Exchange 2007 Server の準備を行い、セットアップを委任する方法

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2007-11-27

ここでは、サーバーの準備を行い、Exchange のセットアップおよびインストールを委任する方法について説明します。

サーバーの準備を行うと、委任セットアップを使用して後で Exchange をインストールすることができます。この手順では、Exchange Organization Administrators グループのメンバでなくても、委任されたアカウントでドメインに単一の Exchange サーバーをインストールすることができます。委任されたアカウントを使用して、ドメインに Exchange サーバーの最初のインスタンスをインストールすることはできません。最初の Exchange サーバーをインストールするには、Exchange Organization Administrators グループおよびローカルの Administrators グループのメンバであるアカウントを使用する必要があります。その後で、委任されたアカウントを使用して、それ以降の Exchange をインストールすることができます。

このタスクは、Setup.com /NewProvisionedServer を使用して実行できます。Setup.com /NewProvisionedServer コマンドは、次のタスクを行うことができます。

  • 構成パーティション内にサーバー オブジェクトを作成します。CN=Servers,CN=Exchange Administrative Group (FYDIBOHF23SPDLT),CN=Administrative Groups,CN=<組織の名前>,CN=Microsoft Exchange,CN=Services,CN=Configuration,DC=<ルート ドメイン>
  • 以下のアクセス制御エントリが、委任されたアカウントの構成パーティション内のサーバー オブジェクトに追加されます。
    • サーバー オブジェクトおよびその子オブジェクトに対するフル コントロール
    • Send As 拡張権利に対する拒否のアクセス制御エントリ
    • Receive As 拡張権利に対する拒否のアクセス制御エントリ
    • Exchange パブリック フォルダ ストア オブジェクトの "CreateChild" および "DeleteChild" アクセス許可に対する "拒否"。
note注 :
パブリック フォルダは組織レベルで管理されるため、パブリック フォルダ ストアの作成および削除は、Exchange 組織管理者に制限されます。
  • Exchange Servers グループにコンピュータ アカウントが追加されます。
  • Exchange 管理コンソールで準備されたサーバーとしてサーバーが追加されます。
  • 委任されたアカウントが、Exchange 組織表示専用管理者の役割を持つメンバに追加されます。

/ServerAdmin:<UserName> パラメータを使用して Setup.com /NewProvisionedServer を実行すると、サーバーが準備され、そのサーバーの Exchange Server 管理アカウントが作成されます。/ServerAdmin パラメータで指定されたアカウントは、Exchange Server 管理コンソールをとおして委任されている Exchange 管理者アカウントと同じ権限を持ちます。

note注 :
/NewProvisionedServer パラメータを使用すると、ServerAdmin パラメータはセットアップでのみ機能します。Exchange 管理者を追加するために ServerAdmin パラメータを使用することはできません。Exchange 管理者を追加するには、Exchange 管理コンソールで Exchange 管理者の追加ウィザードを使用するか、Exchange 管理シェルで Add-ExchangeAdministrator コマンドレットを使用します。

クラスタ化メールボックス サーバーでは、追加の手順を実行する必要があります。クラスタ化メールボックス サーバーの委任インストールを実行する方法の詳細については、「クラスタ化メールボックス サーバーの委任セットアップを実行する方法」を参照してください。

開始する前に

Setup.com /NewProvisionedServer を実行するには、Exchange 組織管理者の役割が委任されたアカウントを使用する必要があります。

Microsoft Exchange Server 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

note注 :
委任された Exchange Server 管理者アカウントには、Setup /NewProvisionedServer アクセス許可を別のユーザーに委任するためのアクセス許可はありません。

手順

準備しているコンピュータに Exchange Server をインストールする場合は、Setup.com コマンドに関連する引数を指定して Run ラインまたはコマンド プロンプトから実行できます。Setup.com コマンドを実行しているコンピュータに Exchange がインストールされていない場合は、コンピュータのドライブに Exchange Server 2007 DVD を挿入して、DVD のルート ディレクトリから Setup.com コマンドを実行する必要があります。

ローカル サーバーを準備するには、次の操作を行います。

  • 次のコマンドを実行します。

    Setup.com /NewProvisionedServer
    
    note注 :
    このコマンドを実行するとローカル サーバーが準備されますが、ユーザーは委任されません。

リモート サーバーを準備するには、次の操作を行います。

  • 次のコマンドを実行します。

    Setup.com /NewProvisionedServer:ServerName
    

サーバーを準備して Exchange サーバー管理者を委任するには、次の操作を行います。

  • 次のコマンドを実行します。

    Setup.com /NewProvisionedServer:"ServerName" /ServerAdmin Contoso\User1
    

Exchange 管理コンソールでこのサーバーの Exchange サーバー管理者を作成できます。管理者の役割にユーザーを追加する方法の詳細については、「管理者の役割にユーザーまたはグループを追加する方法」を参照してください。

Exchange アクセス許可の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

important重要 :
委任されたユーザーは、Exchange サーバーをアンインストールできません。Exchange サーバーをアンインストールまたは削除するには、Exchange Organization Administrators グループおよびローカルの Administrators グループのメンバであるアカウントが必要です。

サーバーの準備解除

Exchange 2007 Setup を使用して、サーバー オブジェクトの準備を解除することもできます。この処理によって、準備されたサーバー オブジェクトが構成パーティションから削除されます。

ローカル サーバーの準備を解除するには、次の操作を行います。

  • 次のコマンドを実行します。

    Setup.com /RemoveProvisionedServer:"ServerName"
    
    note注 :
    このコマンドを実行するとローカル サーバーが準備されますが、ユーザーは委任されません。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。