チュートリアル: InfoPath フォーム Web パーツにより抵当計算ツールを作成する

最終更新日: 2010年4月5日

適用対象: SharePoint Server 2010

この記事の内容
Excel Services に Loan Amortization ブックを発行する
フォームのデザインと発行
Web パーツ ページの作成と Web パーツの設定
Web パーツの接続
抵当計算ツールのテスト

このシンプルな抵当計算ツールは、データを入力および確認するための InfoPath フォーム Web パーツでホストされる、ブラウザー対応の InfoPath フォームと、複雑な計算を実行するために、Excel Web Access Web パーツでホストされる Excel ブックを使用するアプリケーションの優れた例です。Web パーツを接続することにより、ユーザーがフォームで入力したデータを、Excel ブックに送ることができます。

このチュートリアルは、大きく分けて以下の手順から構成されます。

  • Microsoft Excel 2010 から、Excel Services を使用している Microsoft SharePoint Server 2010 上のサイト内のドキュメント ライブラリに対して、Loan Amortization サンプル テンプレートを発行します。

  • SharePoint Server 2010 上のサイト内のドキュメント ライブラリに対して、Microsoft InfoPath 2010 でブラウザー対応のフォームを設計および発行します。

  • Web パーツ ページを作成して、そのページに InfoPath フォーム Web パーツExcel Web Access Web パーツを追加し、次に 2 つの Web パーツ間の接続を定義します。

  • 抵当計算ツール ページをテストします。

InfoPath および Excel Web パーツを含む Web パーツ ページ上の抵当計算ツールを作成するには、以下の手順に従います。

Excel Services に Loan Amortization ブックを発行する

計算を実行するブックを作成するには、Excel Services を使用している SharePoint Server 2010 上のドキュメント ライブラリに Loan Amortization サンプル テンプレートに基づくブックを発行します。ブックが Excel Web Access Web パーツとともに適切に機能するようにするには、発行する前に、ブックから保護とデータの入力規則を削除する必要があります。InfoPath フォーム Web パーツからブックにデータを送るには、受け取るデータのパラメーターとしてどのセルを使用するか設定します。

Excel Services に Loan Amortization ブックを発行するには

  1. Excel 2010 を開いて、[ファイル] タブをクリックします。

  2. [新規作成]、[サンプル テンプレート] の順にクリックして、次に [ローン計画書] をダブルクリックします。

  3. [校閲] タブで、[シート保護の解除] をクリックします。

  4. [ホーム] タブで、[検索と選択]、[条件を選択してジャンプ] の順にクリックします。

  5. [データの入力規則]、[すべて] の順にクリックして、次に [OK] をクリックします。これにより、ブック内のデータの入力規則を含むすべてのセルが選択されます。

  6. [データ] タブで、[データの入力規則] をクリックします。

  7. "選択範囲には複数の入力規則が設定されています。現在の設定を消去し、続けますか?" と表示されたら、[OK] をクリックします。

  8. [データの入力規則] ダイアログ ボックスで、[すべてクリア] をクリックして、次に [OK] をクリックします。

  9. [ファイル] メニューから、[共有]、[SharePoint に保存] の順にクリックし、次に [場所の参照] ボタンをクリックします。

  10. 抵当計算ツール Web パーツ ページを作成する SharePoint Server 2010 サイトで、ドキュメント ライブラリの URL を入力します。

  11. [ブラウザー上の Excel で開く] チェック ボックスが選択されていることを確認して、次に [発行オプション] ボタンをクリックします。

  12. [パラメーター] タブで、[追加] をクリックして、[パラメーターの追加] ダイアログ ボックスで名前付き範囲 Interest_Rate、Loan_Amount、Loan_Start、Loan_Years、および Num_Pmt_Per_Year を選択します。

  13. [OK] を 2 回クリックして、ブックの名前を入力し、次に [保存] をクリックして、Excel Services の SharePoint ドキュメント ライブラリにブックを発行します。

