プロセスの作成および編集

 

公開日: 2016年11月

対象: Dynamics CRM 2015

一貫したビジネス プロセスの定義と実施は、ユーザーがMicrosoft Dynamics 365 を使用する大きな理由の 1 つです。 プロセスは、組織に対して一貫したプロセスを定義して実施するために使用できる機能のグループです。 これらの一貫性のあるプロセスにより、システムを使用するものが、一連の手動の手順を忘れずに実行することに集中するのではなく、自分たちの仕事に確実に集中することができます。 プロセスは単純または複雑な場合があり、徐々に変更できます。

プロセスは、開発者以外のユーザーが使用できるように設計されています。 プロセス内で定義されるルールには、開発者がコードを使用して適用できる同様のロジックが含まれていますが、ルールの変更が必要になるたびに開発者を呼び出す必要はありません。 ただし、ルールのロジックを明確に理解し、プロセスの種類ごとの機能を把握する必要があります。 それでもやはり、プロセスを慎重に適用し、必要なものを入手したかどうかを確認するために結果をテストする必要があります。

次の表は、各カテゴリのプロセスをいつ使用するかを概略的に説明します。

プロセスのカテゴリ

説明

ワークフロー

舞台裏でビジネス プロセスを自動化するためにワークフローを使用します。 通常、ワークフローは、システム イベントによって開始されるので、ユーザーはワークフローが動作していることを認識する必要はありませんが、ユーザーが手動でワークフロー開始するように構成することもできます。

ワークフローをバックグラウンド (非同期) で動作させることも、リアルタイム (同期) で動作させることもできます。 これらのワークフローは、バックグラウンド ワークフローまたはリアルタイム ワークフローとして別々に参照されます。

ダイアログ

ダイアログを使用して、顧客とのやり取りのためのスクリプトに案内するユーザーインタフェースを作成するか、または複雑なアクションを一貫性をもって実行するウィザードを、作成する必要があります。

操作

開発者がビジネス プロセスを表現するために使用できる用語の展開に、アクションを使用します。 作成、更新、削除、および割り当てなどのコアの動詞をシステムが提供することによって、アクションはこれらのコアの動詞を使用して、承認、エスカレート、ルート、またはスケジュールなどのより意味のある動詞を作成します。 ビジネス プロセスの定義が変更された場合、開発者でないユーザーはアクションを編集することが可能であり、これによって、コードを変更する必要はありません。

業務プロセス フロー

結果を得るためにデータをユーザーが入力する必要のある手順を定義するには、業務プロセス フローを使用します。 業務プロセス フローはフォームの最上部にコントロールを追加し、ユーザーが次のステージに進むために、また最終的にビジネス プロセスの完了に到達するために入力する必要のあるデータを示します。 業務プロセス フローは複数のエンティティにまたがる場合があります。

注意

業務プロセス フローは他の種類のプロセスとは異なります。 すべてのプロセスは同じ基本的なテクノロジを使用し、それに関する情報が Process エンティティに格納されます。 業務プロセス フローは、他の種類のプロセスと比較すると、構成のエクスペリエンスと動作が異なります。詳細:業務プロセス フロー

このトピックの内容

プロセスをだれが作成できるか

プロセスはどこに配置されるか

プロセスは何を実行できるか

インポート時にプロセスはアクティブですか。

プロセスをだれが作成できるか

システム管理者、システム カスタマイザー、または最高経営責任者のセキュリティ ロールを持つユーザーのみが、組織全体に適用されるプロセスを作成できます。 次のセキュリティ ロールを持つ他のユーザーは、制限されたアクセス レベルでプロセスを作成できます。 たとえば、ユーザー アクセス レベルのユーザーは、所有するレコードで自身が使用するためのワークフローを作成できます。

ユーザーは業務プロセス フロー、リアルタイム ワークフロー、またはアクション プロセスを作成できるかもしれませんが、それらをアクティブ化するには、[業務プロセス フローをアクティブ化] または [リアルタイム プロセスをアクティブ化] の特権を所有している必要があります。

