グループ チャットの機能強化

トピックの最終更新日: 2009-05-27

Microsoft Office Communications Server 2007 R2 グループ チャットを使用すると、トピックに基づく長時間のマルチパーティ会話に参加できます。グループ チャットにより、組織は次のことを行うことができます。

  • 地理的に分散されたチームや職能上の枠を越えたチーム間でのコミュニケーションを深めます。
  • 情報を広めて参加の輪を広げます。
  • 社外の人間とのコミュニケーションを深めます。
  • 情報過多を緩和します。
  • 情報の認知を高めます。
  • 重要な知識と情報の分散を促進します。
  • 組織の知識を安全に保持します。

新しい絵文字セット

Microsoft Office Communicator 2007 R2 の絵文字のサブセットをグループ チャットで使用できるようになりました。

単一の表示設定のサポート

グループ チャットで複数のテーマを定義することはできなくなり、代わりに、あらゆる状況ですべてのチャット ルームに適用される表示設定を指定できるようになりました。表示設定を変更してグループ チャットに適用することにより、表示をカスタマイズできます。グループ チャットには既定の表示設定があり、それらの既定の設定に加えた変更は、必要に応じていつでも元に戻すことができます。

強化されたフォルダ機能

チャット ルームと連絡先を階層的なファイル構造に整理することができます。連絡先とチャット ルームの両方を 1 つのフォルダに格納できるようになりました。フォルダを右クリックすると、そのフォルダの連絡先とチャット ルームの両方に適用される操作が表示されます。

通知領域への最小化

グループ チャットを閉じるときに、グループ チャットを終了する代わりに通知領域に最小化して表示できるようになりました。この場合、グループ チャットは引き続きバックグラウンドで実行されます。通知領域のグループ チャット アイコンをクリックすると、グループ チャットの操作を再開できます。

イメージのプレビュー

グループ チャットで、チャット セッションにイメージを挿入できるだけでなく、チャット セッションに挿入されたイメージをプレビューすることもできるようになりました。チャット セッションのイメージをプレビューするには、マウス ポインタをメッセージ領域のイメージ アイコンの上に置きます。

メッセージからストーリーへの自動的な変換

ストーリーは、チャット ルームに投稿するには長すぎるメッセージをカプセル化したものです。メッセージ入力領域に入力したメッセージが 500 文字を超えると、そのメッセージは自動的にストーリーに変換されます。変換後のストーリーは、チャット ルームに送信する前に編集できます。

プレゼンス情報の連携

グループ チャットを Microsoft Office Outlook および Office Communicator 2007 R2 と一緒に実行すると、プレゼンス情報が連携されて、よりわかりやすいプレゼンス データが生成されます。たとえば、Outlook の予定表を使用して、より現実に即したプレゼンスが生成されます。プレゼンス状態は、グループ チャット クライアントのさまざまな領域で、ユーザー名 (自分の名前を含む) の横に表示されます。プレゼンス状態を使用することにより、自分が現在応答可能かどうかを他の人々に知らせたり、特定の連絡先とのインスタント メッセージング (IM) 会話を開始できるかどうかを判断したりできます。

グループ チャットやその他の Office Communications Server クライアント (Office Communicator 2007 R2、2007 R2 バージョンの Microsoft Office Communicator Web Access、2007 R2 バージョンの Microsoft Office Communicator Mobile for Windows Mobile など) は Office Communications Server 2007 R2 と統合されているので、プレゼンス状態は、ユーザーのアクティビティに基づいて (場合によってはアクティビティがなかった場合にも) 継続的に更新されます。グループ チャットでプレゼンス状態を変更すると、直ちにプレゼンス状態が更新されて、グループ チャットを実行している他のユーザーのグループ チャット クライアントにその変更が反映されます。そのため、プレゼンス状態を手動で変更して、他のグループ チャット ユーザーに自分の状態を知らせることができます。たとえば、数分ほど席を離れる場合は、プレゼンス状態を [一時退席中] に設定します。使用できるプレゼンス状態のオプションを次の表に示します。

プレゼンス状態 説明

[連絡可能]

連絡先はオンラインであり、会話に参加できます。この状態はユーザーが手動で設定できます。

[取り込み中]

連絡先は連絡可能ですが、他の活動に参加しています。

[応答不可]

この状態は、連絡先から "チーム" 以外のアクセス レベルが割り当てられている場合に、連絡先がプレゼンス状態を手動で [応答不可] に設定した場合に表示されます。

