PerformancePoint Services のトラブルシューティングとよく寄せられる質問

最終更新日: 2011年6月7日

適用対象: SharePoint Server 2010

適用先: PerformancePoint Services for SharePoint Server (Enterprise バージョン)
このトピックには、よく寄せられる質問 (FAQ) と、Microsoft SharePoint Server 2010 の PerformancePoint Services のカスタム アプリケーションを設計する場合や、トラブルーシューティングする場合に役立つ情報が含まれています。

FAQ

トラブルシューティングのヒント

FAQ

以下の表は、PerformancePoint Services 開発に適用される FAQ です。

表 1. PerformancePoint サービス開発の FAQ

質問

回答

PerformancePoint Services のサンプルは、どこからダウンロードできますか。

サンプルは、MSDN Code Gallery: PerformancePoint Services SDK Reference Sample (英語) からダウンロードできる Microsoft Visual Studio プロジェクトです。

PerformancePoint Services アセンブリはどこにインストールされますか。

PerformancePoint Services アセンブリは、グローバル アセンブリ キャッシュにのみインストールされます。このアセンブリをコンピューターの別の場所にコピーする方法については、「開発シナリオで使用される PerformancePoint Services DLL」を参照してください。

PerformancePoint Services 開発に必要なアクセス許可は何ですか。

PerformancePoint Services 拡張機能を開発するには、ユーザー アカウントに、PerformancePoint Services リポジトリに対する読み取りおよび書き込みアクセス許可が必要です。さらにユーザー アカウントは、テストのためにダッシュボードを発行できる必要があります。これらのアクセス許可は、サーバーの全体管理サイトで定義されます。

PerformancePoint Services アセンブリを操作するときは、インストールされたアセンブリをコピーし、アセンブリをグローバル アセンブリ キャッシュに追加するための管理権限がアプリケーション サーバーに設定されている必要があります。さらに、アプリケーション サーバーの PerformancePoint Services web.config ファイルを編集したり、ファイルを (拡張子の展開に応じて) アプリケーション サーバーまたはフロントエンド Web サーバーのフォルダーにコピーしたりする書き込みアクセス許可が必要です。

PerformancePoint Services は、バックエンド データベースとの通信に無人サービス アカウントを使用します。無人サービス アカウントは、データ ソースの権限借用のための既定のアカウントでもあります。ただしこの設定は、サーバーの全体管理サイトから変更できます。またユーザー単位の資格情報を使用してデータ ソースに接続することも指定できます。

詳細については、Microsoft TechNet の「PerformancePoint Services 用に無人サービス アカウントを構成する」と「PerformancePoint Services における承認と権限 (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

PerformancePoint Services リポジトリはどこにありますか。

ファースト クラス オブジェクト (FCO) は、SharePoint のドキュメント ライブラリとリストで構成される PerformancePoint Services リポジトリに、コンテンツ タイプとして格納されます。データ ソースはドキュメント ライブラリに格納され、他のすべての FCO (ダッシュボード、スコアカード、レポート、フィルター、KPI、インジケーター) はリストに格納されます。既定のリポジトリは、PerformancePoint データ接続ライブラリと PerformancePoint コンテンツ リストから構成されます。SharePoint API を使用して FCO 定義にアクセスできますが、FCO 定義を修正する場合は PerformancePoint Services API のみを使用する必要があります。

注意

リポジトリに格納されるダッシュボード FCO は、ダッシュボード ページの定義を表します。発行されるダッシュボードは、別のダッシュボード ドキュメント ライブラリに格納されます。

PerformancePoint Services はイベントをどこに記録しますか。

PerformancePoint Services は、大部分のエラーのエントリを、PerformancePoint Services が実行されているアプリケーション サーバーに記録します。単一のファーム構成では、フロントエンド Web サーバーも記録先になります。

どのようなカスタム データ ソースを作成できますか。

サポートされているのは、カスタムの表形式データ ソースのみです。

注意

標準の表形式データ ソースに対するサイズ制限の推奨事項は、カスタムの表形式データ ソースにも適用されます。最高のパフォーマンス結果を得るには、表形式データ ソースに含まれるデータを 20,000 行 × 10 列以内にすることをお勧めします。

フィルターで、カスタム Web サーバー コントロールを使用できますか。

カスタム フィルターでカスタム コントロールまたはサードパーティのコントロールを使用できますが、ネイティブの PerformancePoint Services フィルターではカスタム コントロールは使用できません。カスタム フィルター コントロールでは、ParameterizableControl 基本クラスまたは ParameterSelectionControl 基本クラスのどちらかを使用できます。ParameterSelectionControl を使用することをお勧めします。これは、このクラスが ParameterizableControl から派生し、選択コントロールを実装するためのフレームワークも備えているためです。カスタム コントロールを作成する手順は、このドキュメントの範囲外です。しかしプロセスは、レポート レンダラーの作成と同様です。

