ワークフロー メトリックを使用した履歴の監視
[WF インスタンスの履歴] セクションに、AppFabric によって管理される追跡対象の .NET Framework 4 WF サービス インスタンスの履歴メトリックが表示されます。[アクティブ化]、[失敗]、および [完了] のサマリー メトリックにより、成功および失敗した WF タスクのサマリーが表示されます。[WF インスタンスの履歴] セクションを展開すると (下矢印または [WF インスタンスの履歴] タイトル バー上のサマリー メトリック リンク以外の任意の場所をクリックする)、[インスタンスのアクティブ化] または [正常に完了しなかったインスタンス] に該当する上位 5 つのサービスのサマリーが表示されます。[正常に完了しなかったインスタンス - 結果でグループ化] も表示されます。これらの最上位レベルのサマリーの値、および降順の関連詳細ビューを使用して、追跡対象の WF サービス インスタンスの履歴を監視することができます。
WF インスタンスの履歴メトリック
監視ダッシュボードの [WF インスタンスの履歴] セクションでは、[WF インスタンスの履歴] タイトルがある網かけのヘッダー ボックスに WF インスタンスの履歴のサマリー ビューが表示されます。以下のメトリックにより、正常にアクティブ化された WF インスタンスと正常にアクティブ化されなかったインスタンスの概要をすばやく確認できます。
[アクティブ化] サマリー メトリックは、指定の期間内にアクティブ化されて完了した、または完了しなかった WF インスタンスの累積合計数です。
[失敗] サマリー メトリックは、指定の期間内に (アクティブ化の時間に関係なく) 1 つ以上のエラーが発生したワークフロー インスタンスの累積合計数です。
[完了] サマリー メトリックは、指定の期間内に (アクティブ化の時間に関係なく) 完了した WF インスタンスの累積合計数です。
サマリー メトリックの下に、特定のインスタンス カテゴリ内のワークフロー サービス インスタンス数を要約する次のサービス メトリックがあります。
[インスタンスのアクティブ化 - サービスでグループ化 (上位 5)] - 指定の期間内にワークフロー インスタンスのアクティブ化の合計数が最も多かった上位 5 つのサービス。
[正常に完了しなかったインスタンス - サービスでグループ化 (上位 5)] - 指定の期間内に正常に完了しなかったワークフロー インスタンスの合計数が最も多かった上位 5 つのサービス。
[正常に完了しなかったインスタンス - 結果でグループ化] - [失敗] サマリー メトリックに基づいて、このメトリックには、現在未回復のインスタンスではなく、回復 (再開) 済みのワークフロー インスタンス数の詳細が含まれます。回復できるのは、永続化が有効になっている永続ワークフロー サービスだけです。
[追跡対象 WF インスタンス] ページ
[追跡対象 WF インスタンス] ページを使用すると、監視 (追跡) を有効にして実行されたワークフロー インスタンスに関連する履歴データおよび状態の情報を表示できます。いずれかのサマリー メトリック ([アクティブ化] など) をクリックするか、[WF インスタンスの履歴] セクションの列 ([インスタンスのアクティブ化 - サービスでグループ化 (上位 5)] 列など) の下にあるサービス リンクをクリックすると、[追跡対象 WF インスタンス] ページが表示されます。
[ダッシュボード] ページから [追跡対象 WF インスタンス] ページに移動するときにクリックするリンクにより、追跡対象ワークフロー インスタンスのデータがフィルタリングされ、[追跡対象 WF インスタンス] ページにそのリンクに特定の内容が列挙されます。たとえば、[インスタンスのアクティブ化] 列の下にあるサービス エントリ リンクをクリックして [追跡対象 WF インスタンス] ページを表示すると、元のクエリに使用された期間内の [作成日時] により、そのサービスの種類でフィルターされたワークフロー インスタンスが列挙されます。
ただし、[クエリ サマリー] フレーム内の 1 つ以上のフィールド ([作成日時] など) の値を変更して、初期出力の内容を変更すれば、特定のワークフロー インスタンスについて、より詳細なトラブルシューティングを行うことができます。たとえば、[追跡対象 WF インスタンス] ページを表示したときの元の作成日時が [2009 年 9 月 20 日、日曜、午前 10 時 30 分 43 秒] だった場合、"作成日時" フィールドの値を [2009 年 9 月 22 日、火曜、午前 10 時 30 分 43 秒] に変更して [クエリの実行] をクリックすると、異なる結果を表示できます。
詳細については、「[追跡対象 WF インスタンス] ページ」を参照してください。
WF インスタンスの履歴メトリックの監視によるトラブルシューティング
前述の情報をトラブルシューティングのアプローチに組み込むことによって、[WF インスタンスの履歴] セクションを使用して、追跡対象ワークフロー インスタンスを監視することができます。[WF インスタンスの履歴] セクションの最初の表示により、ワークフロー インスタンスの実行についての高レベルのサマリーを把握できます。追跡対象ワークフローのアクティブ化または実行に問題がないかどうかを、すばやく確認できます。[正常に完了しなかったインスタンス - サービスでグループ化 (上位 5)] サマリー メトリックにゼロ以外の値が含まれていれば、問題が発生している可能性があります。[正常に完了しなかったインスタンス - 結果でグループ化] を使用すると、正常に完了しなかったワークフロー インスタンスのうち、未回復のインスタンス数および処理が必要なインスタンス数 (永続ワークフロー サービスの場合) を理解することができます。各サマリー メトリックは [追跡対象 WF インスタンス] ページにリンクされているので、最初の [ダッシュボード] ページに高レベルで要約されている追跡対象ワークフロー インスタンスのデータについて、明示的な詳細メトリックを確認できます。この詳細により、追跡対象 WF インスタンスに関する問題を特定するための追加情報が得られます。[追跡対象 WF インスタンス] ページの最初のレベルのドリルダウンに、条件によってフィルターされたすべての追跡対象ワークフロー インスタンス エントリが表示されます。[追跡対象イベント] ページを使用して、各追跡対象 WF インスタンス エントリをさらにドリルダウンすることができます。
