追跡の構成

このトピックでは、Windows Server AppFabric で利用できる追跡プロファイルと、サービスの追跡プロファイルを構成する方法について説明します。サーバー、サイト、またはアプリケーションには追跡プロファイルを構成できません。

追跡プロファイル

ワークフロー ランタイムを実行すると、それに伴ってイベントのストリームが生成されます。このストリームは、追跡パーティシパントと呼ばれる 1 つ以上のコンシューマーが監視できます。特定の追跡パーティシパント用にイベント ストリームをカスタマイズするには、追跡プロファイルを指定します。追跡プロファイルは、イベントの種類に対するフィルターと、ワークフロー インスタンスから特定のイベントについて照会する必要があるデータ (変数値など) に対するフィルターを宣言的に定義したものです。

次の構成例に、追跡プロファイル定義の基本的な構造と属性を示します (この例は、ルート Web.config ファイルに宣言されている既定の正常性の監視プロファイルです)。

<trackingProfile name="HealthMonitoring Tracking Profile">
   <workflow activityDefinitionId="*">
         <workflowInstanceQueries>
               <workflowInstanceQuery>
                     <states>
                           <state name="Started" />
                           <state name="Completed" />
                           <state name="Terminated" />
                           <state name="Canceled" />
                           <state name="Unsuspended" />
                           <state name="Persisted" />
                           <state name="Aborted" />
                           <state name="UnhandledException" />
                     </states>
               </workflowInstanceQuery>
         </workflowInstanceQueries>
         <activityStateQueries>
               <activityStateQuery activityName="*">
                     <states>
                           <state name="Closed" />
                     </states>
               </activityStateQuery>
         </activityStateQueries>
         <faultPropagationQueries>
               <faultPropagationQuery faultSourceActivityName="*" faultHandlerActivityName="*" />
         </faultPropagationQueries>
         <customTrackingQueries>
               <customTrackingQuery name="*" activityName="*" />
         </customTrackingQueries>
   </workflow>
</trackingProfile>

AppFabric には、事前定義された 5 つの追跡プロファイルがあり、追跡プロファイルをオフにできるオプションも含まれています。次の表は、これらのプロファイルについて説明しています。

追跡プロファイル 説明

ErrorsOnly 追跡プロファイル

次の WF 追跡イベントをサブスクライブします。

  • ハンドルされない例外

  • 中止されたインスタンス

  • フォールト伝達イベント

HealthMonitoring 追跡プロファイル

[ErrorsOnly 追跡プロファイル] に含まれるすべての WF 追跡イベントに加えて次のイベントをサブスクライブします。

  • すべての WF インスタンスの状態変更イベント (Started、Completed、Terminated、Canceled、Unsuspended、Persisted、Aborted、および UnhandledException の状態)

  • 終了状態およびエラー状態の WF アクティビティ イベント

  • WF アクティビティから生成されたすべての CustomTrackingRecords

EndToEnd 追跡プロファイル

[HealthMonitoring 追跡プロファイル] に含まれるすべての WF 追跡イベントに加えて次のイベントをサブスクライブします。

  • すべての WF インスタンス イベント

  • 実行中状態および終了状態の WF アクティビティ イベント

  • WF アクティビティから生成されたすべての CustomTrackingRecords

Troubleshooting 追跡プロファイル

このプロファイルには、[EndToEnd 追跡プロファイル] のすべての WF 追跡イベントが含まれます。これは最も詳細な追跡プロファイルであり、WF インスタンスから生成されるすべての追跡レコードをサブスクライブします。

Off 追跡プロファイル

追跡プロファイルは構成されません。インストルメンテーション イベントが有効になっておらず、ダッシュボードにメトリックは表示されません。

ヒント

AppFabric の一部の機能は、HealthMonitoring 以上の追跡プロファイルを使用する場合にのみ有効です。監視レベルがオフになっているか ErrorsOnly に設定されている場合、またはレベルをカスタマイズして追跡プロファイルを無効にしていたり ErrorsOnly 追跡プロファイルを設定している場合は、ダッシュボードに追跡対象 WF インスタンス履歴は表示されません。また、独自のカスタム プロファイルを作成する場合、AppFabric のすべての監視ツールが引き続き完全に機能できるように、既定の正常性の監視プロファイルの属性をすべて含める必要があります。たとえば、Clear-MonitoringDatabase コマンドレットの PurgeMode で、完了した WF 追跡対象インスタンスのみを監視ストアから削除するには、プロファイルで WF インスタンスの完了状態イベントがサブスクライブされていることが必要です。

追跡プロファイルの構成

次の手順では、サービスの追跡プロファイルを変更する方法について説明します。

サービスの追跡プロファイルを構成するには

  1. IIS マネージャーを起動するか、IIS マネージャーに切り替えます。

  2. [接続] ウィンドウで、構成するサーバー、サイト、またはアプリケーションを選択します。

  3. IIS マネージャー ウィンドウの中央のウィンドウで、[AppFabric] というタイトルのセクションを探します。[サービス] アイコンをダブルクリックします。

  4. [サービス] 一覧から、編集するサービスを選択します。そのサービスを右クリックし、ショートカット メニューから [構成] をクリックします。

  5. [サービスの構成] ダイアログ ボックスが表示されたら、[監視] タブをクリックします。

  6. [ワークフロー追跡プロファイル] セクションを探します。現在の追跡プロファイルが表示されています。追跡プロファイルを変更するには、[構成] をクリックします。

  7. [ワークフロー追跡プロファイル] ダイアログ ボックスが表示されます。このダイアログ ボックスでは、別の追跡プロファイルを選択できます。カスタム追跡プロファイルをインポートするには、[新しいプロファイルの追加] をクリックします。[追跡プロファイルの追加] ダイアログ ボックスが表示され、カスタム追跡プロファイルを選択したり、このサービスのアクティブな追跡プロファイルとして指定することができます。

  8. ダイアログ ボックスを閉じて変更内容を保存するには [OK] をクリックし、変更内容を保存せずにダイアログ ボックスを閉じるには [キャンセル] をクリックします。

関連項目

参照

サーバー、サイト、またはアプリケーションの WCF と WF の構成: 監視 タブ
サービスの構成:監視 タブ
[ワークフロー追跡プロファイル] ダイアログ ボックス

概念

アプリケーションの監視

その他のリソース

追跡プロファイル

  2011-12-05