[退席中]

連絡先はおそらく応答不可です。この状態は、連絡先のコンピュータが、設定されたアイドル時間より長い間アイドル状態になっている場合に表示されます。アイドル時間の既定値は 15 分です。

[非アクティブ]

この連絡先は連絡可能である可能性がありますが、そのコンピュータが、設定されたアイドル時間より長い間アイドル状態になっています。アイドル時間の既定値は 5 分です。

[取り込み中 (非アクティブ)]

この連絡先は現在会議中であるか、会議の予定が入っています (Outlook 予定表によって示されます) が、この連絡先のコンピュータは、設定されたアイドル時間非アクティブになっています。アイドル時間の既定値は 5 分です。

[禁止]

このボタンは、連絡先リストで、禁止した連絡先名の隣に表示されます。禁止したユーザーには、自分の状態がオフラインとして表示されます。

[オフライン]

連絡先は応答不可です。この状態が表示されるのは、連絡先が手動でプレゼンス状態を [オフライン] に設定している、連絡先のコンピュータで Office Communicator とグループ チャットが実行されていないか連絡先がサインインしていない、またはこちらにプレゼンス状態の表示を禁止している場合です。

[状態確認不可]

グループ チャットと Office Communicator で連絡先の状態を特定できません。この状態は通常、フェデレーション パートナーでない組織のシステムなどの別のコンピュータ システムに連絡先のプレゼンス状態が格納されているために表示されます。

チャット ルームのメンバの状態

各チャット ルームの参加者リストには、チャット ルームのアクティブなメンバが表示されます。チャット ルームのメンバは、チャット ルームに参加し、グループ チャットにサインインしている場合に、アクティブと見なされます。チャット ルーム マネージャは、チャット ルームのメンバとしてサインアップしている場合にのみ参加者リストに表示されます。マネージャの名前は参加者リストに太字で表示されます。ユーザーがチャット ルームに所属している場合、グループ チャットにサインインしていると参加者リストに名前が表示され、グループ チャットにサインインしていないと表示されません。

チャット ルームの管理

以前の製品では、チャット ルーム (以前のリリースでは "チャネル" と呼ばれていました) を管理するには Web ベースのツールが必要でした。グループ チャットでは、チャット ルームの管理機能はすべてグループ チャット クライアントに組み込まれています。

チャット ルームは以下の場合に管理できます。

  • チャット ルーム マネージャになっている場合。
  • そのチャット ルームを作成した場合。
  • チャット ルーム管理者のアクセス許可がある場合 (この場合はすべてのチャット ルームを管理できます)。

チャット ルーム マネージャになっている場合は、グループ チャット ウィンドウの [操作] メニューに [管理] メニューが表示され、参加者リストの上のツール バーに [このチャット ルームの管理] ボタンが表示されます。

チャットの履歴の検索

チャットの履歴には、チャット ルームにまだ表示されているかどうかに関係なく、チャット ルームに投稿されたすべてのメッセージが記録されます。チャットの履歴は、IM チャットやフィルタでは使用できません。チャット ルームでは、チャット ルーム マネージャによって有効化されている場合にのみ使用できます。特定のチャット ルーム、特定のフォルダ、または参加したことのあるすべてのチャット ルームについてチャットの履歴を検索できます。以前の製品のように、Web インターフェイスから手動でパラメータを入力してチャットの履歴にアクセスする必要はありません。

ピアツーピアの IM のファイル転送

連絡先にインスタント メッセージを送信するときにファイルを送信できるようになりました。

メッセージの通知

デスクトップに通知を送信するようにグループ チャット クライアントを構成できるようになりました。たとえば、[重要度 - 高] のメッセージがチャット ルームに投稿された場合にデスクトップに通知が表示されるように設定することができます。

フィルタ

グループ チャットで、以前のリリースよりも簡単にフィルタを作成および変更できるようになりました。フィルタを作成すると、特定のチャット ルーム、ユーザー、または内容を監視できます。まったく新しいフィルタを作成することも、既存のフィルタから新しいフィルタを作成することもできます。

正規表現フィルタの使用

正規表現とは、特定の構文規則に従って、一連の文字列を表現または照合するために使用される文字列のことです。それらの文字列を標準の検索クエリの場合と同じように入力して、フィルタの検索クエリとして使用することができます。

