ユニファイド メッセージング言語について

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2007-02-21

言語パックをインストールして構成し、Microsoft Exchange Server 2007 ユニファイド メッセージング (UM) 環境で複数の言語をサポートできます。

Exchange 2007 UM 言語パックを使用すると、発信者と Outlook Voice Access ユーザーは複数の言語でユニファイド メッセージング システムを操作できます。また、追加の言語をユニファイド メッセージング サーバーにインストールすると、発信者と Outlook Voice Access ユーザーはその言語で電子メール メッセージを聞いたり、ユニファイド メッセージング システムを操作したりすることができます。

各 UM 言語パックには、音声合成 (TTS) エンジンと特定の言語で録音済みのプロンプトが含まれます。UM 言語パックは 16 の言語で提供され、それらすべての言語パックが Exchange 2007 DVD に含まれています。ただし、必ずしもすべての UM 言語パックに自動音声認識 (ASR) のサポートが含まれているわけではありません。

UM 言語パックに依存する複数の重要なコンポーネントがあります。これらのコンポーネントを使用して、ユーザーと発信者は複数の言語で Exchange 2007 ユニファイド メッセージングを効果的に操作できます。ここでは、UM 言語パックや UM 言語パックを使用する UM コンポーネントについて、また UM 言語パックをインストールした後、その言語パックを使用して UM ダイヤル プランと UM 自動応答を構成し、他の言語を使用する方法について説明します。

UM 言語パック

Exchange 2007 に付属の UM 言語パックには、録音済みのプロンプト、特定の言語の音声合成 (TTS) 変換サポート、場合によっては、自動音声認識 (ASR) のサポートが含まれています。一部の発信者は、特定の言語での応答を希望していたり、複数の言語で電子メールを受信しているため、多言語環境では追加の UM 言語パックをインストールしなければならない場合があります。複数の言語が使用されている電子メールをユニファイド メッセージング サーバーで読み上げる機能をサポートするには、読み上げるメッセージの本文に応じて選択する言語を TTS 変換システムに対して指定する必要があるため、複数の UM 言語パックをインストールする必要があります。ユニファイド メッセージング言語パックをインストールしていない場合、電子メール メッセージをユーザーに対して読み上げるときに、意味不明でおかしくなります。適切な言語パックをインストールすると、TTS エンジンは正しい言語を使用して電子メールや予定表アイテムを Outlook Voice Access ユーザーに対して読み上げます。また、ユニファイド メッセージングの言語固有の録音済みプロンプトもユーザーに応答します。場合によっては、ASR もサポートされます。

note注 :
TTS エンジンはテキストを音声に変換しますが、音声からテキストへの変換は行いません。UM が有効なユーザーは、音声ファイルが添付された電子メール メッセージを別のユーザーに送信できます。ただし、テキスト ベースの電子メール メッセージを作成し、別のユーザーに送信することはできません。

言語パックをインストールすると、インストール プログラムにより次の操作が実行されます。

  1. UM ダイヤル プランと自動応答の構成に使用される言語プロンプトをコピーする。
  2. Outlook Voice Access ユーザーが自分の受信トレイにアクセスしたときに TTS エンジンを使用して、メッセージを読み上げる。
  3. インストールされた言語について、音声認識が有効な UM ダイヤル プランと自動応答用に ASR を有効にする。
Caution注意 :
UM 言語パックの .msi ファイルを使用して、ユニファイド メッセージング言語パックをインストールすることはできません。追加の言語パックをインストールするには、Setup.com を使用する必要があります。

UM 言語パックを追加または削除するには、Setup.com コマンドを使用する必要があります。グラフィカル ユーザー インターフェイスや Exchange 管理シェル コマンドレットを実行して、ユニファイド メッセージング サーバーに言語パックを追加したり、削除したりすることはできません。UM 言語パックをインストールする方法の詳細については、「ユニファイド メッセージング言語をユニファイド メッセージング サーバーに追加する方法」を参照してください。UM 言語パックを削除する方法の詳細については、「ユニファイド メッセージング サーバーからユニファイド メッセージング言語パックを削除する方法」を参照してください。

note注 :
既定では、英語 (米国) 版の Exchange 2007 またはローカライズ版の Exchange 2007 のどちらかをインストールしても、英語 (米国) がインストールされます。コンピュータからユニファイド メッセージング サーバーの役割を削除しない限り、この言語を削除することはできません。

