例 : プロジェクト契約の資金調達

適用: Microsoft Dynamics AX 2012 R3, Microsoft Dynamics AX 2012 R2, Microsoft Dynamics AX 2012 Feature Pack, Microsoft Dynamics AX 2012

複数の資金調達ソースをプロジェクトに割り当てると、各資金調達ソースに配賦割合 を割り当てることで、各ソースが担当する契約金額の部分を制御できます。さらに、各資金調達ソースに配賦優先順位 を割り当てることで、各資金調達ソースへの原価の配賦順序を制御できます。

注意

優先順位の設定がプロジェクトに対する資金の配賦方法にどのように影響を与えるかについては、「資金配賦優先順位のコンフィギュレーション」を参照してください。

複数の簡単な資金調達ソースの例

次の表に、複数の資金調達ソース間での資金配賦の管理のシナリオを示します。これらのシナリオは、次の前提に基づいています。

  • 他の資金調達ルールの基準を適用する前に、優先順位の設定が資金配賦に考慮されます。

  • 資金調達ルールが有効の場合は、日付範囲は指定されていません。

注意

"プロジェクト管理および会計パラメーター" フォームで、システムで資金の最初の配賦先を判断する際に資金調達ルールの基準を重み付ける順序を指定できます。資金調達ルールの優先順位基準に関する詳細については、「プロジェクト契約の資金調達ルールを設定」を参照してください。

シナリオ

資金調達ソース

配賦割合

配賦優先順位

1 つの資金調達ソースの資金を使い果たすまでそのソースに原価を配賦し、2 番目の資金調達ソースの資金を使い果たすまでそのソースに原価を配賦し、最後に 3 番目の資金調達ソースに残余原価を配賦するとします。

  • 資金調達ソース 1

  • 資金調達ソース 2

  • 資金調達ソース 3

  • 100%

  • 100%

  • 100%

  • 1

  • 2

  • 3

1 つの資金調達ソースに原価の 75% を配賦し、2 番目の資金調達ソースに 25 %を配賦するとします。これらの資金調達ソースのいずれかを使い果したら、3 番目の資金調達ソースからの残余原価を支払うとします。

  • 資金調達ソース 1 

  • 資金調達ソース 2

  • 資金調達ソース 3

  • 75%

  • 25%

  • 100%

  • 1

  • 1

  • 2

1 つの資金調達ソースに原価の 75% を配賦し、2 番目の資金調達ソースに 25 %を配賦するとします。いずれかの資金調達ソースを使い果したら、3 番目と 4 番目の資金調達ソース間で残余原価を分割するとします。

  • 資金調達ソース 1

  • 資金調達ソース 2

  • 資金調達ソース 3

  • 資金調達ソース 4

  • 75%

  • 25%

  • 50%

  • 50%

  • 1

  • 1

  • 2

  • 2

原価の 25% を 1 つの資金調達ソースに、残りをもう 1 つの資金調達ソースに配賦するとします。

  • 資金調達ソース 1

  • 資金調達ソース 2

  • 25%

  • 100%

  • 1

  • 2

複数の複雑な資金調達ソースの例

3 つの資金調達ソースがあり、それらのソースを次の順序で使用するとします。

  1. 資金調達ソース 2 を使い果たすまで資金調達ソース 2 と資金調達ソース 3 を均等に使用します。

  2. 資金調達ソース 3 を使い果たすまでそのソースを使用し続けます。

  3. 資金調達ソース 3 を使い果たした後に資金調達ソース 1 を使用します。

この目標を達成するには、次の手順に従います。

  1. 資金調達ソース 2 および資金調達ソース 3 のそれぞれの金額に対して資金調達限度を設定します。

  2. 次の資金調達ルールを作成します。

    • ルール: トランザクションの 50% を資金調達ソース 2 に、50% を資金調達ソース 3 に配賦します。

    • ルール: トランザクションの 100% を資金調達ソース 3 に配賦します。

    • ルール: トランザクションの 100% を資金調達ソース 1 に配賦します。

トランザクションがルールおよび制限に照らしてチェックされ、任意のルールおよび限度がトランザクションに適用されるかどうかを判断するため、この設定は有効です。特定のルールまたは限度がトランザクションに適用されない場合には、すべてのトランザクションのルールが適用されます。すべてのトランザクションのルールがすべてのトランザクションと一致します。

明確にトランザクションと一致するルールがシステムで見つかった場合、その一致が設定済の任意の制限に対してチェックされた後にのみ、そのルールに割り当てられているた割合が最初に適用されます。限度を満たし、資金調達ソースの資金を使い果たした場合、資金調達限度に関連付けられている資金調達ルールが無視され、適用される次のルールがシステムでチェックされます。

場合によっては、トランザクションの一部のみをルールに従って配賦することができます。これは、トランザクションの配賦時に限度に達したために発生することがあります。この場合、特定の金額のみがそのルール (各資金調達ソースに 50% など) に従って配賦されます。これは、このセクションで前述されているルール 1 のケースです。残りは次のルールに従って配賦されます。

次の表に、このシナリオの詳細を示します。

フォーカス

詳細

資金調達ルール

  • ルール1: すべてのトランザクション。資金調達ソース 2 と資金調達ソース 3 をそれぞれ 50% で配賦します。

  • ルール2: すべてのトランザクション。資金調達ソース 3 を 100% で配賦します。

  • ルール3: すべてのトランザクション。資金調達ソース 1 を 100% で配賦します。

資金調達限度

  • 資金調達ソース 1 の限度 = 10,000.00

  • 資金調達ソース 2 の限度 = 500.00

  • 資金調達ソース 3 の限度 = 750.00

トランザクション 1

トランザクション金額: 100.00

資金調達: ルール 1 のみに従ってトランザクションが支払われます。これは、ルール 1 が適用された後にトランザクションが全額支払われるためです。トランザクションは、資金調達ソース 2 と資金調達ソース 3 で均等に資金調達されます。

  • 資金調達ソース 2: 50.00

  • 資金調達ソース 3: 50.00

トランザクション 2

トランザクション金額: 5,000.00

資金調達: トランザクションは、3 つのすべてのルールに従って支払われます。

ルール 1

  • 資金調達ソース 2: 450.00

  • 資金調達ソース 3: 450.00

ルール 2

  • 資金調達ソース 3: 250.00

    (750.00 – 50.00 – 450.00 = 250.00)

ルール 3

  • 資金調達ソース 1: 3,850.00

    (5000.00 – 450.00 – 450.00 – 250.00 = 3,850.00)

各資金調達ソースに対して配分される合計資金

  • 資金調達ソース 1: 3,850.00

  • 資金調達ソース 2: 500.00

  • 資金調達ソース 3: 750.00

参照

プロジェクト契約 (フォーム)

プロジェクト契約で資金調達ソースの資金調達限度を設定する

資金調達ソースをプロジェクト契約に割り当て

プロジェクト契約の資金調達ルールを設定