Outlook Anywhere の概要

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2007-06-12

Microsoft Exchange Server 2007 の Outlook Anywhere 機能を使用すると、Microsoft Office Outlook 2007 クライアントおよび Outlook 2003 クライアントで、Windows の RPC over HTTP ネットワーク コンポーネントを使用して、インターネット経由で Exchange サーバーに接続できます。ここでは、Outlook Anywhere の機能と、Outlook Anywhere を使用することによる利点について説明します。

Outlook Anywhere と Exchange 2007

Exchange Server 2003 では、ユーザーは Windows RPC over HTTP プロキシ コンポーネントを使用して、インターネットから Exchange の情報にアクセスすることができました。このテクノロジでは、HTTP 層でリモート プロシージャ コール (RPC) をラップしています。これによって、トラフィックは RPC ポートを開くことなく、ネットワーク ファイアウォールを通過できます。Exchange 2007 はこの機能に基づいており、この機能の展開と管理の作業が非常に容易になっています。Exchange メッセージング環境に Outlook Anywhere を展開するために必要な作業は、Outlook Anywhere を有効にするウィザードを使用して、少なくとも 1 つのクライアント アクセス サーバーを有効にすることだけです。

Outlook Anywhere を使用することによる利点

Outlook Anywhere を使用して Outlook 2003 クライアントおよび Outlook 2007 クライアントを使用して Exchange メッセージング インフラストラクチャにアクセスすることには、いくつかの利点があります。次のような利点が挙げられます。

  • インターネットから Exchange サーバーへのリモート アクセスが可能になります。
  • Microsoft Exchange ActiveSync および Outlook Web Access で使用しているものと同じ URL および名前空間を使用できます。
  • Outlook Web Access および Exchange ActiveSync で使用しているものと同じ SSL (Secure Sockets Layer) サーバー証明書を使用できます。
  • Outlook からの認証されていない要求は Exchange サーバーにアクセスできません。
  • クライアントは証明書を発行した証明機関を信頼する必要があります。
  • インターネット経由で Exchange サーバーにアクセスするために、仮想プライベート ネットワーク (VPN) を使用する必要がありません。

Outlook の要求では HTTP over SSL を使用するので、ファイアウォールでポート 443 のみを許可する必要があります。既に Outlook Web Access with SSL または Exchange ActiveSync with SSL を使用している場合は、インターネットからの追加のポートを開く必要はありません。

Outlook Anywhere の展開

組織に Outlook Anywhere を展開する作業が簡単になりました。Outlook Anywhere を正しく展開するために、次の推奨事項に従ってください。

  • サイトごとに少なくとも 1 つのクライアント アクセス サーバーを使用する   Exchange 2007 では、サイトはすべてのコンピュータの間で帯域幅の広い接続が行われるネットワーク上の場所です。メールボックス サーバーの役割がインストールされた Exchange 2007 コンピュータにクライアント アクセスを提供することを目的とした各サイトに、少なくとも 1 つのクライアント アクセス サーバーをインストールすることをお勧めします。ただし、パフォーマンスと信頼性を向上させるために、各サイトに複数のクライアント アクセス サーバーをインストールすることもできます。
  • 少なくとも 1 つのクライアント アクセス サーバーで Outlook Anywhere を有効にする   各サイトの 1 つのクライアントで Outlook Anywhere を有効にすることをお勧めします。これによって、Outlook 2007 クライアントは、ユーザーのメールボックスに最も近いクライアント アクセス サーバーに接続することができます。ユーザーは、HTTPS を使用して、メールボックスがあるメールボックス サーバーと共にサイト内にあるクライアント アクセス サーバーに接続します。これによって、インターネット経由でリモート プロシージャ コール (RPC) を使用する場合のリスクが軽減されます。インターネット経由で RPC を使用すると、パフォーマンスが低下する場合があります。

Outlook Anywhere を有効にする方法の詳細については、「Outlook Anywhere を有効にする方法」を参照してください。

Outlook Anywhere の管理

Exchange 管理コンソールまたは Exchange 管理シェルを使用して、Outlook Anywhere を管理できます。既定では、クライアント アクセス サーバーで Outlook Anywhere を有効にすると、Exchange 2007 メールボックス サーバーにメールボックスを持つすべてのユーザーが Outlook Anywhere を使用できるようになります。Outlook Anywhere を管理する方法の詳細については、「Outlook Anywhere の管理」を参照してください。

共存

Outlook Anywhere は、Exchange 2003 が使用されている環境で使用することができます。ユーザーのメールボックスが Exchange 2003 サーバー上にあり、これらのユーザーが Outlook 2007 または Outlook 2003 を使用している場合は、これらのクライアントを手動で構成する必要があります。Outlook Anywhere の共存の詳細については、「Exchange 2003 での Outlook Anywhere を構成する方法」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。