dangerousThreadingAPI MDA

dangerousThreadingAPI マネージ デバッグ アシスタント (MDA: Managed Debugging Assistant) は、現在のスレッド以外のスレッドで Thread.Suspend メソッドが呼び出されるとアクティブになります。

症状

アプリケーションがいつまでも応答しないかハングアップしています。 システムまたはアプリケーションのデータが一時的に、またはアプリケーションのシャットダウン後も、予期しない状態のままになっている可能性があります。 一部の操作が予期したとおりに完了していません。

問題に偶然性が伴うため、症状は多岐にわたります。

原因

スレッドは、Suspend メソッドを使用する別のスレッドによって、非同期に中断されています。 別のスレッドが操作中である可能性があるときに、そのスレッドを中断するタイミングを判断する方法はありません。 スレッドを中断すると、データの破損やインバリアントの中断が発生することがあります。 スレッドが中断状態になっていて、Resume メソッドで再開されないと、アプリケーションのハングアップ状態がいつまでも続き、アプリケーション データが損害を受けることがあります。 これらのメソッドは、互換性のために残されています。

同期プリミティブがターゲット スレッドによって保持されている場合は、中断の間も保持されたままになります。 これにより、Suspend を実行するスレッドのように別のスレッドがプリミティブのロックを取得しようとすると、デッドロックが発生することがあります。 この場合、問題自体がデッドロックとして現れます。

解決策

Suspend および Resume を使用する必要のある設計を避けます。 スレッド間の協調では、MonitorReaderWriterLockMutex などの同期プリミティブや、C# の lock ステートメントを使用します。 これらのメソッドを使用する必要がある場合は、時間を短くし、スレッドが中断状態にある間に実行されるコードの量を最小限に留めます。

ランタイムへの影響

この MDA は、CLR に影響ありません。 危険なスレッド処理操作に関するデータを報告するだけです。

出力

MDA は、アクティブになった原因である危険なスレッド処理メソッドを示します。

構成

<mdaConfig>
  <assistants>
    <dangerousThreadingAPI />
  </assistants>
</mdaConfig>

使用例

dangerousThreadingAPI のアクティブ化の原因となる Suspend メソッド呼び出しのコード例を次に示します。

using System.Threading;
void FireMda()
{
    Thread t = new Thread(delegate() { Thread.Sleep(1000); });
    t.Start();
    // The following line activates the MDA.
    t.Suspend(); 
    t.Resume();
    t.Join();
}

参照

参照

Thread

lock ステートメント (C# リファレンス)

概念

マネージ デバッグ アシスタントによるエラーの診断