次のセクションでは、データを InfoPath フォーム Web パーツから送るために使用するブラウザー対応のフォームを作成して発行します。

フォームのデザインと発行

Loan Amortization ブックに送るデータを入力するためのブラウザー対応のフォームを作成するには、次の手順で示すように InfoPath 2010 を使用してフォームを作成し、次に SharePoint Server 2010 上のサイト内のドキュメント ライブラリにそれを発行します。

フォームをデザインして発行するには

  1. InfoPath 2010 を開いて、[新規作成] タブ上の [フォーム テンプレート (基本)] で [空白のフォーム] フォーム テンプレートをダブルクリックします。

  2. [フィールド] 作業ウィンドウで、[myFields] を右クリックして、[追加] をクリックし、「InterestRate」と入力して、次に [OK] をクリックします。この手順を繰り返して、以下の 4 フィールド、LoanAmount、LoanStart、LoanYears、および NumPmtPerYear を追加します。

  3. [フィールド] 作業ウィンドウから 5 つのフィールドをドラッグして、フォームにそれらをテキスト ボックス コントロールとして追加します。

  4. フォームに [ボタン] コントロールを追加し、リボンの [プロパティ] タブ上で、ボタンの Label を Send Data に変更します。

  5. [プロパティ] タブ上の、[動作規則] をクリックします。

  6. [動作規則] 作業ウィンドウで、[新規作成] をクリックして、次に [アクション] をクリックします。

  7. [追加] をクリックして、[Web パーツにデータを送信する] をクリックし、次に [プロパティの共有] をクリックします。

  8. [SharePoint Web パーツの接続パラメーターとして使用可能なフィールド] というテキストの下にあるリストの横の [追加] をクリックします。

  9. 5 つのフィールドの 1 つを選択して、[パラメーターの種類] を [出力] に設定し、次に [OK] をクリックします。残りのフィールドのそれぞれでこの手順を繰り返し、次に [OK] をクリックして [フォームのオプション] ダイアログ ボックスを閉じます。

  10. [OK] をクリックして、[動作規則の詳細] ダイアログ ボックスを閉じます。

  11. [ファイル] タブをクリックして、[発行] をクリックし、次に [SharePoint Server] をクリックします。

  12. フォームに「LoanForm」と名前を付けて、次に [保存] をクリックします。

  13. 発行ウィザードの手順に従って、Loan Amortization ブックを発行したのと同じ SharePoint Server 2010 サイト上のフォーム ライブラリでフォーム テンプレートを発行します。

次のセクションでは、Web パーツ ページを作成して、そのページに InfoPath フォーム Web パーツExcel Web Access Web パーツを追加します。

Web パーツ ページの作成と Web パーツの設定

以下の手順では、InfoPath フォーム Web パーツExcel Web Access Web パーツを含む Web パーツ ページを作成する方法と、前の手順で発行した Loan Amortization ブックとフォームを表示するように Web パーツを設定する方法について説明します。

Web パーツ ページを作成するには

  1. Loan Amortization ブックと InfoPath ブラウザー対応フォームを発行した SharePoint Server 2010 サイトを開きます。

  2. [サイトの操作] をクリックし、[その他のオプション] をクリックします。

  3. [フィルター条件] で、[ページ]、[Web パーツ ページ] の順にクリックして、次に [作成] をクリックします。

  4. ページに「MortgageCalculator」という名前を付けて、使用する [レイアウト テンプレート] を選択し、Web パーツ ページを保存する [ドキュメント ライブラリ] を指定して、[作成] をクリックします。新しいページがブラウザーで開きます。

  5. InfoPath フォーム Web パーツを挿入するページの領域で [Web パーツの追加] をクリックします。

  6. [カテゴリ] リストで、[フォーム] をクリックします。

  7. [Web パーツ] リストで、[InfoPath フォーム Web パーツ] をクリックし、[追加] をクリックします。

  8. Web パーツでリンクをクリックして、ツール ウィンドウを開きます。

  9. ツール ウィンドウの [リストまたはライブラリ] ドロップダウン リストで、フォームを発行した場所のフォーム ライブラリを選択し、ツール ウィンドウの下部にある [OK] をクリックします。

