ドロップ ディレクトリを構成する

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2011-10-21

シェルを使用すると、Microsoft Exchange Server 2010 の外部コネクタで使用するドロップ ディレクトリを構成できます。ハブ トランポート サーバーの役割がインストールされた Exchange 2010 を実行中のコンピューターにインストールまたは割り当てられた外部コネクタは、それぞれ異なるドロップ ディレクトリを使用します。ドロップ ディレクトリは、メッセージ送信に SMTP を使用しない外部ゲートウェイ サーバーにメッセージを送信するために、外部コネクタによって使用されます。外部コネクタに定義されているアドレス スペース内に存在する受信者に送信されたメッセージは、外部コネクタのドロップ ディレクトリにコピーされます。

コネクタの管理に関連する他の管理タスクについては、「コネクタの管理」を参照してください。

前提条件

  • 既存の外部コネクタが存在する必要があります。外部コネクタを作成する手順の詳細については、「外部コネクタを作成する」を参照してください。

  • 外部コネクタ用のドロップ ディレクトリは、ユーザー自身で作成しておく必要があります。既定では、外部コネクタの作成時に、ドロップ ディレクトリが自動的に作成されません。Windows エクスプローラーで、各ドロップ ディレクトリ フォルダーを手動で作成する必要があります。

実行内容

  • シェルを使用してドロップ ディレクトリの場所を構成する

  • シェルを使用してドロップ ディレクトリの最大サイズを構成する

シェルを使用してドロップ ディレクトリの場所を構成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「トランスポートのアクセス許可」の「ハブ サーバー」。

各外部コネクタのドロップ ディレクトリの場所は、2 つの項目によって制御されます。

  • Set-TransportServer コマンドレットの RootDropDirectoryPath パラメーター

    このオプションは、ハブ トランスポート サーバー上に存在するすべての外部コネクタに対して使用します。RootDropDirectoryPath パラメーターの値は、ローカル パスまたはリモート サーバーの汎用名前付け規則 (UNC) のパスとすることができます。既定では、このパラメーターの値は空白です。これは、RootDropDirectoryPath パラメーターの値が Exchange 2010 インストール フォルダーであることを示します。既定の Exchange 2010 インストール フォルダーは、C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\ です。

  • Set-ForeignConnector コマンドレットの DropDirectory パラメーター

    このオプションは、ハブ トランスポート サーバー上に存在する各外部コネクタに対して設定します。DropDirectory パラメーターの値には、単純なディレクトリ名または絶対ファイル パスを指定できます。RootDropDirectoryPath の値が指定されている場合は、DropDirectory パラメーターの値を単純なディレクトリ名にする必要があります。RootDropDirectoryPath の値が指定されていない場合、DropDirectory パラメーターには絶対パス情報または単純なディレクトリ名を含めることができます。既定では、DropDirectory パラメーターの値は外部コネクタの名前です。

    DropDirectory パラメーターの値に絶対パスの情報が含まれていない場合、ドロップ ディレクトリの場所は DropDirectory パラメーターと RootDropDirectoryPath パラメーターの組み合わせによって定義されます。DropDirectory パラメーターの値に絶対パスの情報が含まれている場合は、RootDropDirectoryPath パラメーターの値を無指定にする必要があります。

    注意

    EMC を使用してドロップ ディレクトリを構成することはできません。ドロップ ディレクトリを構成するには、シェルを使用する必要があります。シェルを使用する方法の詳細については、「Exchange 2010 で PowerShell を使用する (Exchange 管理シェル)」を参照してください。

この例では、Exchange 2010 コンピューター Hub01 上のすべての外部コネクタのルート位置ディレクトリを、C:\Drop ディレクトリに設定します。すると、"Fax Connector" という外部コネクタが "Fax" というドロップ ディレクトリを使用するように構成されます。次の 2 つのコマンドを実行すると、結果として、Fax Connector 外部コネクタが C:\Drop Directory\Fax フォルダーをドロップ ディレクトリとして使用するようになります。

Set-TransportServer Hub01 -RootDropDirectoryPath "C:\Drop Directory"
Set-ForeignConnector "Fax Connector" -DropDirectory "Fax"

ドロップ ディレクトリの場所を変更する際の要注意事項は、次のとおりです。

  • ドロップ ディレクトリの場所を変更しても、既存のメッセージ ファイルは古いドロップ ディレクトリから新しいドロップ ディレクトリにコピーされません。新しいドロップ ディレクトリの場所は構成の変更後すぐにアクティブになりますが、既存のメッセージ ファイルはすべて古いドロップ ディレクトリに残ります。

  • ドロップ ディレクトリには、次のアクセス許可が割り当てられている必要があります。

    • ネットワーク サービス :フル コントロール

    • System: フル コントロール

    • 管理者 :フル コントロール

構文およびパラメーターの詳細については、「Set-TransportServer」と「Set-ForeignConnector」を参照してください。

シェルを使用してドロップ ディレクトリの最大サイズを構成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「トランスポートのアクセス許可」の「外部コネクタ」。

外部コネクタが使用するドロップ ディレクトリの最大サイズは、Set-ForeignConnector コマンドレットによって制御されます。指定された最大値に達すると、既存のメッセージが配信されて削除されるまでは、新しいメッセージ ファイルをドロップ ディレクトリにコピーできません。既定では、ドロップ ディレクトリの最大サイズは unlimited です。

注意

EMC を使用してドロップ ディレクトリを構成することはできません。ドロップ ディレクトリを構成するには、シェルを使用する必要があります。シェルを使用する方法の詳細については、「Exchange 2010 で PowerShell を使用する (Exchange 管理シェル)」を参照してください。

この例では、"Fax Connector" という名前の外部コネクタ用に、ドロップ ディレクトリの最大サイズを 400 MB に設定します。

Set-ForeignConnector "Fax Connector" -DropDirectoryQuota 400MB

このパラメーターの有効な入力の範囲は、1 バイト~ 2 GB (2,147,483,647 バイト) です。

構文およびパラメーターの詳細については、「Set-ForeignConnector」を参照してください。

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