カスタム キャッシュの概要

最終更新日: 2010年7月7日

適用対象: SharePoint Server 2010

Microsoft SharePoint Server 2010 キャッシュ オプションを使用してサイトのパフォーマンスを最適化できます。SharePoint Server 2010 では、ASP.NET キャッシュ オプション、および Office チームが SharePoint Server 2010 用に特別に設計したキャッシュ機能が使用されます。

キャッシュに関するトピックでは、SharePoint Server 2010 で使用可能なキャッシュ テクノロジについて説明します。また、パフォーマンスを最大化し、待機時間を短縮するために、キャッシュ オプションを構成する方法と時期についても説明します。可能な作業は以下のとおりです。

  • 出力キャッシュを使用して、ページ レベルでキャッシュをカスタマイズする。

  • オブジェクト キャッシュを使用して、Web パーツ、ナビゲーション操作、サイト マップの準備など、個々のオブジェクトのキャッシュ オプションをカスタマイズする。

  • イメージ ファイル、サウンド ファイル、およびカスタム コード (カスケード スタイル シート (.css) ファイル、ECMAScript (JavaScript、JScript) (.js) ファイルなど) の待機時間を短縮し、レンダリング時間を向上するために、サイトでディスク ベース キャッシュを使用するかどうか、どのように使用するか、およびいつ使用するかを制御する。

表 1 は、SharePoint Server 2010 で使用可能なキャッシュの種類と、それぞれの動作を示しています。

表 1. SharePoint Server 2010 のキャッシュの種類

使用するキャッシュの種類

使用する場所

備考

出力キャッシュとキャッシュ プロファイル

個々のページ レベル

VaryByCustomString を使用したキャッシュの拡張が含まれます。

オブジェクト キャッシュ

個々の Web パーツ コントロール、フィールド コントロール、およびコンテンツのレベル

クロス リスト クエリ キャッシュおよびナビゲーション キャッシュが含まれます。

バイナリ ラージ オブジェクトのディスクベースのキャッシュ

個々のバイナリ ラージ オブジェクト (BLOB) レベル。イメージ、サウンド、ビデオ、およびコードをキャッシュする

.gif, .jpg, .js, .css、およびバイナリ ラージ オブジェクトとして保存されたその他のイメージ、サウンド、およびコード ファイルがサポートされます。

以下の処理を行うことで、SharePoint Server 2010 展開のパフォーマンスを大幅に向上できます。

  • キャッシュ対応コントロールを構築する。

  • サイトの展開に適した方法でキャッシュを拡張する。

  • オブジェクト キャッシュを常に使用するナビゲーション プロバイダーを構築する。

  • クエリ別コンテンツ キャッシュを使用するコンテンツ クエリを作成する。

  • データベース ラウンドトリップを最小限にするマスター ページおよびページ レイアウトのサーバー コントロールを作成する。

開発者は、SPQuery オブジェクトを使用して実行される標準の Microsoft SharePoint Foundation クエリや、SPSiteDataQuery オブジェクトを使用して実行されるクロス サイト クエリのように、負荷が高くなる可能性がある検索操作から返されるナビゲーション ノードやコンテンツには専用キャッシュが SharePoint Server 2010 に備えられていることに留意する必要があります。

注意

SharePoint Server 2010 では、標準の ASP.NET ページと同じ方法で ASP.NET 出力キャッシュ ディレクティブを使用できませんが、同様の結果が得られる、より堅牢なフレームワークが用意されています。

関連項目

タスク

[方法] VaryByCustom イベント ハンドラーを使用してキャッシュを拡張する