フィールドでの売上税計算方法について
適用: Microsoft Dynamics AX 2012 R3, Microsoft Dynamics AX 2012 R2, Microsoft Dynamics AX 2012 Feature Pack, Microsoft Dynamics AX 2012
"売上税コード" フォームで作成する売上税コードごとに、税基準額に適用する計算方法を [発生元] フィールドで選択する必要があります。
正味金額の割合
[正味金額の割合] の計算方法は [発生元] フィールドの既定値です。売上税は、購入金額または売上金額の割合として計算され、その他の売上税はすべて除外されます。
例
請求明細行に、単価 1.00 ドルの品目の数量が 10 と示されています。顧客には 10% の行割引が適用されます。
正味金額 : 9.00
売上税 : 25% * 9 = 2.25
合計金額 : 9 + 2.25 = 11.25
総額の割合
[総額の割合] の計算方法を選択する場合、売上税が総売上額の割合として計算されます。次の例の総売上額には、その他の売上税や関税がすべて含まれています。
例
税務当局から、ある品目に特別税が課せられました。
関税額は、売上税が計算される前に正味金額に加算されます。次の売上税コードを設定する必要があります。
関税 1 = 10% ([正味金額の割合] の計算方法を使用)
関税 2 = 20% ([正味金額の割合] の計算方法を使用)
売上税 = 25% ([総額の割合] の計算方法を使用)
正味金額が 10.00 の場合は、関税 1 は 1.00 (10.00 * 10%) および関税 2 = 2.00 (10.00 * 20%) です。
この金額は、次のようになります。
総額 : 正味金額 + 関税 1 の金額 + 関税 2 の金額 (10.00 + 1.00 + 2.00) = 13.00 となります。
売上税 : 13.00 * 25% = 3.25
関税と売上税の合計 : 1.00 + 2.00 + 3.25 = 6.25
合計金額 : 10.00 + 6.25 = 16.25
総額の割合の追加オプション
[発生元] フィールドの [総額の割合] を選択すると、[売上税の売上税] フィールドで売上税も選択できます。
注意
[売上税の売上税] フィールドで売上税コードを選択すると、その売上税のみが売上税計算で総額に算入されます。[売上税の売上税] フィールドで売上税コードを選択しない場合は、売上税計算で総額にすべての売上税が算入されます。
"売上税コード" フォームで、[総額の割合] が [発生元] フィールドで選択されている売上税コードを選択します。
[計算] タブの [売上税の売上税] フィールドで、売上税計算で総額に算入する売上税または関税を選択します。
例
税務当局から、ある品目に特別税が課せられました。
売上税が計算される前に、一方の関税額を正味金額に加算する必要があります。次の売上税コードを設定する必要があります。
関税 1 = 10% ([正味金額の割合] の計算方法を使用)
関税 2 = 20% ([正味金額の割合] の計算方法を使用)
売上税 = 25% ([総額の割合] の計算方法を使用し、[売上税の売上税] フィールドで 関税 1 を指定)
正味金額 : 10.00
関税 1 : 10.00 * 10% = 1.00
関税 2 : 10.00 * 20% = 2.00
総額 : 正味金額 + 関税 1 の金額 (10.00 + 1.00) = 11.00
売上税 : 11.00 * 25% = 2.75
関税と売上税の合計 : 1.00 + 2.00 + 2.75 = 5.75
合計金額 : 10.00 + 5.75 = 15.75
売上税率
[発生元] フィールドで [売上税率] を選択すると、売上税が [売上税の売上税] フィールドで選択した売上税の割合として計算されます。[売上税の売上税] フィールドで選択した売上税が最初に計算されます。2 番目の売上税は、この最初の売上税額に基づいて計算されます。
例
次の売上税コードを設定する必要があります。
関税 1 = 10% ([正味金額の割合] の方法を使用)
関税 2 = 20% ([売上税率] の方法を使用し、[売上税の売上税] フィールドで 関税 1 を指定)
売上税 = 25% ([総額の割合] の方法を使用)
正味金額 : 10.00
関税 1 : 10.00 * 10% = 1.00
関税 2 : 1.00 * 20% = 0.20
総額 : 10.00 + 1.00 + 0.20 = 11.20