次の表に、既定のセキュリティ ロールに基づいた、プロセスのアクセス レベルを示します。

セキュリティ ロール

アクセス レベル

最高経営責任者

組織

システム管理者

組織

システム カスタマイザー

組織

マーケティング部長

部署配下

営業部長

部署配下

顧客サービス課長

部署

マーケティング課長

部署

営業課長

部署

スケジュール管理者

部署

顧客サービス担当者

ユーザー

マーケティング プロフェッショナル

ユーザー

営業担当者

ユーザー

スケジューラ

ユーザー

プロセスはどこに配置されるか

Dynamics 365 のプロセスを参照するためのパスは次の 2 つです。

  • [設定] > [プロセス]
    このパスは、アクセスがもっとも容易であり、ユーザー定義ビューも含めて、Process エンティティ用に定義されているビューを使用できるようにします。

  • [設定] > [カスタマイズ] > [システムのカスタマイズ] > [コンポーネント] > [プロセス]
    このパスは、カスタマイズ ツールでそのほかのカスタマイズ作業を行うときに便利なアクセスを可能にします。

個々の業務プロセス フローは、業務プロセス フローがアクティブな状態のフォームのコマンド バーの [プロセスの編集] ボタンを使用して編集することもできます。

プロセスは何を実行できるか

注意

業務プロセス フローは他の種類のプロセスとは異なります。詳細:業務プロセス フローの役割

プロセスは、取引先企業や取引先担当者と同様に、ユーザー所有です。 プロセスで実行できるアクションは、プロセスの所有者の特権によって異なることもあるし、ワークフローを開始するユーザーのコンテキストによって異なることもあります。

プロセスは、条件を調べ、分岐ロジックを適用し、アクションを実行することができます。 プロセスは、これらのアクションを一連の手順で実行します。 業務プロセス フローにはステージが存在し、次のステージへの前進をコントロールしますが、それ例外の機能はありません。 次の表に、ワークフロー、ダイアログ、およびアクションのプロセスで使用できる手順を示します。 詳細については、各種類のプロセスのトピックを参照してください。

ステップ

プロセスの種類

説明

段階

ワークフロー、ダイアログ、アクション

ステージは、ワークフロー ロジックを読みやすくし、またワークフロー ロジックを説明します。 ただし、ステージは、ワークフローのロジックや動作には影響しません。 プロセスにステージが存在する場合、プロセス内のすべての手順をステージに含める必要があります。

条件の確認

ワークフロー、ダイアログ、アクション

論理的な "if-<condition> then" 文。

ワークフローが実行中のレコード、N:1 の関連付けでそのレコードにリンクされているいずれかのレコード、またはこれまでの手順によって作成された任意のレコードの値をチェックできます。 条件が true のとき、これらの値に基づき追加の手順を定義できます。

条件分岐

ワークフロー、ダイアログ、アクション

論理的な "else-if-then" 文であり、エディターはテキスト“Otherwise, if <condition> then:” を使用します。

以前に定義したチェック条件を選択し、チェック条件が false を返すときに、追加のステップを定義する条件分岐を追加できます。

既定の操作

ワークフロー、ダイアログ、アクション

論理的な "else" 文。 エディターはテキスト “Otherwise:” を使用します。

以前定義したチェック条件、条件分岐、待機状態、または並列待機分岐を選択します。条件要素や分岐要素で定義した基準に適合しないすべてのケースに対して、既定のアクションを使用して手順を定義できます。

待機状態

バックグラウンド ワークフローのみ

条件によって定義されている基準が満たされるまで、ワークフローが自身を一時停止することを可能にします。 ワークフローは、待機条件で定義されている基準が満たされると自動的に再開します。

並列待機分岐

バックグラウンド ワークフローのみ

最初の基準が満たされたときにのみ実行される対応する一連の追加ステップを使用して、バックグラウンド ワークフローの代替の待機状態を定義します。 並列待機分岐を使用して、ワークフロー ロジックに時間制限を作成できます。 待機条件で定義されている基準が満たされるまでワークフローが無期限に待機することを防ぐのに役立ちます。