フィルターの種類用の既定のコントロールは、PerformancePoint Services web.config ファイルの RendererClass 属性で指定されますが、この値は Filter.RendererClassName プロパティで上書きできます。web.config ファイルでレンダラー クラスを指定する方法については、「[方法] PerformancePoint Services の拡張機能を手動で登録する」を参照してください。

カスタム フィルターの既定の選択を定義するには、どのようにすればよいですか。

フィルター コントロールで利用できるデータはデータ テーブルから取得されます。テーブルには、既定の選択を示すために使用できる IsDefault 列が含まれています。

PerformancePoint Services 拡張機能をパッケージ化し、ソリューションとして展開できますか。

PerformancePoint Services 拡張機能のコンポーネントは、パッケージ化してソリューションとしてファーム全体に展開できます。ただし、ファーム内の PerformancePoint Services のインスタンスごとに、手動で、またはスクリプトかカスタム タイマー ジョブを使用して、拡張機能を PerformancePoint Services web.config ファイルに登録する必要があります。PerformancePoint Services 拡張機能を手動で登録する方法については、「[方法] PerformancePoint Services の拡張機能を手動で登録する」を参照してください。

PerformancePoint Monitoring Server 用に作成したカスタム拡張機能を移行できますか。

Microsoft SharePoint Server 2010 の PerformancePoint Services での大幅な構造上の変更の結果、カスタムの PerformancePoint Monitoring Server 拡張機能を PerformancePoint Services に移行することはサポートされていません。コードをどれだけ再利用できるかは、拡張機能によって異なります。たとえばデータ ソース拡張機能のウィザード コンポーネントは再利用できません。これは、ダッシュボード デザイナーを PerformancePoint Services で拡張できないためです。しかしデータ ソース プロバイダーの一部のコードは再利用できる可能性があります。拡張機能の移行に関する質問を SharePoint 2010 Forums (英語) または Microsoft PerformancePoint Services Official Product Team Blog (英語) に投稿できます。

PerformancePoint Web サービスを使用して、ダッシュボード コンテンツをリモートで作成またはレンダリングできますか。

PerformancePoint Web サービスの使用は正式にサポートされているシナリオではなく、このドキュメントの範囲外です。サポートされている拡張機能は、PerformancePoint Services アプリケーション インスタンス内のサーバーで実行され、PerformancePoint Services API を使用して、作成とレンダリングのタスクを実行します。BIMonitoringServiceApplicationProxy オブジェクトと SPDataStore オブジェクトから構成されるこの API では、SharePoint リストのセキュリティを使用し、組み込みのキャッシュなどの機能を提供します。詳細については、「カスタム PerformancePoint Services オブジェクトのエディター」の「リポジトリ オブジェクトの操作」セクションを参照してください。

注意

クライアント アプリケーションが PerformancePoint Services にアクセスできるようにするために、サーバー上で実行されるカスタム Web サービスを作成できます。Web サービスはクライアント アプリケーションからの呼び出しを受け取り、PerformancePoint Services API を呼び出すことができます。

ダッシュボードの外観はどのようにカスタマイズできますか。

ダッシュボード デザイナー ユーザー インターフェイスのカスタマイズ機能を使用する以外に、以下のメソッドの 1 つを使用してダッシュボードの外観をカスタマイズできます。

  • カスタムの SharePoint Foundation サイト テンプレートかマスター ページを作成します。

  • カスケード スタイル シート (CSS) ファイルを変更します。アプリケーション サーバー上の PerformancePoint Services CSS ファイルに対する既定のパスは、%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\14\TEMPLATE\LAYOUTS\PPSWebParts です。

  • カスタムのスコアカード変換を作成します。

PerformancePoint ダッシュボード デザイナーのカスタム オブジェクトに行った変更を確認できないのはなぜですか。

最後に行った変更を確認するには、ダッシュボード デザイナー セッションを更新する必要があります。セッションを更新するには、Home タブ上の [更新] をクリックするか、F5 キーを押します。

フィルター Web パーツのサイズをカスタマイズできますか。

レポートまたはスコアカード Web パーツのサイズは (プログラムまたは UI 経由で) 管理できますが、フィルター Web パーツは自動的にサイズ指定され変更できません。