表 1 はユニファイド メッセージング言語パックの一覧です。各 UM 言語パックのファイル名と、setup.com /addUMlanguagepack または setup.com /removeUMlanguagepack コマンドを使用する場合に UM 言語を示す値も記載されています。

表 1   UM 言語パックとファイル名

UM 言語パック ファイル名

英語 (米国)

umlang-en-US.msi

en-US

ドイツ語

umlang-de-DE.msi

de-DE

フランス語

umlang-fr-FR.msi

fr-FR

日本語

umlang-ja-JP.msi

ja-JP

英語 (英国)

umlang-en-GB.msi

en-GB

韓国語

umlang-ko-KR.msi

ko-KR

スペイン語 (イベリア)

umlang-es-ES.msi

es-ES

標準中国語 (中国)

umlang-zh-CN.msi

zh-CN

標準中国語 (台湾)

umlang-zh-TW.msi

zh-TW

オランダ語

umlang-nl-NL.msi

nl-NL

イタリア語

umlang-it-IT.msi

it-IT

ポルトガル語 (ブラジル)

umlang-pt-BR.msi

pt-BR

スウェーデン語

umlang-sv-SE.msi

sv-SE

英語 (オーストラリア)

umlang-en-AU.msi

en-AU

フランス語 (カナダ)

umlang-fr-CA.msi

fr-CA

スペイン語 (ラテン アメリカ)

umlang-es-US.msi

es-US

note注 :
すべての使用可能な UM 言語パックは Exchange Server 2007 DVD に含まれています。ただし、Web から Exchange 2007 をダウンロードし、追加の UM 言語パックが必要な場合は、Exchange Server TechCenter の Exchange Server 2007 のユニファイド メッセージング言語パックに関するページ ページからダウンロードする必要があります (このサイトは英語の場合があります)。

UM 言語コンポーネントと機能

Exchange 2007 ユニファイド メッセージングには、複数の重要なコンポーネントと機能が含まれています。これらのコンポーネントや機能を使用して、ユーザーと発信者は複数言語のユニファイド メッセージング システムを操作できます。これらのコンポーネントや機能が適切に動作し、発信者が複数言語でシステムを操作できるには、UM 言語パックをユニファイド メッセージング サーバーに正しくインストールする必要があります。

録音済みのプロンプト

Exchange 2007 ユニファイド メッセージング サーバーの役割は、既定のオーディオ プロンプトのセットと一緒にインストールされます。これらのオーディオ ファイルは、Outlook Voice Access、ボイス メール案内応答、Exchange ユニファイド メッセージングで使用する番号のメニュー プロンプトで使用される録音です。ユニファイド メッセージング サーバーは、組織内部や外部から電話を掛けてきた人に対してこれらのオーディオ ファイルを再生します。多くのオーディオ ファイルは、TUI と音声ユーザー インターフェイス (VUI) を操作するときに必要な情報をテレフォニー ユーザー インターフェイス (TUI) と Outlook Voice Access のユーザーに提供する既定のプロンプトです。これらのプロンプトは、<Program Files>\Microsoft\Exchange Server\ にあります。発信者がメニューを操作しやすいようにするためにユニファイド メッセージング サーバーで使用されるプロンプトを置換または変更してはいけません。ただし、追加の UM 言語パックをインストールした場合、その言語の録音済みのプロンプトもインストールされます。UM 言語パックをインストールすると、その言語の録音済みプロンプトを UM ダイヤル プランと自動応答で使用することができます。

TTS 言語

ユニファイド メッセージングは音声合成 (TTS) エンジンに依存しています。TTS 機能は Microsoft Speech Server サービスにより提供されます。TTS エンジンは、記述されたテキストを読み取り、発信者が聞くことができる可聴出力に変換します。TTS エンジンは、ユーザーのメールボックスにある次のアイテムを読み取り、変換します。

