Exchange 2003 ハイブリッド展開でのハイブリッド サーバーについて

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2016-11-28

ハイブリッド展開を構成するときには、既存の Exchange 組織内にハイブリッド サーバーを少なくとも 1 台はインストールする必要があります。 ハイブリッド サーバーは Exchange 2010 SP3 サーバーの役割で構成された、既存の Exchange 2003 組織と Exchange Online 組織間の通信を調整する、追加のサーバーです。 この通信には、社内組織と Exchange Online 組織間のメッセージ トランスポート機能およびメッセージング機能が使用されます。 複数のハイブリッド サーバーを社内組織にインストールして、ハイブリッド展開機能の信頼性と可用性を高めることを強くお勧めします。

ハイブリッド展開サーバーの役割

必要なハイブリッド展開の構成に応じて、ハイブリッド サーバーに、次の Exchange 2010 サーバーの役割を 1 つ以上インストールする必要があります。 1 台のハイブリッド サーバーを社内組織内にインストールするように選択した場合は、次のすべてのサーバーの役割を単一のハイブリッド サーバーにインストールする必要があります。 複数のハイブリッド サーバーを社内組織内にインストールするように選択した場合は、サーバーの役割をそれぞれ社内組織内の別個のサーバーにインストールするように選択できます。 たとえば、クライアント アクセスの役割とメールボックス サーバーの役割の両方がインストールされているハイブリッド サーバーを 1 台インストールするほかに、ハブ トランスポート サーバーの役割のみがインストールされている別のハイブリッド サーバーを 1 台インストールすることもできます。 ただし、ベスト プラクティスおよび推奨ハイブリッド サーバー構成は、社内組織に展開したそれぞれのハイブリッド サーバーで、クライアント アクセス サーバー、メールボックス サーバー、ハブ トランスポート サーバーをインストールすることです。

ここでは、ハイブリッド展開におけるサーバーの役割について簡単に概説します。

• クライアント アクセス サーバーの役割   ハイブリッド サーバー上のクライアント アクセス サーバーの役割によって提供される機能は、通常は Exchange 2003 のフロントエンド サーバーによって提供される機能です。 Outlook クライアント アクセス、Outlook Web App、および Outlook Anywhere などのすべてのクライアント接続は、クライアント アクセス サーバーの役割を介します。 空き情報の共有など、社内組織と Exchange Online 組織間の組織上の関係機能も、クライアント アクセス サーバーの役割によって処理されます。

  詳細情報: クライアント アクセスについて

• ハブ トランスポート サーバーの役割   ハイブリッド サーバー上のハブ トランスポート サーバーの役割は、社内組織と Exchange Online 組織の間、および社内組織とインターネットの間のあらゆるメール フローを処理します。 この役割は、社内組織と Exchange Online 組織間のトランスポート通信をセキュリティで保護するのに役立つほか、トランスポート ルール、ジャーナリング ポリシー、およびハイブリッド展開内のユーザー メールボックスへのメッセージ配信も処理します。

  詳細情報: ハブ トランスポート サーバーの役割の概要

• メールボックス サーバーの役割   ハイブリッド サーバー上のメールボックス サーバーの役割は、OU=EXTERNAL (FYDIBOHF25SPDLT) パブリック フォルダーのレプリカをホストし、社内組織と Exchange Online 組織間での予定表の空き時間情報の共有を可能にします。 メールボックスは、社内 Exchange 2003 組織と Exchange Online 組織間の一般的なハイブリッド展開にあるハイブリッド サーバーでは作成しないでください。

  詳細情報: メールボックス サーバーの役割の概要

ハイブリッド サーバーの機能

ハイブリッド展開の社内組織にとって重要ないくつかの機能は、ハイブリッド サーバーによって提供されます。

• フェデレーション   ハイブリッド サーバーにより、Microsoft Federation Gateway との間の社内組織のフェデレーションの信頼を作成することができます。 Microsoft Federation Gateway は、社内組織と Office 365 テナント組織間の信頼ブローカーとして機能する、Microsoft が無償で提供するクラウドベースのサービスです。 フェデレーションは、社内組織と Exchange Online 組織間の組織の関係を作成するうえで必須です。

