_malloc_dbg

デバッグ ヘッダーと上書きバッファー用の追加の領域を持つメモリ ブロックをヒープに割り当てます (デバッグ バージョンのみ)。

void *_malloc_dbg(    size_t size,    int blockType,    const char *filename,    int linenumber  );

パラメーター

  • size
    要求するメモリ ブロックのサイズ (バイト単位)。

  • blockType
    要求するメモリ ブロックの種類。_CLIENT_BLOCK または _NORMAL_BLOCK。

  • filename
    割り当て操作を要求したソース ファイル名へのポインターまたは NULL。

  • linenumber
    割り当て操作が要求されたソース ファイル内の行番号または NULL。

filename パラメーターと linenumber パラメーターを使用できるのは、_malloc_dbg が明示的に呼び出された場合、または _CRTDBG_MAP_ALLOC プリプロセッサ定数が定義されている場合だけです。

戻り値

正常に終了した場合、この関数は割り当てられたメモリ ブロックのユーザー部分へのポインターを返すか、新しいハンドラー関数を呼び出すか、NULL を返します。 戻る動作の詳細については、後の「解説」のセクションを参照してください。 新しいハンドラー関数がどのように使用されるかの詳細については、malloc 関数を参照してください。

解説

_malloc_dbg は、malloc 関数のデバッグ バージョンです。 _DEBUG が定義されない場合、_malloc_dbg への各呼び出しは malloc への呼び出しになります。 malloc と _malloc_dbg はベース ヒープ内にメモリ ブロックを割り当てますが、_malloc_dbg はいくつかのデバッグ機能を提供します。たとえば、リークをテストするための、ブロックのユーザー部分の両側のバッファー、特定の割り当ての種類を追跡するためのブロック型パラメーター、割り当て要求の起点を特定するための filename/linenumber 情報などです。

_malloc_dbg は、要求された size よりも少し多い領域を使用してメモリ ブロックを割り当てます。 追加の領域は、デバッグ メモリ ブロックをリンクし、アプリケーションにデバッグ ヘッダー情報と上書きバッファーを提供するために、デバッグ ヒープ マネージャーによって使用されます。 ブロックが割り当てられると、ブロックのユーザー部分には値 0xCD が設定され、各上書きバッファーには 0xFD が設定されます。

メモリ割り当てが失敗するか、必要なメモリの量 (前に説明したオーバーヘッドを含む) が _HEAP_MAXREQ を超えると、_malloc_dbg は errno を ENOMEM に設定します。 エラー コードの詳細については、「errno、_doserrno、_sys_errlist、および _sys_nerr」を参照してください。

デバッグ バージョンのベース ヒープに対するメモリ ブロックの割り当て、初期化、管理方法の詳細については、「CRT デバッグ ヒープ」を参照してください。 割り当てブロックの種類とそれらの使用方法の詳細については、「デバッグ ヒープ上のメモリ ブロックの型」を参照してください。 アプリケーションのデバッグ ビルドで標準ヒープ関数を呼び出す場合とデバッグ バージョンを呼び出す場合との違いについては、「デバッグ バージョンのヒープ割り当て関数」を参照してください。

必要条件

ルーチン

必須ヘッダー

_malloc_dbg

<crtdbg.h>

互換性の詳細については、「C ランタイム ライブラリ」の「互換性」を参照してください。

ライブラリ

C ランタイム ライブラリのデバッグ バージョンのみ。

使用例

_malloc_dbg の使用例については、「crt_dbg1」を参照してください。

同等の .NET Framework 関数

該当なし。標準 C 関数を呼び出すには、PInvoke を使用します。詳細については、「プラットフォーム呼び出しの例」を参照してください。

参照

関連項目

デバッグ ルーチン

malloc

_calloc_dbg

_calloc_dbg