Microsoft Office 2010 の Business Connectivity Services

Business Connectivity Services のリッチ クライアント拡張機能を使用して、ユーザーは以下の Microsoft Office 2010 クライアント アプリケーション (Outlook 2010、Word 2010、SharePoint Workspace 2010、Microsoft InfoPath 2010、Microsoft Access 2010) から外部システムと連携することができます。

最終更新日: 2010年7月14日

適用対象: SharePoint Server 2010

この記事の内容
SharePoint Workspace の外部データ
Outlook の外部データ
Word の外部データ
InfoPath の外部データ
Access の外部データ

Business Connectivity Services のリッチ クライアント拡張機能は、ユーザーのソリューションに使用することができる以下のユーザー インターフェイス (UI) 要素を備えています。

• 外部データ パーツ 外部コンテンツ タイプに属する単一あるいは複数のアイテムの詳細を示す Windows フォーム コントロール。

• レイアウト 1 次元あるいは 2 次元的に配列した情報をユーザーに表示する、1 つあるいは複数の外部データ パーツ。レイアウトを定義した後で、以下の場所にそれらをホストすることができます。

  • Outlook 2010 の作業ウィンドウ

  • Outlook 2010 のフォーム領域

• 操作 URL あるいはコードに基づくことができます。クリックされたとき、特定の URL に移動するか、コードを実行する、Office アプリケーションの Server リボンのボタンとして表示できます。

Office クライアントとの統合は、Microsoft Office Professional Plus 2010 でのみ使用できます。

SharePoint Workspace の外部データ

Microsoft SharePoint Workspace 2010 は以下の操作を実行する機能を提供します。

• SharePoint Server 2010 からの外部リストをオフラインにします。

• ユーザーが、オフライン リスト内のアイテムを追加、編集、および削除し、またアイテムに関連付けられた同期の状態を表示できるようにします。

• 外部リストがデフォルトのブラウザー フォームを使用する場合、InfoPath フォームを自動生成します。

• InfoPath フォームがオフラインになったとき、そのフォームに行われたカスタマイズをサーバーに保持します。

• サーバー上の外部リストのビュー スキーマ (並べ替え、グループ化、およびデータ ソース フィルター) を考慮します。

• SharePoint Workspace のエンド ユーザーによるランタイム フィルター処理、グループ化、および検索を有効にします。

• 基本的なエラーおよび競合の解決を行います。

Outlook の外部データ

クライアント上の Business Connectivity Services のリッチ クライアント拡張機能は、ホスト アプリケーションのネイティブ UI を使用して、Outlook 2010 が外部データを公開できるようにします。Outlook に統合された Business Connectivity Services を使用して作成したソリューションでは、外部システムとのシームレスな統合と、外部データを表示および編集するユーザー エクスペリエンスを備えることができます。図 1 では、Northwind サンプル データベース内の顧客が、Outlook 内で、ネイティブの連絡先アイテムとまったく同じように表示される様子を示します。

図 1. ネイティブの連絡先アイテムとして表示される Northwind データベースの顧客

外部コンテンツ タイプは Outlook ユーザー インターフェイスに深く統合することができます。Outlook リボンをカスタマイズし、カスタム ビューとフォームを作成し、作業ウィンドウと Outlook フォーム内部にレイアウトをホストすることができます。外部データは Outlook でオフラインでも使用可能で、外部システムへの接続が利用可能になったとき、同期されるキャッシュ済みのアイテムに対して読み取り/書き込みの操作を実行することができます。簡単な作業により、連絡先の名前と住所など、ネイティブの Outlook アイテムのプロパティに、外部コンテンツ タイプのフィールドを割り当てることができます。以下の図では、Northwind サンプル データベース内の顧客が、Outlook 内で、ネイティブの連絡先アイテムとまったく同じように表示される様子を示します。連絡先の名前、電話番号、および住所が連絡先ビューにどのように自動的に表示されるのかに注目してください。外部コンテンツ タイプのフィールドがネイティブの Outlook アイテムのプロパティにマッピングされない場合、Business Connectivity Services は隣接または個別のフォームでその他の外部データを表示します。図 2 は、顧客の詳細が、外部アイテムのための、Outlook インスペクター内の個別のフォームに表示される様子を示します。

図 2. 個別のフォームに表示された顧客の詳細

Business Connectivity Services はまた、Outlook で宣言型の拡張性をサポートします。これは、作業ウィンドウ、外部データ パーツ、アクションで、ソリューションをカスタマイズできるということです。

Word の外部データ

Microsoft Office Word 2007 では、SharePoint ドキュメント ライブラリからの、文書内に埋め込まれた外部データは、文書上部のプロパティ パネルでのみ見ることができました。Word 2010 では、Business Connectivity Services により、文書に対してシームレスなユーザー エクスペリエンスが得られるように、コンテンツ コントロールとして、文書の本文で外部データを表示することができます。Business Connectivity Services は、外部データ列機能を使用して、SharePoint ドキュメント ライブラリ内の任意の外部データ列を Word 2010 でのコンテンツ コントロールとして使用可能にします。コンテンツ コントロールはまた、選択および解決機能を提供します。コンテンツ コントロールで表示される外部データは、文書では読み取り専用です。しかし、Business Connectivity Services は、外部データ列を含む SharePoint ドキュメント ライブラリにワークフローをバインドすることをサポートします。図 3 は、Word がコンテンツ コントロールとして外部データ列を表示する方法を示します。

図 3. コンテンツ コントロールとしての外部データ列

InfoPath の外部データ

Business Connectivity Services は、InfoPath をフォーム テクノロジとして使用して、クライアントとサーバー間のリッチなフォーム カスタマイズと対称を実現します。自動生成された外部リストの SharePoint ブラウザー フォームを、より強力な InfoPath フォームに変更することができます。SharePoint Workspace では、外部リストが既定のブラウザー フォームを使用した場合、InfoPath フォームが自動生成されます。

SharePoint Designer 2010 を使用して、外部データ選択を通常の InfoPath フォームにドラッグし、既存のInfoPath フォームに 2 次的なデータ アダプターを追加し、ユーザーが InfoPath フォームから外部データを読み取り、書き込みができるようにデータ ソースとして外部リストを選択することができます。

Access の外部データ

読み取り専用のテーブルを作成するために、Access 2010 に Business Data Connectivity (BDC) service モデルをインポートすることができます。