売上税 : 11.20 * 25% = 2.80
売上税の合計 : 1.00 + 0.20 + 2.80 = 4.00
合計金額 : 10.00 + 4.00 = 14.00
単位ごとの金額
[発生元] フィールドで [単位ごとの金額] を選択すると、売上税が単位ごとの固定金額として計算されます。単位は [単位] フィールドで選択し、金額は "値" フォームで指定します。
例
売上税は次のように計算されます。
1 箱あたり 1.00 USD
1 キロあたり 0.25 EUR
注意
トランザクションが別の単位で入力されると、"単位換算" フォームで設定された単位換算に基づいてその単位が自動的に換算されます。
単位ごとの金額の追加オプション
[計算] タブで、関税が売上税の前に計算されるかどうかを選択できます。これにより、関税額が売上税計算に含まれるかどうかが決まります。
売上税計算に [総額の割合] を選択し、関税を [単位ごとの金額] で計算します。関税額が正味金額に加算され、売上税計算で総額に算入されます。
売上税計算に [正味金額の割合] を選択し、関税を [単位ごとの金額] で計算します。関税額は正味金額に加算されず、売上税計算から除外されます。
売上税計算に [正味金額の割合] を選択し、関税を [単位ごとの金額] で計算し、さらに関税計算に関して [計算] タブで [売上税の前に計算] チェック ボックスをオンにします。関税額が正味金額に加算され、売上税の計算に算入されます。
例
例 1
関税 1 : 5.00
発生元フィールド値 :単位ごとの金額
売上税 : 25% ([総額の割合] の方法を使用)
売上税が総額の割合として計算されるため、[売上税の前に計算] チェック ボックスは無効となります。
正味金額 : 10.00
関税 1 : 1 * 5.00 = 5.00
総額 : 10.00 + 5.00 = 15.00
売上税 : 15.00 * 25% = 3.75
売上税の合計 : 5.00 + 3.75 = 8.75
合計金額 : 10.00 + 8.75 = 18.75
例 2
関税 1 : 5.00
発生元フィールド値 :単位ごとの金額
売上税 : 25% ([正味金額の割合] の方法を使用)
関税計算に対して [売上税の前に計算] チェック ボックスがオフになっています。
正味金額 : 10.00
関税 1 : 1 * 5.00 = 5.00
売上税 : 10.00 * 25% = 2.50
売上税の合計 : 5.00 + 2.50 = 7.50
合計金額 : 10.00 + 7.50 = 17.50
例 3
関税 1 : 5.00
発生元フィールド値 = 単位ごとの金額
売上税 : 25% ([正味金額の割合] の方法を使用)
関税計算に対して [売上税の前に計算] チェック ボックスがオンになっています。
正味金額 : 10.00
関税 1 : 1 * 5.00 = 5.00
売上税 : (10.00 + 5.00) * 25% = 3.75
売上税の合計 : 5.00 + 3.75 = 8.75
合計金額 : 10.00 + 8.75 = 18.75
例 4
関税が 1 種類しかないため、例 3 と例 1 の結果は同じになります。
2 種類の関税がある場合は、そのうち一方のみが売上税計算で正味金額に算入されます。
関税 1 : 5.00 ([単位ごとの金額] の方法を使用して、[売上税の前に計算] チェック ボックスはオン)
関税 2 : 2.50 ([単位ごとの金額] の方法を使用して、[売上税の前に計算] チェック ボックスはオフ)
売上税 : 25% ([正味金額の割合] の方法を使用)
正味金額 : 10.00
関税 1 : 1 * 5.00 = 5.00
関税 2 : 1 * 2.50 = 2.50
売上税の対象となる正味金額 : 10.00 + 5.00 = 15.00
売上税 : 15.00 * 25% = 3.75
関税を含めた売上税の合計 : 5.00 + 2.50 + 3.75 = 11.25
合計金額 : 10.00 + 11.25 = 21.25
正味金額 (10.00) と関税 1 (5.00) の合計である 15.00 に対して 25% の売上税が計算されます。関税 2 は、売上税が計算された後の税額に加算されます。
計算済正味金額の割合
[計算済正味金額の割合] は、ドイツで使用されている計算方法です。
例
正味金額 : 10.00
税率 : 25%
売上税 : 正味金額 * 税率 (10.00 * 25%) = 2.50