Exchange 2010 ハイブリッド展開での組織上の関係の構成

 

適用先: Exchange Server 2010 SP1

推定完了時間:45 分

社内組織とクラウドベースの組織との間に組織上の関係を作成すると、どちらの組織のユーザーも予定表の空き時間情報を互いに安全に共有できます。空き時間情報を共有できるようにするには、社内組織とクラウドベースの組織に両方について、組織上の関係を作成する必要があります。社内組織の組織上の関係を作成すると、どの社内ユーザーにクラウドベースのサービスのユーザーとの共有を許可するかを定義する、予定表の空き時間情報オプションが構成されます。

詳細情報:フェデレーション委任について

注意

これは、Microsoft Exchange Server 2010 と Office 365 のハイブリッド展開のチェックリストの一部として読むように作られています。このトピックの情報または手順は、チェックリストの以前のトピックで構成された前提条件に依存する場合があります。チェックリストを表示するには、「チェックリスト - Exchange 2010 と Office 365 のハイブリッド展開」を参照してください。

社内組織の組織上の関係を作成する方法

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。組織上の関係を作成するために必要なアクセス許可の一覧については、「メールボックスのアクセス許可」の「組織上の関係」を参照してください。

組織上の関係は、ハイブリッド サーバーの Exchange 管理コンソールで、組織上の関係の新規作成ウィザードを使用して作成できます。

  1. コンソール ツリーで社内 Exchange フォレストの [組織の構成] をクリックします。

  2. 操作ウィンドウで、[組織上の関係の新規作成] をクリックします。

  3. [概要] ページで、以下のフィールドに入力します。

    • [名前]   組織上の関係の名前を入力します。たとえば、"To Cloud" とすることで、この関係がクラウドベースの組織に対するものであることが示されます。

    • [この組織上の関係を有効にする]   この組織上の関係を有効にするには、このチェック ボックスをオンにします。

    • [空き時間情報アクセスを有効にする]   この組織上の関係を使用して、クラウドベースの組織が社内組織から空き時間情報を取得するように指定するには、このチェック ボックスをオンにします。

    • [空き時間情報データのアクセス レベルを指定する]   クラウドベース組織が社内組織から取得する空き時間情報の種類を指定するには、次のオプションのいずれかをオンにします。

      [時刻のみを指定して空き時間情報にアクセス]

      [時刻、件名、場所を指定して空き時間情報にアクセス]

    • [どの内部ユーザーの空き時間情報がアクセス可能であるかを示すセキュリティ配布グループを指定する]   クラウドベースのサービス組織からアクセス可能な空き時間情報を持つユーザーを一覧にするために配布グループを指定するには、このチェック ボックスをオンにします。対応するボックスを使用して組織内のセキュリティ配布グループの SMTP アドレスを入力するか、または [参照] をクリックしてグループを検索します。

  4. [外部組織] ページで、以下のフィールドに入力します。

    • [構成情報を自動検出する]   自動検出を使用して、Exchange でクラウドベースの組織の構成情報を検出するには、このオプションをオンにします。
    • [外部 Exchange 組織のフェデレーション ドメインを指定してください]   クラウドベースの組織のフェデレーション ドメイン (service.contoso.com など) を入力します。複数のドメインは指定できません。

    注意

    また、この手順で、クラウドベースの組織のフェデレーション ドメインを手動で入力することもできます。フェデレーション ドメインを手動で構成する場合は、社内組織のサービスルーティング名前空間とプライマリ SMTP 名前空間の両方を入力します。たとえば、フェデレーション ドメインには、service.contoso.com および contoso.com の両方のドメインが含まれます。これらのドメインのいずれかが組織上の関係から失われると、空き時間情報の共有が正しく機能しないことがあります。

  5. [組織上の関係の新規作成] ページで、構成設定を確認します。[新規作成] をクリックして組織上の関係を作成します。変更するには、[戻る] をクリックします。

  6. [完了] ページで以下のことを確認し、[終了] をクリックしてウィザードを終了します。

    • [完了] の状態は、ウィザードでタスクが正常に完了したことを示します。

    • [失敗] の状態は、タスクが完了しなかったことを示します。タスクが失敗した場合は、説明の概要を確認し、[戻る] をクリックして構成を変更します。

組織上の関係を作成した後、これらの機能を正しく動作させるために、プライマリ SMTP 名前空間を手動で追加し、組織上の関係のメール ヒントとメッセージ追跡を有効にする必要もあります。ただし、組織上の関係の新規作成ウィザードで、フェデレーション ドメインとしてサービスルーティング名前空間とプライマリ SMTP 名前空間の両方を手動で追加した場合は、ここではメール ヒントとメッセージ追跡を有効にすることのみ必要となります。

社内の組織上の関係に対して、プライマリ SMTP 名前空間を追加し、メール ヒントとメッセージ追跡を有効にするには、ハイブリッド サーバーのシェルで次のコマンドを実行します。

Set-OrganizationRelationship -Identity "To Cloud" -DomainNames "service.contoso.com","contoso.com" -MailTipsAccessEnabled $True -MailTipsAccessLevel All -DeliveryReportEnabled $True

