グラフの理解: 基盤となるデータとグラフ表現
公開日: 2017年1月
対象: Dynamics 365 (online)、Dynamics 365 (on-premises)、Dynamics CRM 2016、Dynamics CRM Online
グラフには、水平 (x) と垂直 (y) の 2 つの軸にテキスト値をマップすることでデータが視覚的に表示されます。Microsoft Dynamics 365 では、x 軸はカテゴリ軸と呼ばれ、y 軸は系列軸と呼ばれます。 カテゴリ軸には数値と数値以外を表示できますが、系列軸には数値のみ表示されます。
Microsoft Dynamics 365 のグラフは、次のように分類できます。
単一系列グラフ: 単一の系列 (y) 値が単一のカテゴリ (x) 値にマップされたデータを表示するグラフ。
複数系列グラフ: 複数の系列値が単一のカテゴリ値にマップされたデータを表示するグラフ。 複数系列グラフには、積み上げ縦棒グラフ (全カテゴリ合計に対する各系列の貢献度を垂直方向に表示) と 100% 積み上げ縦棒グラフ (全カテゴリ合計に対する各系列の貢献率を比較) があります。 たとえば、縦棒グラフと横棒グラフ、棒グラフと折れ線グラフなど、複数系列グラフの、互換性のある別の種類のグラフと結合できます。
注意
複数カテゴリ グラフは、Web アプリケーションで、またはここで説明するように XML 文字列を変更することで作成できます。
Microsoft Dynamics 365 で SDK を使用してグラフを作成する際には、次の 2 つの重要点を考慮する必要があります。
グラフの基になるデータ: データ記述 XML 文字列を使用して指定します。
データ表現 (外観): プレゼンテーション記述 XML 文字列を使用してデータ プレゼンテーションを指定します。
注意
Microsoft Chart Controls で、縦棒グラフ、横棒グラフ、面積グラフ、折れ線グラフ、円グラフ、じょうごグラフ、バブル チャート、レーダー チャートなどのさまざまな種類のグラフを作成できます。Microsoft Dynamics 365 のグラフ デザイナーでは、特定の種類のグラフのみ作成できます。 ただし、SDK を使用すると、Microsoft Chart Controls でサポートされているグラフの種類のほとんどを作成できます。
データ記述 XML 文字列を使用してグラフ データを指定する
データ記述 XML 文字列は、グラフに表示されるデータを定義します。 XML 文字列のコンテンツは、ビジュアル化データ記述スキーマに照らして検証されます。 スキーマの詳細については、Visualization data description schema を参照してください。
グラフを作成する際に、組織所有のグラフまたはユーザー所有のグラフでそれぞれ SavedQueryVisualization.DataDescription 属性と UserQueryVisualization.DataDescription 属性を使用してデータ記述 XML 文字列を指定できます。
データ記述 XML 文字列には、<FetchCollection> および <CategoryCollection> という 2 つの要素が含まれます。
<FetchCollection> 要素
<FetchCollection> 要素は、FetchXML を使用してグラフのデータを取得します。 FetchXML クエリは、グラフに表示するデータのエンティティ属性、集計関数、およびグループ化句に関する情報を指定します。 すべての FetchXML 集計関数がグラフでサポートされます。 FetchXML の集計関数に関する詳細については、FetchXML 集計の使用を参照してください。
FetchXML クエリでは、データをフィルター処理できます。 また、フィルターはビュー経由でもグラフに適用されます。 したがって、フィルター条件が <FetchCollection> 要素の FetchXML クエリで既に指定されており、追加のフィルターがビュー経由で適用される場合、グラフには、すべてのフィルターの適用後に返されたデータが表示されます。 FetchXML クエリをデータのフィルターに使用する方法の詳細については、FetchXML を使用したクエリの構築を参照してください。
注意
データ記述 XML 文字列はビジュアル化データ記述スキーマに照らして検証されますが、<FetchCollection> 要素内の FetchXML クエリはこのスキーマに照らして検証されません。 FetchXML クエリは、FetchXML スキーマに照らして検証されます。 詳細については、「FetchXML schema」を参照してください。
グラフが比較グラフの場合、<FetchCollection> 要素には 2 つのグループ化句が含まれます。
<CategoryCollection> 要素
<CategoryCollection> 要素には、グラフのカテゴリ (水平) 軸と系列 (垂直) 軸に関する情報が含まれます。
各 <Category> サブ要素には、プレゼンテーション記述 XML 内の <MeasureCollection> 要素にマップされる <Series> という子要素があります。 単一系列グラフには単一の <MeasureCollection> 子要素があり、複数系列グラフには複数の <MeasureCollection> 子要素があります。それぞれ、プレゼンテーション記述 XML の <Series> 要素にマップされます。
各 <MeasureCollection> 子要素には、カテゴリ (水平) 軸の各値に対応する系列 (垂直) 軸値に対応する <Measure> という要素があります。
例
データ記述 XML 文字列の例を次に示します。
