UII アプリケーション統合フレームワーク
公開日: 2016年11月
対象: Dynamics 365 (online)、Dynamics 365 (on-premises)、Dynamics CRM 2013、Dynamics CRM 2015、Dynamics CRM 2016
User Interface Integration (UII) の アプリケーション統合フレームワーク (AIF) を使用すると、アプリケーションの統合とオートメーションが有効になります。AIF では、アプリケーションを立ち上げて、コピーして貼り付けを減らすなどの、さまざまな目的で自動化することができます。 また、セッション管理機能を提供して、セッション キーに基づいてアプリケーションを互いに分離することができます。 この分離は、データの保護とアプリケーションの容易な管理の強化に役立ちます。
AIF は、複合 UI アプリケーション ブロック のツールおよびサービスを使用して、メッセージ送信、ビジュアル コンテインメント、アプリケーションの読み込み、および状態管理に対応します。 詳細と、アプリケーション ブロックのダウンロードの方法については、「MSDN: HYPERLINK" https://msdn.microsoft.com/en-us/library/aa480450.aspx" スマート クライアント – 複合 UI アプリケーション ブロック」を参照してください。
このトピックの内容
AIF コンポーネント
AIF オブジェクト モデル
AIF コンポーネント
次の図に、AIF のコンポーネントを示します。
前の図に示すように、AIF には以下の主要なコンポーネントがあります。
ホストされたアプリケーション: ホストされたアプリケーションは、UII シェル内で直接ホストされる業務アプリケーションです。 アプリケーションは、ホストされたコントロール、外部アプリケーション (Microsoft Visual C++、Microsoft Visual Basic、または Java など) 、Web アプリケーション、または Citrix のホストされたアプリケーションの場合があります。 ホストされたコントロールは、AIF に統合するために追加のフックを実装する Windows Forms または Windows Presentation Foundation (WPF) のユーザー コントロールです。詳細:UII のホストされたアプリケーション
UI シェル フレームワーク: UII の開発を簡素化する基本 UII サービス クラスを提供することによって統合デスクトップ アプリケーションのシェルを開発するための統合フレームワークを提供します。詳細:UI シェル フレームワーク
合成エンジン: AIF は、メッセージ送信 (イベント ブローカー)、ビジュアル コンテインメント (ワークスペース)、アプリケーションの読み込み (モジュール ローダー)、および状態管理のために、複合 UI アプリケーション ブロック のツールおよびサービスを使用します。 アプリケーション統合フレームワークは、複合 UI アプリケーション ブロックを活用して、ホストされたアプリケーションごとにユーザー インターフェイスを組み合わせて提供することが可能なホスト環境を構築するための機能とガイダンスを提供します。 また、アプリケーション統合フレームワークではアプリケーションが情報を共有することができるので、1 つのウィンドウでの変更がほかのホストされたアプリケーションに影響することがあります。
一元化された管理: ホストされたアプリケーション、アクション、ワークフロー、およびセキュリティの構成は Microsoft Dynamics 365 の Web クライアントで管理されます。
AIF オブジェクト モデル
AIF では、Unified Service Desk for Microsoft Dynamics 365 などのシェル アプリケーションが業種アプリケーションをインスタンス化できるようにする、オブジェクト モデルが公開されています。 このオブジェクト モデルでは、アプリケーションとアクション間のやり取りを実装するセッション コンテキスト オブジェクトを使用して、それらの間でメッセージを渡すこともできます。
ApplicationHost: ApplicationHost は UII デスクトップ アプリケーション (Unified Service Desk など) とホストされたアプリケーション間のブローカーとして動作します。 また、複数のホストされたアプリケーション間のブローカーとしての役割も果たして、それらのアプリケーションがアクションやイベントを送受信できるようにします。ApplicationHost オブジェクトによって、ホストされたアプリケーションがイベントを発生することができます。これらのイベントは UII ではアクションと呼ばれます。 ホストされたアプリケーションはアクションを ApplicationHost オブジェクトに渡し、次にこのオブジェクトはそれをアクションのターゲット (ホストされたアプリケーション) に渡します。 また、ApplicationHost は、ホストされたアプリケーションがコンテキスト オブジェクトにアクセスできるようにします。
コンテキスト: コンテキストは、ホストされたアプリケーション間で共有されるキー値のペアの集合です。 アプリケーション統合フレームワークの各セッションには、ユーザー定義データが入ったコンテキスト オブジェクトが含まれています。 このコンテキスト データは、セッションで、ホストされたアプリケーションとアダプター間で共有されます。 1 つのホストされたアプリケーションがコンテキストにデータ (ユーザー ID など) を書き込むと、そのデータは他のアプリケーションにも表示されます。 コンテキストを保存することができます。これによって、セッションを別のエージェントに転送したり、元のエージェントが取得することができます。
セッション: UII は、ホストされたアプリケーションのインスタンスとそのセッションのコンテキスト情報の両方を含んだセッション エンジンを提供します。 セッションは、ホストされたアプリケーションと関連データのグループの分離を可能にする、組織構成として使用されます。 セッションのデータは次の 2 つの主要なカテゴリに分類できます。
コア サポート データ: これには、セッション、プライマリ データ構造 (通常、顧客関係データ)、コンピューター テレフォニー統合 (CTI) 接続 ID、およびセッション中にホストとされているアプリケーションを特定する情報が含まれています。
セッション コンテキスト: これは、ホストされたアプリケーション間の共有情報です。
セッションは、どのタイプのチャンネル (電話、電子メール メッセージ、インスタント メッセージング [IM] の会話、または他の通信方法など) にも関連付けることができます。UII は、一度に 1 つのセッションまたは複数のセッション、または同時セッションを許可するように構成できます。 エージェントは、セッション管理によって、各セッションのコンテキストや状態を損失なく、また混ぜ合わせることなく、さまざまなチャネル上の複数のやり取りを同時に処理することができます。
関連項目
Microsoft.Uii.AifServices
IHostedApplication
UII のホストされたアプリケーション
統合サービス デスクの拡張
統合サービス デスクでのセッション管理
Unified Service Desk 2.0
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