クラウドベースの組織の組織上の関係を作成する方法

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、「メールボックスのアクセス許可」の「組織の関係」を参照してください。

まず、クラウドベースの組織のシェルで次のコマンドを使用して、カスタマイズを有効にします。このアクションは、完了するのに数分かかることがあります。

Enable-OrganizationCustomization

重要

このコマンドを実行した後に [この操作は現在提供されているサービスでは使用できません] エラーが返された場合、クラウドベースの組織はすでにカスタマイズを有効にして構成されています。このエラーは無視しても問題はなく、チェックリストの手順を続行できます。

次に、ハイブリッド サーバーの EMC で組織上の関係の新規作成ウィザードを使用して、組織上の関係を作成できます。

  1. コンソール ツリーでクラウドベースの組織の Exchange フォレストの [組織の構成] をクリックします。

  2. 操作ウィンドウで、[組織上の関係の新規作成] をクリックします。

  3. [概要] ページで、以下のフィールドに入力します。

    • [名前]   組織上の関係の名前を入力します。たとえば、"To On-Premises" とすることで、この関係が社内組織のものであることが示されます。

    • [この組織上の関係を有効にする]   この組織上の関係を有効にするには、このチェック ボックスをオンにします。

    • [空き時間情報アクセスを有効にする]   この組織上の関係を使用して、社内組織がクラウドベースの組織から空き時間情報を取得するように指定するには、このチェック ボックスをオンにします。

    • [空き時間情報データのアクセス レベルを指定する]   社内組織がクラウドベースの組織から取得する空き時間情報の種類を指定するには、次のオプションのいずれかをオンにします。

      [時刻のみを指定して空き時間情報にアクセス]

      [時刻、件名、場所を指定して空き時間情報にアクセス]

    • [どの内部ユーザーの空き時間情報がアクセス可能であるかを示すセキュリティ配布グループを指定する]   社内組織からアクセス可能な空き時間情報を持つユーザーを一覧にするために配布グループを指定するには、このチェック ボックスをオンにします。対応するボックスを使用して組織内のセキュリティ配布グループの SMTP アドレスを入力するか、または [参照] をクリックしてグループを検索します。

  4. [外部組織] ページで、以下のフィールドに入力します。

    • [構成情報を自動検出する]   自動検出を使用して、Exchange で社内組織の構成情報を検出するには、このオプションをオンにします。
    • [外部 Exchange 組織のフェデレーション ドメインを指定してください]   社内組織のフェデレーション ドメイン (contoso.com など) を入力します。複数のドメインは指定できません。

      注意

      また、この手順で、社内組織のフェデレーション ドメインを手動で入力することもできます。フェデレーション ドメインを手動で構成する場合は、社内組織のフェデレーション委任名前空間とプライマリ SMTP 名前空間の両方を入力します。たとえば、フェデレーション ドメインには、exchangedelegation.contoso.com と contoso.com の両方のドメインが含まれます。これらのドメインのいずれかが組織上の関係から失われると、空き時間情報の共有が正しく機能しないことがあります。

  5. [組織上の関係の新規作成] ページで、構成設定を確認します。[新規作成] をクリックして組織上の関係を作成します。変更するには、[戻る] をクリックします。

  6. [完了] ページで以下のことを確認し、[終了] をクリックしてウィザードを終了します。

    • [完了] の状態は、ウィザードでタスクが正常に完了したことを示します。

    • [失敗] の状態は、タスクが完了しなかったことを示します。タスクが失敗した場合は、説明の概要を確認し、[戻る] をクリックして構成を変更します。

組織上の関係を作成した後、これらの機能を正しく動作させるために、フェデレーション委任名前空間を手動で追加し、組織上の関係のメール ヒントとメッセージ追跡を有効にする必要もあります。ただし、組織上の関係の新規作成ウィザードで、フェデレーション ドメインとしてフェデレーション委任名前空間とプライマリ SMTP 名前空間の両方を手動で追加した場合は、ここではメール ヒントとメッセージ追跡を有効にすることのみ必要となります。

クラウドベースの組織上の関係に対して、フェデレーション委任名前空間を追加し、メール ヒントとメッセージ追跡を有効にするには、クラウドベースの組織のシェルで次のコマンドを実行します。

Set-OrganizationRelationship -Identity "To On-premises" -DomainNames "exchangedelegation.contoso.com","contoso.com" -MailTipsAccessEnabled $True -MailTipsAccessLevel All -DeliveryReportEnabled $True

設定が適用されたことを確認する方法

組織上の関係が想定どおりに作成されたことは、まず、組織上の関係の新規作成ウィザードが正常に完了したことで判断できます。組織上の関係が正しく構成されたことをさらに確認するために、社内組織とクラウドベース組織の両方に対して、シェルで次のコマンドを実行することもできます。

Get-OrganizationRelationship | fl

詳細情報:Set-OrganizationRelationship および 組織の関係のプロパティの構成

問題がある場合は、Office 365 のフォーラムで質問してください。フォーラムにアクセスするには、クラウドベースのサービスへの管理者アクセス権限を付与されたアカウントを使用してサインインする必要があります。次のフォーラムにアクセスしてください。Office 365 フォーラム

 © 2010 Microsoft Corporation.All rights reserved.