グループ チャットは、Microsoft .NET Framework の正規表現をサポートしています。正規表現の構文と動作の例を次の表に示します。.NET Framework の正規表現の詳細については、MSDN の「正規表現言語要素」を参照してください。

複数のチャット ルームへのメッセージのブロードキャスト

メッセージを複数のチャット ルームと連絡先に、簡単かつ直感的な方法で同時に送信できるようになりました。リバース フィルタを使用する、以前の方法はサポートされなくなりました。

フェデレーションとパブリック IM 接続

外部の団体や会社に属しているユーザーがグループ チャットにログオンしてセッションに参加したり、PIC ライセンスを持つユーザーが外部のパブリック IM プロバイダ (Yahoo!、MSN、AOL など) の IM を使用して通信したりすることができます。 すべてのチャット ルームと連絡先が、フェデレーション ドメインのものも含めて [マイ チャット] パネルに一緒に表示され、任意の組み合わせでグループ化できます。以前は、フェデレーション ドメインのチャット ルームや連絡先は常にツリー ビューの専用のブランチに分けられていました。

グループ チャットではサポートされていない機能

以下の機能は、グループ チャットではサポートされていません。

  • Structured Input Output Panel: SIOP (Structured Input Output Panel) は、クライアント内で参加者から情報を収集できる埋め込みのフォームです。現在、グループ チャットは SIOP をサポートしていません。
  • ユーザー カラー: 表示オプションを設定して、自分のチャットの内容が他の参加者にどのように表示されるかを定義することはできません。したがって、参加者が、自分に関連付けられているチャットの内容の表示に使用される背景色や前景色を定義することはできません。参加者が独自のユーザー カラーを構成したり、Active Directory グループに基づいてユーザー カラーを構成したりする機能を、管理者が有効にしたり無効にしたりすることもできません。
  • Web クライアントとモバイル クライアント: 現在、グループ チャットでは、ネイティブ クライアントと同じ豊富な機能を備えた Web クライアントはサポートされていません。IM とグループ チャットの機能を持つモバイル クライアントもサポートされていません。
  • 臨時のチャット ルーム: グループ チャットでは、最後のメンバがチャット ルームを出ると削除される一時的な臨時のチャット ルームはサポートされていません。
  • マルチパーティ インスタント メッセージング: グループ チャットでサポートされているのは 2 者間の IM のみです。
  • 外部のユーザーやチャット ルームの識別: グループ チャットでは、フェデレーションおよびパブリック IM サービスの参加者や外部ソースのチャット ルームを、内部の参加者やチャット ルームと視覚的に区別することはできません。ただし、フェデレーション チャット ルームに入ると、チャット ルームの名前の横に小さな地球のアイコンが表示されます。
  • 電子メール ブリッジ: 電子メール メッセージを使用してチャット データを直接チャット ルームに投稿したり、チャット ルームで生成されたチャット データを直接電子メールでユーザーに送信したりすることはできません。
  • ブランドのカスタマイズ: 現在、グループ チャットの特定の顧客に関連付けられているブランドを反映してグループ チャットの外観や動作を変更することはできません。
  • ストーリー サイズの制限: グループ チャットのストーリーにはサイズの制限があります。ストーリー サイズの上限は 128 KB です。
  • ドメインごとにカスタマイズ可能な Web ページ: グループ チャットでは、[マイ チャット] パネルでトップ レベルのノードやドメイン レベルのノードが選択されたときに Web ページを表示することはできません。通常、そのような Web ページは、参加者を会社の内部サイトに誘導するために使用されます。
  • チャット画面のクリア: グループ チャットの参加者がチャット画面をクリアすることはできません。これは、チャット ルームのメッセージ領域、IM セッションにかかわらず同様であり、ローカルなクリアか完全なクリアかを問いません。

他のチャット ルームへのリンクをメッセージに追加する方法

チャット ルームのメッセージにチャット ルームへのリンクを挿入するには、そのチャット ルームをメッセージ入力領域にドラッグする必要があります。メッセージ入力領域で「#<チャット ルーム名>」と入力してリンクを追加することはできなくなりました。

確認ダイアログ ボックスの再表示

確認ダイアログ ボックスでは、多くの場合、[今後、このダイアログ ボックスを表示しない] オプションを選択することによって、今後そのダイアログ ボックスが表示されないようにすることができます。グループ チャットで、必要に応じて後から再び確認ダイアログ ボックスを表示できるようになりました。