値の割り当て

ダイアログ、アクション

プロセスの変数または出力パラメーターに値を設定します。

レコードの作成

ワークフロー、ダイアログ、アクション

エンティティの新しいレコードを作成し、値を属性に割り当てます。

レコードの更新

ワークフロー、ダイアログ、アクション

ワークフローが実行中のレコード、N:1 の関連付けでそのレコードにリンクされているいずれかのレコード、またはこれまでの手順によって作成された任意のレコードを更新できます。

レコードの割り当て

ワークフロー、ダイアログ、アクション

ワークフローが関わっているレコード、N:1 の関連付けでそのレコードにリンクされているいずれかのレコード、またはこれまでの手順によって作成された任意のレコードを割り当てることができます。

電子メールの送信

ワークフロー、ダイアログ、アクション

電子メールを送信します。 電子メール メッセージを新規に作成するか、あるいは、ワークフローが関わっているレコードのエンティティに対して、そのエンティティと N:1 の関連付けのある任意のエンティティに対して、またはこれまでの手順によって作成された任意のレコードのエンティティに対して、構成済みの電子メール テンプレートを使用するかを選択できます。

子ワークフローの開始

ワークフロー、ダイアログ、アクション

子ワークフローとして構成されたワークフロー プロセスを開始します。

状態の変更

ワークフロー、ダイアログ、アクション

プロセスが関わっているレコード、N:1 の関連付けでそのレコードにリンクされているいずれかのレコード、またはこれまでの手順によって作成された任意のレコードの状態を変更します。

[ワークフローの停止] / [ダイアログの停止]

ワークフロー、ダイアログ、アクション

現在のワークフロー、ダイアログ、またはアクションを停止します。[成功] または [取り消し済み] のいずれかの状態を設定し、ステータス メッセージを指定できます。

ページ

ダイアログ

ダイアログのプロンプトと応答の手順のコンテナー。

プロンプトと応答

ダイアログ

ダイアログ ページにプロンプトを表示し、応答のデータを取得するためのフィールドを提供する場合があります。

CRM データのクエリ

ダイアログ

ダイアログのプロンプトと応答ステップでの応答のためのオプションを提供するデータを返すクエリを定義します。

子ダイアログのリンク

ダイアログ

子ダイアログとして構成されたダイアログ プロセスを開始します。

カスタム ステップ

ワークフロー、ダイアログ、アクション

Dynamics 365 に既定で提供されている論理要素を拡張します。 ステップには、条件、アクション、他のステップ、またはこれらの要素の組み合わせを含めることができます。 開発者は、ユーザー定義のワークフロー ステップを作成できます。 既定では、Dynamics 365 で使用できるユーザー定義ステップはありません。 開発者向けの詳細については、Microsoft Dynamics CRM SDK のトピック MSDN: ユーザー定義ワークフローの活動 (ワークフロー アセンブリ)を参照してください。

インポート時にプロセスはアクティブですか。

プロセスはアクティブ化の後に実行されます。 通常、組織内で新しいプロセスを作成するソリューションをインポートすると、組織でのプロセスの状態は、ソリューションの作成時のプロセスの状態に依存します。 これは Microsoft Dynamics CRM Online 13 年秋 リリース後の Microsoft Dynamics CRM 2013 または Microsoft Dynamics CRM Online の組織からエクスポートされたすべてのソリューションに当てはまります。 ソリューションが Microsoft Dynamics CRM Online 13 年秋 の以前の Microsoft Dynamics CRM 2011 または Microsoft Dynamics CRM Online の組織を使用して作成された場合、ソリューションのインストール時にソリューションがアクティブになります。

時々、ソリューションの再インストール、またはプロセスを含むソリューションの更新のインストールが必要な場合があります。 その場合、組織のプロセスの状態は変更されません。

関連項目

アクション
業務プロセス フロー
ワークフロー プロセス
ダイアログ
プロセスの監視と管理
アクション
業務ルールの作成および編集

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