Exchange 2010 ハイブリッド展開をサポートするための構成後のタスク

適用先: Exchange Server 2010 SP1

ハイブリッド展開を構成するための構成手順を完了した後に、インストール後のタスクを実行して必要な追加機能を有効化する必要があります。

クラウドベースの組織におけるアクセス許可の構成

既定では、クラウドベースのサービスの作成時に指定した管理者アカウントに、クラウドベースの組織に対する管理者のアクセス許可が付与されます。このアカウントは、クラウドベースの組織のすべての側面を構成し、組織内の受信者を管理できます。必要に応じて、管理者を追加できます。

また、エンド ユーザーのメールボックスがクラウドベースの組織に移動されたか、クラウドベースの組織内で作成された場合は、それらのエンド ユーザーにもアクセス許可が付与されます。既定では、自分の連絡先情報、配布グループのメンバーシップ、電子メール サブスクリプション、電話番号などを構成できます。管理者は、既定の役割の割り当てポリシーを構成したり、新しい役割の割り当てポリシーを作成したりできます。

社内組織で構成された管理者のアクセス許可とエンド ユーザーのアクセス許可は、クラウドベースの組織には転送されません。クラウドベースの組織でアクセス許可を再作成する必要があります。

詳細情報:共存用のアクセス許可について

追加のリモート ドメインの構成

展開アシスタントが、社内組織とクラウドベースの組織との間のトランスポートを構成する方法を示します。組織と他の組織との間にリモート ドメインを構成し、使用するエンコードのタイプ、配信不能レポートを有効化するかどうか、使用する文字セットなどの設定をカスタマイズしている場合は、クラウドベースの組織で同様のカスタム リモート ドメインを作成し直す必要があります。

詳細情報:リモート ドメインについて

ユニファイド メッセージングの構成

ユニファイド メッセージは、社内組織とクラウドベースの組織間のハイブリッド展開でサポートされています。社内のテレフォニー ソリューションでは、クラウンドベースの組織と通信できるようにする必要があります。この要件を満たすために、追加のハードウェアやソフトウウェアの購入が必要になる場合もあります。

メールボックスを社内組織からクラウドベースの組織に移動して、これらのメールボックスをユニファイド メッセージング用に構成する場合は、メッセージを移動する前にユニファイド メッセージングをハイブリッド展開用に構成する必要があります。ユニファイド メッセージングをハイブリッド展開用に構成する前にメールボックスを移動すると、メールボックスはユニファイド メッセージング機能にアクセスできなくなります。

詳細情報:Plan for UM Coexistence (UM 共存の計画)

Information Rights Management の構成

Information Rights Management (IRM) を使用すると、ユーザーは、送信するメッセージに Active Directory Rights Management サービス (AD RMS) テンプレートを適用できます。AD RMS テンプレートを使用すると、ユーザーは、権利が保護されたメッセージを開くことができる人物、およびメッセージを開いた後にそのメッセージに対して実行できる操作を制御でき、情報漏洩を防止することができます。

ハイブリッド展開で IRM を使用するには、計画およびクラウドベースの組織の手動での構成を行う必要があります。また、メールボックスが社内またはクラウドベースの組織内のどちらに存在するかに応じて、クライアントが AD RMS サーバーを使用する方法を理解する必要があります。

詳細情報:Exchange 2010 ハイブリッド展開での IRM について

Outlook Web App メールボックス ポリシーの構成

Outlook Web App メールボックス ポリシーによって、Outlook Web App 内の機能へのアクセスを管理できます。たとえば、ユーザーが予定表や受信トレイのその他のフォルダーを開けるか、テーマをカスタマイズできるか、スペル チェックを使用できるか、添付ファイルにアクセス可能かなどを制御することができます。

既定では、クラウドベースの組織内の各メールボックスは既定の Outlook Web App メールボックス ポリシーに割り当てられます。既定のポリシーでは、Outlook Web App のすべての機能へのアクセスが許可されます。既定の Outlook Web App メールボックス ポリシーを構成することもできれば、追加のポリシーを作成してメールボックスに割り当てることもできます。

社内組織で定義した Outlook Web App メールボックス ポリシーは、クラウドベースの組織には転送されません。クラウドベースの組織で Outlook Web App メールボックス ポリシーを作成し直す必要があります。

詳細情報:Outlook Web App メールボックス ポリシーについて

Exchange ActiveSync メールボックス ポリシーの構成

Exchange ActiveSync メールボックス ポリシーを使用すると、ユーザーまたはユーザー グループに、ポリシーやセキュリティ設定の共通セットを適用できます。これらのポリシーは、ユーザーのメールボックスに接続されたモバイル デバイスに適用されます。たとえば、ユーザーがモバイル デバイスのカメラを使用できるかどうか、パスワードが必要かどうか、予定表の最長保存期間などを制御できます。

既定では、クラウドベースの組織内の各メールボックスは既定の Exchange ActiveSync メールボックス ポリシーに割り当てられます。既定のポリシーでは、クラウドベースのメールボックスに接続されたモバイル デバイスに対する制限はなく、デバイスでパスワードを使用する必要もありません。既定の Exchange ActiveSync メールボックス ポリシーを構成することもできれば、追加のポリシーを作成してメールボックスに割り当てることもできます。

社内組織で定義した Exchange ActiveSync メールボックス ポリシーは、クラウドベースの組織には転送されません。クラウドベースの組織で Exchange ActiveSync メールボックス ポリシーを作成し直す必要があります。

詳細情報:Exchange ActiveSync メールボックス ポリシーについて

クライアントの構成

Outlook 2007 または Outlook 2010 を実行し、Outlook Anywhere を使用して接続しているユーザーは、メールボックスがクラウドベースの組織に移動されると、この組織に接続するように自動的に再構成されます。

モバイル デバイスを自分のメールボックスに接続しているユーザーは、デバイスが使用している Exchange ActiveSync のバージョンに応じて、デバイスを手動で再構成する必要が生じることがあります。デバイスが自動的に再構成されない場合、ユーザーは Exchange ActiveSync の関連付けを作成し直すか、POP 設定または IMAP 設定を変更することができます。

詳細情報:携帯電話での電子メール アカウントの設定

Outlook 2007 と Outlook 2010 のいずれでもない電子メール クライアントを使用しているユーザーは、メールボックスがクラウドベースの組織に移動された場合、POP または IMAP を使用する必要があります。

詳細情報:電子メールの設定

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