Exchange 2010 ハイブリッド展開でのハイブリッド管理について

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2016-11-28

社内組織と Exchange Online 組織は、ともに Exchange をベースにしています。特に、社内組織のハイブリッド サーバーは Microsoft Exchange Server 2010 をベースにしており、Exchange Online 組織の Exchange サーバーは Exchange Server 2013 をベースにしています。Exchange 2010 に Service Pack 3 (SP3) を適用することで、これら 2 種類のハイブリッド展開サーバー間でハイブリッド機能を正しく機能させることができます。

ハイブリッド サーバーをインストールすると、サーバーに Exchange 2010 管理ツールが自動的にインストールされます。この管理ツールを使用して、ハイブリッド サーバーと Exchange Online 組織の一部の受信者管理機能との両方を構成して管理します。このような管理ツールには、GUI 形式の管理インターフェイスに当たる Exchange 管理コンソール (EMC) と Windows PowerShell ベースのコマンドライン インターフェイスに当たる Exchange 管理シェルがあります。また、Office 365 管理ポータルの Exchange Online セクションにある Exchange 管理者センター (EAC) も使用して、Exchange Online の受信者および組織のほとんどのプロパティを管理します。

Exchange 管理コンソール

EMC を使用すると、数多くの展開タスクやほとんどの一般的な日常の管理タスクを実行できます。さらに、EMC を使用するとハイブリッド サーバーと Exchange Online 組織のメールボックス用の一部の受信者管理機能の両方を管理できます。EMC はすべての Exchange 2010 サーバーに既定でインストールされますが、以下のいずれかの 64 ビット オペレーティング システムを実行しているコンピューターにもインストールできます。

  • Windows Server 2008 SP2 Standard および Enterprise

  • Windows Server 2008 R2 Standard および Enterprise

  • Windows 8

  • Windows 7

  • Windows Vista Service Pack (SP) 2

Exchange Online 組織の EMC への追加は、別の Exchange 2010 フォレストの EMC への追加と類似しています。EMC に追加された Exchange Online 組織は、ナビゲーション ツリーでは、別のノードとして表示されます。このナビゲーション ツリーで、Exchange Online 組織を選択して、Exchange Online 受信者オブジェクトの一部のプロパティを構成できます。Exchange Online 組織の組織レベルの機能およびオブジェクトを完全に管理することが必要な場合は、EMC によってリダイレクトされ、Office 365 管理ポータルの EAC へのリンクが提供されます。

次のスクリーンショットでは、同じコンソール内に社内組織と Exchange Online 組織があります。

Exchange 管理コンソールでの Exchange 社内組織と Exchange Online 組織

詳細情報:Exchange 管理コンソール

Exchange 管理シェル

このシェルを使用すると、EMC で実行できるあらゆるタスクのほか、シェルでのみ実行できる他のいくつかのタスクも実行できます。このシェルは、Exchange 2010 管理ツールがインストールされるときにコンピューターにインストールされる Windows PowerShell スクリプトとコマンドレットを集めたものです。これらのスクリプトとコマンドレットは、Exchange 管理シェル アイコンを使用してシェルを起動したときだけ、読み込まれます。Windows PowerShell を直接開いても、これらの Exchange スクリプトとコマンドレットは読み込まれないため、社内組織は管理できません。

注意

以下で説明する Exchange Online 組織への手動接続と同様の方法で、Windows PowerShell をローカルの社内組織に手動で接続できます。ただし、社内の Exchange サーバーを管理する場合は、Exchange 管理シェル アイコンを使用してシェルを開いて行うことを強くお勧めします。

管理ツールがインストールされているコンピューター上で Exchange 管理シェル アイコンを使用してシェルを開くと、社内組織を管理できます。ただし、このアイコンを使用してシェルを開いても Exchange Online 組織は管理できません。これは、Exchange 管理シェル アイコンを使用してシェルを開くとユーザーが自動的にローカルの Exchange サーバーに接続されるためです。

Windows PowerShell を使用して Exchange Online 組織を管理する場合は、Exchange 管理シェル アイコンを使用せず、Windows PowerShell を直接開く必要があります。Windows PowerShell を開いた後、接続先を手動で指定できます。手動で接続を確立するときは、Office 365 テナント組織の管理者アカウントを指定してから、コマンドを実行して接続を確立します。接続が確立したら、実行のアクセス許可がある Exchange コマンドレットを使用できるようになります。

詳細情報:「Windows PowerShell の使用

シェルを使った経験がない場合は、次のトピックを調べてシェルのしくみ、コマンド構文などについて基本事項を把握してください。

詳細情報: Exchange 2010 で PowerShell を使用する (Exchange 管理シェル)

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