PerformancePoint Services アーキテクチャ

最終更新日: 2011年6月4日

適用対象: SharePoint Server 2010

この記事の内容
クライアント層
フロントエンド Web サーバー
アプリケーション サーバー

適用先: PerformancePoint Services for SharePoint Server (Enterprise バージョン)
Microsoft SharePoint Server 2010 の PerformancePoint Services は、SharePoint Server 2010 のサービスです。その多層アーキテクチャには、クライアント層の各種コンポーネント、フロントエンド Web サーバー、バックエンド アプリケーション サーバーが含まれます。次の図は、PerformancePoint Services アーキテクチャの概略図です。

図 1. PerformancePoint Services アーキテクチャ

クライアント層

クライアント層には、ブラウザーと PerformancePoint ダッシュボード デザイナーが含まれます。

ブラウザー

ブラウザーでは、SharePoint Server 2010 ページにダッシュボードが表示されます。ダッシュボードには、対話型スコアカード、レポート、およびフィルター オブジェクトが含まれます。ブラウザー内のオブジェクトは、ASP.NET の AJAX 機能要求を送信し、JavaScript Object Notation (JSON) 形式の応答を受信して、PPSRenderingService Web サービスと通信します。

PerformancePoint ダッシュボード デザイナー

ダッシュボード デザイナーでは、ダッシュボード コンテンツを作成および管理するための機能豊富な作成環境が提供されます。ダッシュボード デザイナーは、ClickOnce (Web ベースの展開テクノロジ) によってクライアント コンピューターにインストールされます。ダッシュボード デザイナーは、SOAP 要求を送信し、XML 応答を受信して、PPSAuthoringService Web サービスと通信します。また、ユーザーは、SharePoint Server 2010 で、ダッシュボードへの Web パーツの追加など、簡単な設計タスクを編集モードで実行することもできます。

フロントエンド Web サーバー

フロントエンド Web サーバーは、インターネット インフォメーション サービス (IIS) で動作します。これは、軽量のカスタム エディター、PerformancePoint Web パーツ、Web サービス、およびアプリケーション サービス プロキシをホストします。

カスタム エディター

カスタム エディターを使用すると、ユーザーはカスタム PerformancePoint Services オブジェクトを変更できます。このオブジェクトは、そのプロパティのカスタム値を定義するネイティブの ReportView、Filter、または DataSource オブジェクトです。カスタム エディターは、サーバー側の SharePoint アプリケーション インスタンス内で動作し、また、PerformancePoint Services オブジェクト モデル内のオブジェクト (サービス アプリケーション プロキシと SPDataStore オブジェクト) を呼び出します。カスタム エディターの詳細については、「カスタム PerformancePoint Services オブジェクトのエディター」または「コード サンプル: カスタム レポート、フィルター、および表形式データ ソース オブジェクト」を参照してください。

Web パーツ

スコアカード、レポート、およびフィルター オブジェクトは、ダッシュボード ページ上の Web パーツに表示されます。PerformancePoint Web パーツは、Microsoft SharePoint Foundation 2010 接続インターフェイスを実装します。このインターフェイスによって、互換性のある接続インターフェイスを使用する他の Web パーツと値の送受信ができます。ダッシュボード ページ上の任意の 2 つの Web パーツ間で定義できる接続は 1 つのみです。ただし、接続内で複数のエンドポイントを接続できます。また、接続経由で、複数のパラメーター値を送信できます。

Web サービス

PerformancePoint Services は、サイト コレクション レベルで 2 つの Web サービスを使用して、作成タスクとレンダリング タスクを実行します。

• PPSAuthoringService Web サービスは、ダッシュボード デザイナーがダッシュボード オブジェクトを作成、変更、および削除したり、ダッシュボード コンテンツを取得したり、データ ソースからデータを取得したりするために使用します。

• PPSRenderingService Web サービスは、ダッシュボード デザイナーおよびブラウザーがダッシュボード オブジェクトをレンダリングするために使用します。

Web サービスは、BIMonitoringServiceApplicationProxy サービス アプリケーション プロキシを呼び出して、アプリケーション サーバーからの要求を作成します。

サービス アプリケーション プロキシ

BIMonitoringServiceApplicationProxy は、PerformancePoint Services API をコンシューマーに公開しています。また、フロントエンド Web サーバーとアプリケーション サーバー間の通信チャネルを提供します。

フロントエンド Web パーツと Web サービスは、サービス アプリケーション プロキシを呼び出して、ダッシュボード コンテンツのレンダリングとデータ ソース クエリの実行を行います。その後、サービス アプリケーション プロキシは、この要求を PerformancePoint Services サービス アプリケーションに転送します。プロキシは、アプリケーション サーバーでロード バランサーと対話し、結果を提供するファームの一部を識別することで、ホストされるドメインと Web アプリケーションとの分離を維持します。

サービス アプリケーション プロキシは、Windows Communication Foundation (WCF) サービス インターフェイスを使用してサービス アプリケーションと通信します。WCF インターフェイスのサービス指向のアーキテクチャでは、向上したパフォーマンス、セキュリティ、および拡張性が提供されます。

アプリケーション サーバー

BIMonitoringServiceApplication サービス アプリケーションは、PerformancePoint Services インスタンスの中間層のビジネス ロジックを提供し、PerformancePoint Services 機能の複雑な処理を実行します。このサービス アプリケーションは、注釈、一時オブジェクト、パラメーターの永続性 (ユーザーのフィルター選択) をデータベース インスタンスに保管します。

関連項目

概念

PerformancePoint Services での開発シナリオ