形式の自動選択

このサンプルでは、Windows Communication Foundation (WCF) REST プログラミング モデルで形式の自動選択 (XML または JSON) を有効にする方法と、操作コードで形式を明示的に設定する方法を示します。

サンプルの詳細

このサンプルは、サービスと、サービスに要求を発行するクライアント コードで構成されます。サービスは、単一の HTTP GET 操作 (EchoWithGet) と単一の HTTP POST 操作 (EchoWithPost) をサポートします。どちらの操作でも文字列を要求し、応答で文字列を返します。GET 操作では、文字列は URI クエリ文字列パラメーターで示されます。POST 操作では、文字列は XML でシリアル化された要求の本文で示されます。サービスは、.NET Framework Version 4 の新機能である形式の自動選択と形式の強制選択を利用して、XML または JSON 形式のいずれかで応答を返すことができます。

このサンプルでは、App.config ファイルを使用して形式の自動選択を有効にしています。既定の Web HTTP エンドポイントでは、automaticFormatSelectionEnabled 属性に true の値が指定されています。形式の自動選択が有効な場合、WCF インフラストラクチャは、要求の HTTP Accept ヘッダーまたは Content-Type ヘッダーを指定して最適な応答形式 (XML または JSON) を選択します。開発者は、automaticFormatSelectionEnabled 属性を true に設定する以外、この新しい機能を使用するためにコードまたは構成を追加する必要はありません。Program.cs のクライアント コードでは、要求は、“application/xml” または “application/json” として指定された HTTP Accept ヘッダーを使用してサービスの GET 操作と POST 操作の両方に送信され、サービスはそれぞれの形式で応答を返します。

また、GET 操作では、形式の強制選択が使用されます。GET 操作では、オプションの format クエリ文字列パラメーターがあるかどうかをチェックし、ある場合は、OutgoingResponse プロパティで応答形式を設定します。この方法で応答形式を強制的に設定すると、WCF インフラストラクチャで実行された形式の自動選択がオーバーライドされます。

このサンプルは、コンソール アプリケーション内で実行される自己ホスト型サービスとクライアントで構成されています。コンソール アプリケーションが実行されると、クライアントはサービスに要求を発行し、応答からの適切な情報をコンソール ウィンドウに書き込みます。

このサンプルを使用するには

1. 形式の自動選択サンプルのソリューションを開きます。サンプルを正しく実行するには、Visual Studio 2010 を起動するときに、管理者として実行する必要があります。管理者として実行するには、Visual Studio 2010 アイコンを右クリックし、コンテキスト メニューの [管理者として実行] をクリックします。

2. F6 キーを押してソリューションをビルドし、Ctrl キーを押しながら F5 キーを押してコンソール アプリケーションの AutomaticFormatSelection プロジェクトを実行します。コンソール ウィンドウが表示されて、実行中のサービスの URI および実行中のサービスの HTML ヘルプ ページの URI が示されます。

3. サンプルが実行されると、クライアントは要求をサービスに送信し、応答をコンソール ウィンドウに書き込みます。応答の形式は XML または JSON になります。

4. 任意のキーを押して、サンプルを終了します。

注 :
サンプルは、既にコンピューターにインストールされている場合があります。続行する前に、次の (既定の) ディレクトリを確認してください。 <InstallDrive>:\WF_WCF_Samples このディレクトリが存在しない場合は、「.NET Framework 4 向けの Windows Communication Foundation (WCF) および Windows Workflow Foundation (WF) のサンプル」にアクセスして、Windows Communication Foundation (WCF) および WF のサンプルをすべてダウンロードしてください。このサンプルは、次のディレクトリに格納されます。 <InstallDrive>:\WF_WCF_Samples\WCF\Basic\Web\AutomaticFormatSelection