行で指定されている通貨、仕入先、または法人ごとに発注書が作成されます。たとえば、購買要求に 2 つの明細行があり、各明細行の仕入先、通貨、または法人が異なる場合は、2 つの発注書が作成されます。
購買要求明細行の要求者、明細行タイプ、または調達カテゴリが異なる場合は、購買ポリシーが組織にどのようにコンフィギュレーションされているかよって、個別の発注書も作成できます。
Microsoft Dynamics Ax に発注書の自動作成を設定していない場合、購買担当者は購買要求明細行を手動で選択して発注書を作成する必要があります。
注意
承認済購買要求の発注書を自動的に生成するルールの設定方法については、Microsoft Dynamics Ax クライアントのアプリケーション ユーザー ヘルプの「発注書作成の設定と需要連結ルール」を参照してください。
補充目的の要求
補充目的の要求によって作成された需要は、発注書、移動オーダー、製造オーダー、またはかんばんによって満たすことができます。マスタ プランに要求の需要を含めるように Microsoft Dynamics Ax を設定する必要があります。これを設定した後、補充目的の要求によって作成された需要を満たす方法が、組織の品目に設定され、マスタ プランを使用して計画されている供給ポリシーによって自動的に決定されます。
注意
要求目的が補充である場合に要求の需要を自動的に考慮するようにマスタ プランを設定する方法の詳細については、Microsoft Dynamics AX 2012 R2 クライアントのアプリケーション ユーザー ヘルプの「要求のためのマスタ プランの設定」を参照してください。