  10. Excel Web Access Web パーツを挿入するページの領域で [Web パーツの追加] をクリックします。

  11. [カテゴリ] ボックスの一覧で、[ビジネス データ] をクリックします。

  12. [Web パーツ] ボックスの一覧で、[Excel Web Access] をクリックし、[追加] をクリックします。

  13. Web パーツでリンクをクリックして、ツール ウィンドウを開きます。

  14. ツール ウィンドウの [ブック] ボックスに、Excel Services に発行した Loan Amortization ブックの URL を入力します。あるいは [ブック] ボックスの横のボタンをクリックして、[メディアの選択] ダイアログ ボックスで Loan Amortization ブックを表示し、次に [OK] をクリックします。

  15. [ナビゲーションと対話機能] の、[[パラメーター] 作業ウィンドウの表示] チェック ボックスをオフにして、ツール ウィンドウの下部の [OK] をクリックします。

Web パーツの接続

以下の手順では、Web パーツ間の接続パラメーターを指定する方法について説明します。ブラウザーで Web パーツ ページを編集して [接続] コマンドを使用するか、SharePoint Designer 2010 でページを編集して [接続の追加] コマンドを使用することができます。

ブラウザーでページを編集して Web パーツを接続するには

  1. Web パーツ ページがブラウザーで編集できるように開いていない場合は、リボンの [ページ] タブの [ページの編集] をクリックします。

  2. InfoPath フォーム Web パーツの右上隅のドロップダウン矢印をクリックして、[接続]、[データの送信先] の順にクリックし、次に [Excel Web Access] をクリックします。

  3. [接続の構成] ダイアログ ボックスの、[プロバイダーフィールド名前] ボックスで Interest Rate を選択し、[コンシューマーフィールド名前] ボックスで Interest_Rate を選択して、次に [完了] をクリックします。

  4. 残りの 4 つの接続パラメーター (Loan Amount、Loan Start、Loan Years、および Num Pmt Per Year) のために手順 2. と 3. を繰り返し、それぞれの指定をした後で、[完了] をクリックします。

  5. [ページ] タブの [編集の終了] をクリックしてページを保存します。

SharePoint Designer でページを編集して Web パーツを接続するには

  1. ブラウザーで Web パーツ ページを開いて、[ページ] タブの [ページの編集] ボタンの下のドロップダウン矢印をクリックして、次に [SharePoint Designer で編集] をクリックします。

  2. InfoPath フォーム Web パーツを右クリックして、次に [接続の追加] をクリックします。

  3. [Web パーツ接続ウィザード] ダイアログ ボックスの最初のページで、[データの送信先] を選択して、[次へ] をクリックします。

  4. [このページの Web パーツに接続する] を選択して、[次へ] をクリックします。

  5. [ターゲット Web パーツ] ドロップダウン リストで、[Excel Web Access] を選択し、[ターゲット アクション] ドロップダウン リストで、[複数のフィルター値の取得元] を選択して、[次へ] をクリックします。

  6. InfoPath フォームの 5 つのフィールドのそれぞれを、Excel ブックの対応するセルにマップして、[次へ] をクリックします。

  7. [完了] をクリックして、次に Web パーツ ページを保存します。

抵当計算ツールのテスト

これで、抵当計算ツールのすべてのコンポーネントが Web パーツ ページに配置されたので、テストをすることができます。

抵当計算ツールをテストするには

  1. 2 つの Web パーツを含む Web パーツ ページを、ブラウザーで開きます。

  2. InfoPath フォーム Web パーツに表示されるフォームに値を入力して、次に Send Data ボタンをクリックします。

これで、InfoPath フォーム Web パーツに入力された値は、Excel Web Access Web パーツに送られ、それらの値に対してブックで計算が実行されます。