境界ネットワークのトポロジ

トピックの最終更新日: 2009-01-20

Office Communications Server 2007 R2 では、次の外部ユーザーによるアクセスがサポートされています。

  • リモート ユーザー。組織のファイアウォールの外側で作業をしている組織内のユーザー。
  • フェデレーション ユーザー。フェデレーション関係を結んでいる外部の組織に属するユーザー。
  • 匿名ユーザー。組織内のユーザーに招待されて特定の電話会議に参加する外部のユーザー。
  • パブリック IM サービス ユーザー。MSN ネットワーク インターネット サービス、Yahoo!、および AOL が提供するパブリック IM サービスを使用しているユーザー。パブリック IM 接続を使用するには、別のライセンスが必要です。

リモート ユーザーは、組織のファイアウォールの外側で作業をしている場合でも、Office Communications Server の大部分の機能を利用できます。フェデレーション ユーザーは、IM およびプレゼンス データを組織内のユーザーと共有できます。また、これらの外部ユーザーは、社内会議に参加して、データ コラボレーションや、組織のファイアウォール経由で音声とビデオを中継する機能も利用できます。

外部ユーザーによるアクセスを実現するために、Office Communications Server にはエッジ サーバーの役割があります。エッジ サーバーは境界ネットワークで動作し、展開と外部ユーザーをつなぐ働きをします。

また、Office Communications Server 2007 R2 の役割ではありませんが、Microsoft Office Communicator Web Access を使用する外部ユーザーを認証するために HTTP リバース プロキシを使用することができます。これは、以下を提供する場合に必要になります。

  • アドレス帳の情報に対する外部アクセス
  • 配布グループのメンバシップ拡張機能
  • Web 会議の会議コンテンツに対するアクセス
  • リモート ユーザーに対するデバイス更新サービス

図 1 に、Office Communications Server 2007 R2 境界ネットワークで必要なサーバーと、一方の側でインターネット クライアント、もう一方の側で組織の内部サーバーとの通信に使用されるプロトコルを示します。

図 1. Office Communications Server 2007 R2 の外部構成

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Office Communications Server 2007 R2 境界ネットワークで必要なサーバーは次のとおりです。

エッジ サーバー

Office Communications Server 2007 R2 では、各エッジ サーバーで 3 つのサービスが実行されます。それらのサービスは、アクセス エッジ サービス、Web 会議エッジ サービス、および音声ビデオ エッジ サービスです。

アクセス エッジ サービス

アクセス エッジ サービスは、企業のファイアウォールを通過するすべての SIP トラフィックを処理します。アクセス エッジ サービスが処理するのは、接続の確立と検証に必要な SIP トラフィックだけです。データの転送やユーザーの認証は行いません。着信トラフィックの認証は、ディレクタまたはフロントエンド サーバーによって実行されます。ディレクタは、組織のファイアウォールの内側に配置される、ユーザーのホームではない Office Communications Server 2007 R2 Standard Edition サーバーまたはエンタープライズ プールです。ディレクタは必須ではありませんが、使用することを強くお勧めします。ディレクタを展開しない場合は、指定したプールまたは Standard Edition サーバー上のフロントエンド サーバーでこの認証が実行されます (認証を実行するには Active Directory ドメイン サービス (AD DS) にアクセスする必要があります。エッジ サーバーは AD DS 外部の境界ネットワークに展開されているので、AD DS にアクセスできません)。アクセス エッジ サービスは、電話会議、リモート ユーザー アクセス、フェデレーション、パブリック IM 接続など、外部ユーザーが関係するすべてのシナリオで不可欠です。

Web 会議エッジ サービス

Web 会議エッジ サービスは、Web 会議サーバーと外部クライアントの間の永続共有オブジェクト モデル (PSOM) トラフィックをプロキシ処理します。外部電話会議トラフィックは、Web 会議サーバーに転送される前に、Web 会議エッジ サービスによって承認される必要があります。Web 会議エッジ サービスでは、外部クライアントが TLS 接続を使用して電話会議セッション キーを取得する必要があります。

音声ビデオ エッジ サービス

音声ビデオ エッジ サービスは 1 つの信頼済み接続ポイントを提供します。これを介して、着信および発信メディア トラフィック (アプリケーション共有トラフィックなど) がネットワーク アドレス変換 (NAT) とファイアウォールを安全に通過することができます。マルチメディアのファイアウォール トラバーサルのための業界標準のソリューションは、Interactive Connectivity Establishment (ICE) です。これは、Simple Traversal Underneath NAT (STUN) および Traversal Using Relay NAT (TURN) プロトコルに基づいています。音声ビデオ エッジ サービスは TURN/STUN サーバーです。エンタープライズへのアクセスと、音声ビデオ エッジ サービスで提供されるファイアウォール トラバーサル サービスの使用を保護するために、すべてのユーザーが認証されます。外部ユーザーがエンタープライズ内にメディアを送信するには、そのユーザーの認証と、音声ビデオ エッジ サービスを介してそのユーザーと通信するための内部ユーザーの承認済みの同意が必要です。

HTTP リバース プロキシ

境界ネットワークの HTTP リバース プロキシは、外部ユーザーに対する HTTP および HTTPS トラフィックを伝達します。HTTP リバース プロキシは、Communicator Web Access を使用する外部ユーザーを認証するために使用できます。また、外部ユーザーが次のデータをダウンロードする場合に必要となります。

  • アドレス帳サーバー情報
  • Web 会議のコンテンツ
  • 拡張配布リスト
  • クライアントとデバイスの更新

リバース プロキシでは、Office Communications Server 2007 R2 は実行されません。また、SIP トラフィックも送信されません。リバース プロキシでは、Microsoft Internet Security and Acceleration (ISA) Server 2006 または他のインターネット ソフトウェアを実行できます。