  • 電子メールとボイス メール メッセージの本文、件名、名前
  • 予定表アイテムの本文、件名、場所、名前
  • 個人用連絡先の名前
  • ユーザーの既定のボイス メール案内応答
note注 :
ユーザーが個人用のボイス メール案内応答を録音すると、ボイス メール案内応答の TTS バージョンは使用されなくなります。

自動音声認識

TTS に加え、自動音声認識 (ASR) のサポートも Exchange 2007 ユニファイド メッセージングに含まれています。ASR 機能は Microsoft Speech Server サービスにより提供されます。ASR を使用すると、発信者は音声コマンドを使用してユニファイド メッセージング システムを操作できます。発信者は、ASR を使用してメニューを操作し、メッセージ、個人用連絡先、予定表など、各自のメールボックスのアイテムを操作できます。

現在、Exchange 2007 ユニファイド メッセージングには、英語版の Exchange 2007 のみの ASR サポートが含まれています。他の UM 言語パックには、ASR のサポートは含まれません。日本語版などのローカライズ版の Exchange 2007 をインストールした場合、日本語の ASR サポートは含まれていません。また、英語はローカライズ バージョンの Exchange 2007 と共に必ずインストールされるため、英語の ASR は機能します。

Exchange 2007 をリリースした後、他の言語の UM 言語パックに ASR サポートを含める予定です。新しい言語パックがリリースされ、英語以外の言語の ASR サポートを含む適切な言語パックをインストールしたら、その言語を使用して音声入力を使用し、ユニファイド メッセージング システムを操作できます。

ユニファイド メッセージング言語

発信者が Exchange 2007 ユニファイド メッセージングの多言語機能を使用できるためには、まず UM 言語パックをインストールする必要があります。次に、他の UM コンポーネントを構成します。

  • UM 言語パックをユニファイド メッセージング サーバーにインストールします。
  • 必要に応じて、UM ダイヤル プランの既定の言語を構成します。これにより、UM ダイヤル プランに関連付けられた Outlook Voice Access ユーザーは、自分のメールボックスにアクセスするときに新しい言語を使用できるようになります。ただし、この場合でも、Outlook Web Access で使用可能なオプションで言語設定を構成できます。
  • 必要に応じて、UM 自動応答の言語設定を構成します。既定では、UM 自動応答は UM ダイヤル プラン言語を使用します。ただし、この設定を変更して、権限のない発信者が組織に接続し、指定した言語の自動応答メニューを操作できるようにすることができます。

ユニファイド メッセージング サーバー言語

Setup.com を使用して UM 言語パックをユニファイド メッセージング サーバーにインストールします。新しい言語パックをユニファイド メッセージング サーバーにインストールすると、言語パックに関連付けられた言語が使用可能な言語の一覧に追加されます。Exchange 管理コンソールのユニファイド メッセージング サーバーのプロパティにある [UM の設定] タブを使用するか、Exchange 管理シェルの Get-UMServer コマンドレットを使用して、インストール済みの言語を表示できます。

UM 言語パックをインストールすると、選択した言語の TTS エンジンや録音済みプロンプトで使用するファイルがコピーされ、ユーザーがユニファイド メッセージング システムに接続したときに使用できるようになります。

UM ダイヤル プラン言語

作成した各 UM ダイヤル プランには、既定の言語設定が含まれています。ユニファイド メッセージングでは、Outlook Voice Access ユーザーが Exchange 2007 メールボックスにアクセスするときに、ユーザーに対して音声合成変換を使用したり、標準のオーディオ プロンプトを再生しなければならない場合があるため、UM ダイヤル プラン言語設定が必要です。既定のダイヤル プラン言語を選択する必要はありません。ただし、作成した各ダイヤル プランは、インストールした Exchange 2007 の言語版に基づく既定の言語を持つように構成されます。英語 (米国) 版をインストールした場合は、英語 (米国) が作成したすべてのダイヤル プランの既定の言語になります。日本語版などのローカライズ版の Exchange をインストールした場合は、ダイヤル プランを作成したときの既定の言語として日本語が構成されます。

