switch ステートメント (C++)

整数式の値に応じてコードの複数のセクション間を切り替えます。

switch ( expression )
   case constant-expression : statement
   [default   : statement]

解説

expression は整数型であるか、整数型へのあいまいでない変換が行われるクラス型であることが必要です。 整数の上位変換は「整数の上位変換」で説明されているように実行されます。

switch ステートメントの本体は一連の case ラベルと省略可能な default ラベルで構成されます。 case ステートメントの 2 つの定数式は同じ値に評価できません。 default ラベルは一度だけ記述できます。 ラベル付きステートメントは構文上の要件ではありませんが、ラベル付きステートメントがないと、switch ステートメントを使用する意味がありません。 default ステートメントを最後に記述する必要はありません。switch ステートメントの本体内の任意の場所で使用できます。 case ラベルまたは default ラベルは、switch ステートメント内でのみ使用できます。

case ラベル内の constant-expression は、expression 型に変換され、expression と等しいかどうかが比較されます。 case constant-expressionexpression の値と一致するステートメントに制御が移ります。 結果の動作を次の表に示します。

switch ステートメントの動作

条件

動作

変換後の値は、上位変換された制御式の値と一致します。

制御は、そのラベルの次のステートメントに移ります。

定数のいずれも case ラベル内の定数と一致しません。default ラベルが存在します。

制御は default ラベルに移動します。

定数のいずれも case ラベル内の定数と一致しません。default ラベルが存在しません。

制御は switch ステートメントの後のステートメントに移動します。

一致する式が見つかった場合、後続の case ラベルまたは defalt ラベルで制御が妨げられることはありません。 break ステートメントは、実行を停止し、switch ステートメントの後のステートメントに制御を移すために使用されます。 break ステートメントがない場合は、一致する case ラベルから switch ステートメントの最後までのすべてのステートメントは、default ステートメントも含めて実行されます。 次に例を示します。

// switch_statement1.cpp
#include <stdio.h>

int main() {
   char *buffer = "Any character stream";
   int capa, lettera, nota;
   char c;
   capa = lettera = nota = 0;

   while ( c = *buffer++ )   // Walks buffer until NULL
   {
      switch ( c )
      {
         case 'A':
            capa++;
            break;
         case 'a':
            lettera++;
            break;
         default:
            nota++;
      }
   }
   printf_s( "\nUppercase a: %d\nLowercase a: %d\nTotal: %d\n",
      capa, lettera, (capa + lettera + nota) );
}

上の例では、capa は c が大文字 A の場合、インクリメントします。 capa++ の後の break ステートメントによって switch ステートメントの本体の実行が終了し、制御が while ループに移ります。 break ステートメントがない場合は、lettera と nota もインクリメントされます。 同様の目的で、case 'a' の break ステートメントを使用しています。 c が小文字の a の場合、lettera はインクリメントされて、break ステートメントで switch ステートメントの本体が終了します。 c が a または A でない場合、default ステートメントが実行されます。

switch ステートメントの内部ブロックには、到達できた (すべての可能な実行パスで回避されなかった) 場合に実行される初期化の定義を含めることができます。 これらの宣言を使用して導入された名前にはローカル スコープがあります。 次に例を示します。

// switch_statement2.cpp
// C2360 expected
#include <iostream>
using namespace std;
int main(int argc, char *argv[])
{
   switch( tolower( *argv[1] ) )
   {
       // Error. Unreachable declaration.
       char szChEntered[] = "Character entered was: ";
   
   case 'a' :
       {
       // Declaration of szChEntered OK. Local scope.
       char szChEntered[] = "Character entered was: ";
       cout << szChEntered << "a\n";
       }
       break;
   
   case 'b' :
       // Value of szChEntered undefined.
       cout << szChEntered << "b\n";
       break;
   
   default:
       // Value of szChEntered undefined.
       cout << szChEntered << "neither a nor b\n";
       break;
   }
}

switch ステートメントは入れ子にすることもできます。 このような場合、casedefault のラベルは、そのすぐ外側の switch ステートメントと関連付けられます。

Microsoft 固有の仕様 →

Microsoft C では、switch ステートメントの case 値の数を制限していません。 この数は、使用できるメモリによってのみ制限されます。 ANSI C では、1 つの switch ステートメント内に 257 個までの case ラベルを使用できます。

Microsoft C の既定では、Microsoft 拡張機能が有効になっています。 これらの拡張機能を無効にするには、/Za コンパイラ オプションを使用します。

参照

関連項目

選択ステートメント (C++)

C++ キーワード

case ステートメントでのラベルの使用