<datadefinition>
<fetchcollection>
<fetch mapping="logical" count="10">
<entity name="opportunity">
<attribute name="estimatedvalue" />
<order attribute="estimatedvalue" descending="true" />
</entity>
</fetch>
</fetchcollection>
<categorycollection>
<category>
<measurecollection>
<measure alias="estimatedvalue" />
</measurecollection>
</category>
</categorycollection></datadefinition>
データ記述 XML 文字列のその他の例については、「サンプル グラフ」を参照してください。
プレゼンテーション記述 XML 文字列を使用してデータ プレゼンテーションを指定する
プレゼンテーション記述 XML 文字列には、グラフ タイトル、グラフの色、グラフの種類 (横棒、縦棒、折れ線など) など、グラフの外観に関する情報が含まれます。 この XML 文字列に対するスキーマ定義はありません。 ただし、XML は Microsoft Chart Controls の Chart クラスのシリアル化です。詳細:グラフ コントロール
グラフを作成する際に、組織所有のグラフまたはユーザー所有のグラフでそれぞれ SavedQueryVisualization.PresentationDescription 属性と UserQueryVisualization.PresentationDescription 属性を使用してプレゼンテーション記述 XML 文字列を指定できます。
例
プレゼンテーション記述 XML 文字列の例を次に示します。
<Chart Palette="BrightPastel">
<Series>
<Series _Template_="All" Color="153, 204, 255" BorderColor="164, 164, 164" BorderDashStyle="Solid" BorderWidth="1" ShadowColor="128, 128, 128, 128" ShadowOffset="1" IsValueShownAsLabel="true" Font="{0}, 6.75pt" BackGradientStyle="TopBottom" BackSecondaryColor="0, 102, 153" LabelForeColor="100, 100, 100" ChartType="Column">
<SmartLabelStyle Enabled="True" />
<Points />
</Series>
</Series>
<ChartAreas>
<ChartArea _Template_="All" BackColor="White" BorderColor="26, 59, 105" BorderWidth="0" BorderDashStyle="Solid"> <AxisY LineColor="204, 204, 204" TitleFont="{0}, 8pt, GdiCharSet=0" TitleForeColor="100, 100, 100" LabelAutoFitMaxFontSize="7" LabelAutoFitMinFontSize="7">
<MajorTickMark LineColor="Gray" />
<MajorGrid Enabled="false" />
<LabelStyle Font="{0}, 6.75pt, GdiCharSet=0" ForeColor="100, 100, 100" />
</AxisY>
<AxisX LineColor="204, 204, 204" TitleFont="{0}, 8pt, GdiCharSet=0" TitleForeColor="100, 100, 100" LabelAutoFitMaxFontSize="7" LabelAutoFitMinFontSize="7"> <MajorTickMark LineColor="Gray" /> <MajorGrid Enabled="false" />
<LabelStyle Font="{0}, 6.75pt, GdiCharSet=0" ForeColor="100, 100, 100" />
</AxisX>
</ChartArea>
</ChartAreas>
<Titles>
<Title _Template_="All" Font="{0}, 9pt, style=Bold, GdiCharSet=0" ForeColor="100, 100, 100"></Title>
</Titles>
<BorderSkin PageColor="Control" BackColor="CornflowerBlue" BackSecondaryColor="CornflowerBlue" />
</Chart>
プレゼンテーション記述 XML 文字列のその他の例については、「サンプル グラフ」を参照してください。
関連項目
ビジュアル化を使用したデータの表示 (グラフ)
ビジュアル化に対するアクション (グラフ)
ビジュアル化の作成 (グラフ)
FetchXML を使用したクエリの構築
FetchXML schema
Visualization data description schema
サンプル グラフ
Chart クラス (Microsoft Chart Controls)
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