新しいダイヤル プランを作成した後、各ダイヤル プランの既定の言語設定を構成できます。英語 (米国) 版の Exchange 2007 をインストールした場合は、英語 (米国) のみを使用できます。別の UM 言語パックをインストールして、他の UM 言語を英語 (米国) 版に追加できます。UM 言語パックをユニファイド メッセージング サーバーにインストールすると、ダイヤル プランの既定の言語を構成するときに、言語パックに関連付けられた言語も使用可能なオプションとして一覧表示されます。ただし、ダイヤル プランを作成したときに使用される既定の言語は英語 (米国) です。

たとえば、最初に Exchange 2007 の英語 (米国) 版をインストールし、次に Setup.com /AddUmLanguagePack コマンドを使用して日本語 UM 言語パックをインストールします。その後、フランス語など、別の UM 言語パックをユニファイド メッセージング サーバーにインストールします。UM 言語パックを正常にインストールすると、英語 (米国)、日本語、フランス語を使用できます。ただし、既定では作成したダイヤル プランごとに選択される言語は英語 (米国) です。

日本語版などのローカライズ版の Exchange 2007 をインストールした場合、ダイヤル プランの既定の言語は日本語です。ただし、新しいダイヤル プランを作成すると、ダイヤル プランを構成して日本語または英語 (米国) を既定の言語として使用できます。Exchange 2007 のローカライズ版をインストールすると、英語 (米国) もインストールされます。たとえば、最初に Exchange 2007 のローカライズされた日本語版をインストールし、次にフランス語の UM 言語をインストールします。UM 言語パックを Exchange 2007 のローカライズ版に正常にインストールすると、日本語、英語 (米国)、フランス語を使用できますが、作成されたダイヤル プランごとに既定で選択される言語は日本語です。

既定の言語は発信者にとって重要です。Outlook Voice Access ユーザーがユニファイド メッセージング システムを呼び出すと、選択される言語設定は、ユーザーが Outlook Web Access を使用して最初にメールボックスにログインしたときに設定した Outlook Web Access で構成されている言語設定に基づきます。次に、ユニファイド メッセージングは Outlook Web Access で設定されている言語をユーザーが関連付けられているダイヤル プランで使用可能な言語の一覧と比較します。適切に一致する言語がない場合は、既定の UM ダイヤル プラン言語が使用されます。場合によっては、この言語を既定の言語として設定する必要があります。たとえば、フランスのユーザーのみを含むダイヤル プランがある場合、ダイヤル プランの既定の言語設定をフランス語に設定する必要があります。UM ダイヤル プランの既定の言語を変更する方法の詳細については、「ユニファイド メッセージング ダイヤル プランを既定の言語で構成する方法」を参照してください。

UM 自動応答言語

既定では、UM 自動応答は UM ダイヤル プランに関連付けられるため、UM 自動応答を作成すると、UM 自動応答は関連付けられた UM ダイヤル プランの既定の言語設定を使用します。ただし、この設定は UM 自動応答が作成された後で変更できます。

ユニファイド メッセージングでは発信者に対して音声合成変換を使用するか、標準のオーディオ プロンプトを再生しなければならない場合があるため、UM 自動応答言語設定が必要です。ユニファイド メッセージングでは、自動応答のカスタム プロンプトの言語が自動応答の言語設定と一致することを確認しません。ただし、ベスト プラクティスとして、自動応答の言語設定がカスタム プロンプトの言語と一致していることを確認してください。そうでない場合、システムである言語から別の言語に変化したことが発信者に聞こえる場合があります。

UM 自動応答言語設定の変更は、発信者に対して複数の異なる言語固有の自動応答を必要とする場合に役立ちます。UM 自動応答の言語設定を構成する方法の詳細については、「ユニファイド メッセージング自動応答の言語設定を構成する方法」を参照してください。

詳細情報

Exchange 2007 で使用可能な言語サポートの詳細については、「Exchange 2007 の言語サポート」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。