  詳細情報: フェデレーションについて

• 組織上の関係   ハイブリッド クライアント アクセス サーバーにより、社内組織と Exchange Online 組織間の組織上の関係を作成することができます。 組織上の関係は、ハイブリッド展開においてその他の多くのサービス (予定表の空き時間情報の共有、メッセージ追跡、社内組織と Exchange Online 組織間でのメールボックスの移動など) に必要です。

  詳細情報: フェデレーション委任について

• メッセージ トランスポート   ハイブリッド ハブ トランスポート サーバーは、ハイブリッド展開内でのメッセージ トランスポートに対して責任を担います。 また、送信/受信コネクタを使用して、社内 Exchange 2003 サーバーの代わりに外部の受信メッセージ用の接続エンドポイントとして機能し、さらに送信メッセージをインターネットおよび Exchange Online 組織に配信します。

  詳細情報: トランスポートについて

• メッセージ トランスポート セキュリティ   ハイブリッド ハブ トランスポート サーバーにより、Exchange 2010 のドメイン セキュリティ機能を使用して、社内組織と Exchange Online 組織間のメッセージ通信をセキュリティで保護することができます。 メッセージ通信に対して相互トランスポート層セキュリティ認証および暗号化を使用することによって、セキュリティを強化できます。

  詳細情報: ドメイン セキュリティについて

• Outlook Web App   ハイブリッド クライアント アクセス サーバーは、社内メールボックスおよび Exchange Online メールボックスへの外部接続用の単一 URL エンドポイントを構成する機能をサポートしています。 社内メールボックスの場合は、ユーザーの Outlook Web App 要求を Exchange 2003 メールボックス サーバーに自動的にリダイレクトするようにハイブリッド クライアント アクセス サーバーを構成できます。 Exchange Online 組織のメールボックスの場合は、Exchange Online 組織上の Outlook Web App エンドポイントへのリンクを自動的に表示するようにハイブリッド クライアント アクセス サーバーを構成できます。

• 詳細情報: Outlook Web App について

ハイブリッド サーバーのトポロジ

ハイブリッド サーバーは、Exchange 2010 サーバーを既存の Exchange 2003 組織に展開するときのように展開されます。 ハイブリッド サーバーは、クライアント アクセス サーバー、メールボックス サーバー、およびハブ トランスポート サーバーの各役割を使用して、現在既存の Exchange 2003 サーバーによって提供されている社内組織の多くのサービスを担当します。 次の表に、ハイブリッド展開を構成した後のサービスにおける変更点の概要を示します。

ハイブリッド サーバー ソフトウェア

Exchange Server 2010 用の Service Pack 3 (SP3) はハイブリッド構成ウィザードでハイブリッド展開の機能を有効にします。 ハイブリッド サーバーのインストール時に任意の Exchange 2010 SP3 のメディアを使用することができます。

さらに、すべてのハイブリッド サーバー上で Exchange 2010 SP3 の将来の更新プログラムのロールアップをインストールすることをお勧めします。 Microsoft では、更新プログラムのロールアップ パッケージを、約 6 ～ 8 週間ごとにリリースします。 ロールアップ パッケージは、Microsoft Update および Microsoft ダウンロード センターから入手できます。 Microsoft ダウンロード センターの検索ボックスで「Exchange 2010 SP3 更新プログラムのロールアップ」と入力し、Exchange 2010 SP3 用ロールアップ パッケージへのリンクを見つけます。

以下で Exchange Server 2010 SP3 をダウンロードします。 「Exchange 2010 Service Pack 3 (SP3) (英語の場合があります)」

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