Exchange 2010 ハイブリッド展開用の Outlook Web App の構成

 

適用先: Exchange Server 2010 SP1

推定完了時間:5 分

社内 Exchange 2010 組織とクラウドベースの組織との間にハイブリッド展開を構成すると、ユーザーには 2 つの Outlook Web App URL が表示されます。最初の URL は社内 Exchange 2010 クライアント アクセス サーバーを示し、2 番目の URL はクラウドに移動したメールボックスによって使用されるクラウドベースの URL です。

クラウドにメールボックスを移動するユーザーを移行しやすくするには、単一の共通 URL を使用してすべての Outlook Web App 要求を処理するように Exchange 2010 ハイブリッド サーバーを構成できます。Outlook Web App 要求がハイブリッド サーバーに到達すると、以下の処理が行われます。

  • Exchange 2010 メールボックスへの要求   ハイブリッド サーバーは、Exchange 2010 メールボックスへの Outlook Web App 要求を、インターネットからアクセス可能な Exchange 2010 クライアント アクセス サーバーへ自動的にリダイレクトします。

  • クラウドベースのメールボックスへの要求   ハイブリッド サーバーは、クラウドベースの組織内の Outlook Web App URL を表示し、新しい URL を使用するようにユーザーに指示します。ユーザーは、新しい URL をブラウザーのお気に入り一覧に追加できます。

ハイブリッド展開用に Outlook Web App を構成するには、次の処理も実行する必要があります。

  • Exchange 2010 クライアント アクセスおよび Exchange 2010 の両方のハイブリッド サーバーをインターネットからアクセスできるようにし、各サーバーの外部 FQDN を構成します。このタスクは、このチェックリストの後半に含まれています。

  • ハイブリッド サーバーで Outlook Web App 要求を受信する準備が整ったら、ハイブリッド サーバーの外部 FQDN を参照するようにプライマリ Outlook Web App URL を再構成します。プライマリ Outlook Web App URL には、owa.<ドメイン> を使用することをお勧めします。たとえば、owa.contoso.com を使用します。このタスクは、このチェックリストの後半に含まれています。

詳細情報:Exchange 2010 のハイブリッド展開用に 1 つの URL を使って Outlook Web App にアクセスする方法について

注意

これは、Microsoft Exchange Server 2010 と Office 365 のハイブリッド展開のチェックリストの一部として読むように作られています。このトピックの情報または手順は、チェックリストの以前のトピックで構成された前提条件に依存する場合があります。チェックリストを表示するには、「チェックリスト - Exchange 2010 と Office 365 のハイブリッド展開」を参照してください。

社内 Outlook Web App リダイレクトを構成する方法

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可を確認するには、「クライアント アクセス許可」の「Outlook Web App の仮想ディレクトリ」を参照してください。

ハイブリッド サーバーが Exchange 2010 社内サーバー上にメールボックスがあるユーザーからの Outlook Web App 要求をリダイレクトするには、Exchange 2010 クライアント アクセス サーバー上の InternalUrl プロパティおよび ExternalUrl プロパティを正しく設定する必要があります。InternalUrl プロパティには、ユーザーが内部ネットワークから Exchange 2010 メールボックスにアクセスするときに使用する URL を設定します。ExternalUrl には、ユーザーがインターネットから Exchange 2010 メールボックスにアクセスするときに使用する URL を設定します。

各 Exchange 2010 クライアント アクセス サーバーで、シェルで次の手順を実行します。

  1. Outlook Web AppExternalUrl および InternalUrl プロパティの構成をチェックします。

    Get-OwaVirtualDirectory "Ex2010\OWA (Default Web Site)" | Format-Table InternalUrl, ExternalUrl
    
  2. InternalUrl プロパティおよび ExternalUrl プロパティに設定されている値の設定が正しいことを検証します。

  3. 値が正しく設定されていない場合は、正しい URL を構成してください。

    Set-OwaVirtualDirectory "Ex2010\OWA (Default Web Site)" -InternalUrl "https://ex2010.corp.contoso.com/owa" -ExternalUrl "https://mail.contoso.com/owa"
    
  4. 組織内の各 Exchange 2010 クライアント アクセス サーバーでこの手順を繰り返します。

クラウドベースの Outlook Web App リダイレクトを構成する方法

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、「メールボックスのアクセス許可」の「組織の関係」を参照してください。

メールボックスをクラウドベースのサービスに移動したユーザーに対して、ハイブリッド サーバーがクラウドベースの組織の Outlook Web App URL を表示できるようにするには、ハイブリッド サーバーで次のコマンドを使用します。

重要

次のコマンドでは、URL の末尾にスラッシュ (/) を追加しないでください。

Set-OrganizationRelationship "To Cloud" -TargetOWAUrl "https://outlook.com/owa/contoso.com"

設定が適用されたことを確認する方法

次の手順で、Exchange 2010 Outlook Web App とクラウドベースの Outlook Web App リダイレクトが正しく設定されたことを検証できます。

重要

プライマリ Outlook Web App DNS CNAME は、まだ、ハイブリッド サーバーを参照するように再構成されていません。構成をテストするには、ハイブリッド サーバーの外部からアクセス可能な FQDN を参照する必要があります。チェックリストの後半の手順で、プライマリ Outlook Web App DNS CNAME を再構成します。

Exchange 2010 リダイレクトが正しく構成されたかどうかを確認するには、次の処理を実行します。

  1. ハイブリッド サーバーの Outlook Web App URL を参照します。ハイブリッド サーバーの外部からアクセス可能な FQDN を使用する必要があります。たとえば、「https://mail.contoso.com/owa」とします。

  2. Exchange 2010 メールボックス サーバーにあるメールボックスの資格情報を入力します。

  3. Exchange 2010 リダイレクトが動作している場合、ハイブリッド サーバーは自動的に要求を Exchange 2010 サーバーにリダイレクトしてユーザーをメールボックスにログオンさせます。

クラウドベースのリダイレクトが正しく構成されたことを確認するには、待機する必要があります。クラウドベースのリダイレクトを検証するために、このチェックリストの最初にあったサービス構成の検証手順で作成したテスト メールボックスを使用することはできません。このチェックリストのテスト メールボックスの作成手順で作成するテスト メールボックスを使用する必要があります。これについては、その手順になったときにもう一度触れます。

問題がある場合は、Office 365 のフォーラムで質問してください。フォーラムにアクセスするには、クラウドベースのサービスへの管理者アクセス権限を付与されたアカウントを使用してサインインする必要があります。次のフォーラムにアクセスしてください。Office 365 フォーラム

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