バックエンド データベースをクエリして、Create、Read、Update、および Delete (CRUD) タスクを直接実行できますか。

SharePoint ドキュメント ライブラリおよびリストのすべてのコンテンツのように、PerformancePoint Services コンテンツは Microsoft SQL Server データベースに格納されます。しかし、データベースを直接クエリすることは推奨またはサポートされていません。代わりに PerformancePoint Services API を使用してください。詳細については、「カスタム PerformancePoint Services オブジェクトのエディター」の「リポジトリ オブジェクトの操作」セクションを参照してください。

Microsoft SharePoint Foundation の Lists Web サービスを使用して CRUD タスクを実行できますか。

PerformancePoint Services リポジトリに対する CRUD 操作は、PerformancePoint Services API 経由でのみ実行する必要があります。詳細については、「カスタム PerformancePoint Services オブジェクトのエディター」の「リポジトリ オブジェクトの操作」セクションを参照してください。

トラブルシューティングのヒント

カスタム拡張機能の問題をトラブルシューティングするときは、以下の情報が役立ちます。

カスタム オブジェクトの SubTypeId プロパティの定義

カスタムのレポート、フィルター、またはデータ ソース オブジェクトを作成するときは、SubTypeId プロパティに一意の値を定義する必要があります。カスタム レポートでは、ReportViewNames クラスで定義されている名前を使用できません。またカスタム データ ソースでは、DataSourceNames クラスに定義されている名前を使用できません。さらに、値は長さが 1 から 60 までの文字列で作成する必要があります。また、値にアポストロフィ (')、二重引用符 (")、またはバックスラッシュ (\) を含めることはできません。

カスタム エディターがサーバー エラーを返します

カスタム エディターを開くリダイレクト機能では、SharePoint Server 2010 構成に上位レベル (ルート) のサイト コレクションが含まれている必要があります。構成にルートのサイト コレクションが含まれていない場合は、カスタム オブジェクトを編集しようとするときに " '/' アプリケーションでのサーバー エラー。SharePoint サービス コンテキストが不明です" というサーバー エラーが発生します。この問題を解決するには、ルート サイトを作成し拡張機能を再度展開してください。

発行済のカスタム フィルターがエラーを返します

ダッシュボード デザイナーでカスタム フィルターのインスタンスを作成するときは、フィルターの BeginPoints プロパティは定義されません。したがってカスタム フィルター エディターでフィルターの BeginPoints を定義し、フィルターを初期化する必要があります。そうしなければ、カスタム フィルターを含むダッシュボードを発行した後に、"インデックスが範囲を超えています。負でない値で、コレクションのサイズよりも小さくなければなりません。パラメーター名: インデックス" というエラーが発生します。開始ポイントの定義とフィルターの初期化に関する詳細は、「[方法] PerformancePoint Services フィルターのエディターを作成する」を参照してください。

カスタム スコアカード変換による変更が表示されません

PreRender 変換を使用していて、予想した変更がスコアカード ビューにレンダリングされない場合は、ビューは HTML キャッシュからレンダリングしている可能性があります。それが事実かどうかをテストするには、ビューでソートまたはフィルターを実行します。変換による変更が表示されたら、問題はキャッシュにあります。詳細については、「PerformancePoint Services スコアカード変換の概要」の「使用する変換の種類の決定」セクションを参照してください。問題がキャッシュではなく、また変換が形式の設定を上書きしようとしている場合は、「PerformancePoint Services のスコアカードの書式設定」で説明されているように、変換が適切なオブジェクトに適切なプロパティを設定しているかどうかを確認します。

デバッグのヒント

カスタム ソリューションをデバッグしているときは、以下のヒントを参照してください。

  • PerformancePoint Services は、大部分のエラーのエントリを PerformancePoint Services が実行されているアプリケーション サーバーのアプリケーション イベント ログに記録します。イベントのソースは、PerformancePoint Service です。

  • サーバーをデバッグしようとしているときは、PerformancePoint Services を実行している w3wp プロセスに接続していることを確認します。コマンド ウィンドウで iisapp コマンドを使用して、アクティブなプロセスで動作しているアプリケーションを確認できます。クライアントが開始されると、フロントエンド Web サーバーのプロセスとは異なる w3wp.exe プロセスで動作するサービス アプリケーション インスタンスが開始されます。

関連項目

概念

PerformancePoint Services の基礎知識

その他の技術情報

PerformancePoint Services の基礎知識

PerformancePoint Services に関するトピック集

Microsoft PerformancePoint Services Official Product Team Blog (英語)

SharePoint 2010 Forums (英語)