Exchange 2007 Server が MAPI クライアントへの応答を停止する
適用先: Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2007-08-24
このトピックでは、Microsoft Exchange Server 2007 サーバーが MAPI クライアントへの応答を停止し、次のような情報のイベント エラー ログを生成する場合の、トラブルシューティング方法について説明します。
イベント ID : 9646 次のように入力します。エラー ソース : MSExchangeIS 説明 : Closing Mapi session "/o=Exchange Organization/ou=Exchange Administrative Group (FYDIBOHF23SPDLT)/cn=Recipients/cn=user" exceeded the maximum of 500 objects of type objtFolder. |
この問題は、MAPI クライアントが最大数より多くのサーバー オブジェクトを開いている場合に発生する可能性があります。Exchange 2007 では、1 つの MAPI セッションが開くことのできるサーバー側オブジェクトの数が制限されています。これにより、1 つの MAPI クライアントが Exchange サーバーのすべてのリソースを使い切ることを防ぎます。
Exchange 2007 サーバーが MAPI クライアントへの応答を停止し、イベント 9646 を生成する場合は、MAPI クライアントが開こうとしているオブジェクトが多すぎるか、またはサーバー上で開いたままにしているオブジェクトが多すぎることを示します。
次の表では、Exchange 2007 で一度に開くことのできるサーバー オブジェクトの最大数の既定値を示します。
開くことのできるサーバー オブジェクトの最大数の既定値
エントリ | 既定値 |
---|---|
objtMessage |
250 |
objtFolder |
500 |
objtAttachment |
500 |
objtFolderView |
500 |
objtMessageView |
500 |
objtAttachView |
500 |
objtStream |
250 |
objtACLView |
50 |
objtRulesView |
50 |
objtFXSrcStrm |
50 |
objtFXDstStrm |
50 |
objtCStream |
50 |
objtNotify |
500,000 |
解決方法
この問題を解決するには、次のようにします。
MAPI クライアント上で実行しているサードパーティ アプリケーションまたはアドインを調べます。サードパーティ アプリケーションの中には、長時間オブジェクトを開いたままにしたり、同時に多くのオブジェクトを開いたりするものがあります。
示されているログオンに関連のあるユーザー動作を調べます。これは、既定の数のオブジェクトでは足りない理由を理解するのに役立ちます。
まれなことですが、開くことのできるオブジェクトの最大数を調節するために、レジストリ キーの追加が必要になる場合があります。この新しいレジストリ キーは、既定値より優先されます。このようなまれな状況としては、オブジェクトを開いたままにするアプリケーション、または同時に多くのオブジェクトを開くアプリケーションを使用することが、受け入れられる場合、または必要な場合があります。
注意 : オブジェクトの種類の最大数を増やすときは、サーバーに接続するすべてのクライアント要求が消費できるメモリも増やします。この値の構成を誤ると、メモリ不足の警告、または仮想メモリの断片化の警告が発生する場合があります。 注意 : レジストリに対して誤った編集を行うと、重大な問題が発生する可能性があり、オペレーティング システムの再インストールが必要になる場合があります。 誤ったレジストリ編集に起因する問題は、解決できない場合もあります。 レジストリを編集する前に、重要なデータをバックアップしてください。
開始する前に
以下の手順を実行するには、使用するアカウントにローカルの Administrators グループのメンバシップが委任されている必要があります。アクセス許可、役割の委任、および Exchange 2007 を管理するために必要な権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。
手順
レジストリ エディタを使用して、MAPI クライアントが同時に使用できる開かれたオブジェクトの最大数を調節するには
レジストリ エディタ (regedit) を起動します。
次のレジストリ サブキーを見つけます。HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\MSExchangeIS\ParametersSystem
[ParametersSystem] を右クリックし、[新規] をポイントして、[キー] をクリックします。
**「MaxObjsPerMapiSession」**と入力し、Enter キーを押して、新しいサブキーの名前を設定します。
[MaxObjsPerMapiSession] を右クリックし、[新規] をポイントして、[DWORD 値] をクリックします。
オブジェクトの種類を入力し、Enter キーを押して、新しいサブキーの名前を設定します。たとえば、**「objtMessage」**と入力し、Enter キーを押して、objtMessage オブジェクトの既定の最大値を変更するエントリを作成します。
手順 6. で作成したエントリを右クリックし、[変更] をクリックします。
[値のデータ] ボックスに、そのエントリを制限するオブジェクトの新しい最大値を入力し、[OK] をクリックします。
注 : |
---|
サーバーは、5 分以内に新しい制限を自動的に認識します。 |
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。