[WF インスタンスの履歴] セクションを使用して、特定のスコープの WF サービスを監視して問題がないかどうかを確認するシナリオを考えてみましょう。[失敗] サマリー メトリックの値がゼロ以外であれば、セクションを展開して、上位 5 つのサービスによる失敗の詳細を表示できます。これにより、潜在的な問題が最も多いサービスを確認できます。さらに、特定の問題があるサービスを選択し、列挙ページを表示してクエリの値を変更することにより、詳細情報を指定できます。
[失敗] サマリーのヘッダーにゼロ以外の値が表示され、正常に完了しなかったワークフロー インスタンスがあることが示されているとします。[WF インスタンスの履歴] ウィジェットを展開して、[正常に完了しなかったインスタンス - サービスでグループ化 (上位 5)] の列を調べれば、選択した期間中に正常に完了しなかったインスタンスがある上位 5 つのサービスを確認できます。サービス リンクの 1 つをクリックして [追跡対象イベント] ページを表示すれば、失敗についてより詳細な情報を取得できます。
ヒント
上位 5 つのサービスに表示されていない特定のサービスの失敗データを確認する場合は、[失敗] サマリーの列をクリックすると、[追跡対象 WF インスタンス] ページが表示されます。そのページ上で、必要に応じて、既存のクエリを変更することができます。たとえば、スコープの条件にサービスを追加できます。
[失敗] サマリーのヘッダーにゼロ以外の値が表示され、アクティブ化に失敗したことが示されているとします。[WF インスタンスの履歴] セクションを展開して、[正常に完了しなかったインスタンス - サービスでグループ化 (上位 5)] の列を調べれば、選択した期間中にアクティブ化に失敗した上位 5 つのサービスを確認できます。ワークフロー サービス X が上位 5 つの失敗したワークフローの 1 つであれば、そのサービスのリンクがここに表示されます。サービス リンクをクリックすると、[追跡対象イベント] ページに移動します。サービス X が上位 5 つのサービスに含まれていない場合は、[失敗] サマリーの列をクリックすると [追跡対象 WF インスタンス] ページが表示されます。このページの [サービス名] クエリの結果列でサービス X を検索できます。または、"スコープ" フィールドでサービス X を選択し、クエリを実行して、そのサービスのインスタンスだけを検索することもできます。
[WF インスタンスの履歴] ページは、IIS 階層内のサービス X の特定のスコープでの追跡対象 WF インスタンスの履歴ビューによって設定されています。中央ペインでこれらのワークフローの 1 つをクリックすると、([追跡対象 WF インスタンス] ページ内で) ページ下部の詳細ウィンドウにそのワークフローの固有情報が表示されます。詳細ウィンドウでは、[概要] タブにワークフローに関する情報が表示されます。このタブには、[サービスの仮想パス]、[ワークフロー インスタンス ID]、有効期間中の [追跡対象イベント] の数、[作成日時]、その他の情報などの追跡対象ワークフロー インスタンスの情報が含まれています。これらの情報から、追跡対象ワークフロー インスタンスの有効性について、より詳しく理解することができます。
ヒント
[追跡対象 WF インスタンス] ページにはワークフロー インスタンスの履歴データが表示されるので、このページからインスタンス制御操作を実行することはできません。インスタンス制御操作を実行できるのは、[永続的な WF インスタンス] ページだけです。追跡 (監視) と永続化はそれぞれ個別に有効にできるので、追跡対象 WF インスタンスと永続的な WF インスタンスに直接の相関関係はありません。
追跡対象インスタンスについて追加のコンテキストが必要な場合には、中央ペインのインスタンスを右クリックして、[追跡対象イベントの表示] をクリックします。[追跡対象イベント] ページに移動し、そのワークフロー インスタンス ID の情報が表示されます。ショートカット メニューから、ワークフロー インスタンスの [永続的なインスタンスの表示] を選択することもできます。[永続的なインスタンスの表示] オプションの値を利用するには、追跡対象 WF サービス インスタンスが含まれているアプリケーションに永続化の使用が構成され、追跡が有効になっている必要があります。
ヒント
ワークフローが完了した場合、永続的な WF インスタンスのページにエントリが表示されるかどうかは、完了したインスタンスが永続化ストアに保持されるように構成されているかどうかによって異なります。サービスに対して永続化が有効に構成されていれば、保持されます。
または、[正常に完了しなかったインスタンス - 結果でグループ化 (上位 5)] の列を調べ、[回復済み] または [未回復] の追跡対象インスタンス数を確認します。どちらかのリンクをクリックして、[追跡対象 WF インスタンス] ページを表示することもできます。クリックしたリンクによって、[中止] 状態 (未回復) または [中止] 以外の状態 (回復済み) のワークフロー インスタンスの列挙一覧がそれぞれ表示されます。前述したように、列挙一覧にある追跡対象ワークフロー インスタンスの 1 つを選択すると、詳細ウィンドウに追加情報が表示されます。また、適用される場合は、右クリックして、[追跡対象イベントの表示] または [永続的なインスタンスの表示] オプションを選択することもできます。
問題を解決するために追跡対象ワークフロー インスタンスに関するより詳細な情報を取得する方法については、「[追跡対象イベント] ページ」および「[永続的な WF インスタンス] ページ」を参照してください。
関連項目
参照
[追跡対象 WF インスタンス] ページ
[永続的な WF インスタンス] ページ
2011-12-05