システム アテンダントの homeMDB 属性が存在しない

[このトピックの目的は、Exchange Server アナライザ ツールが提起した特定の問題に取り組むことです。解決策を適用する対象は、Exchange Server アナライザ ツールを実行し、その特定の問題が発生しているシステムに限定する必要があります。無料でダウンロードして入手できる Exchange Server アナライザ ツールは、トポロジ内の各サーバーから構成データをリモートで収集し、データを自動的に分析します。生成されるレポートには、構成上の重要な問題点、潜在的な問題点、および製品の各種設定で既定値以外のものが、詳細に記載されます。これらの推奨事項に従うことにより、パフォーマンス、スケーラビリティ、信頼性、およびアップタイムの向上を達成できます。このツールの詳細、または最新バージョンのダウンロードについては、「Exchange Server ベスト プラクティス アナライザ ツール バージョン 2 のダウンロード」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=34707) を参照してください。]  

トピックの最終更新日: 2010-04-01

Microsoft Exchange ベスト プラクティス アナライザは、Active Directory ディレクトリ サービスを調べて、Microsoft Exchange System Attendant サービスに homeMDB 属性セットが存在するかどうかを判断します。homeMDB 属性値を見つけられなかった場合、Exchange ベスト プラクティス アナライザは次のメッセージを生成します。

サーバー <Exchange サーバー名> に、Microsoft Exchange System Attendant サービスの 'homeMDB' 値がありません。これは、信頼性に関する問題を発生させる原因になります。

note注 :
サーバー上にメールボックス ストアが存在しない場合、Exchange ベスト プラクティス アナライザはエラー メッセージを生成しません。

システム アテンダントの homeMDB 値が存在しない場合、Exchange 環境では次の現象が発生する可能性があります。

  • Exchange 管理コンソールの [切断されたメールボックス] に、システム アテンダント メールボックスが表示される。

  • ユーザーが Exchange ユーザーの空き時間情報を取得できない。Microsoft Office Outlook 2007 でログ出力を有効にすると、%TEMP%\olkas\Free/Busy ログ ファイルに次の情報が記録されます。

    xmlns="https://schemas.microsoft.com/exchange/services/2006/errors">5008</ExceptionCode></MessageXml></ResponseMessage><FreeBusyView>

    note注 :
    エラー コード 5008 は "MailboxLogonFailed" エラーに対応しています。
  • Search インデックス処理が "MapiExceptionUnknownUser" エラーのため失敗する。この場合、アプリケーション ログに次のイベントが記録されます。

    イベントの種類 : 警告

    イベント ソース : MSExchange Search Indexer

    イベント カテゴリ : 全般

    イベント ID: 107

    日付 : <日付>

    時間 : <時間>

    ユーザー : N/A

    説明 :

    エラー [Microsoft.Mapi.MapiExceptionUnknownUser]: MapiExceptionUnknownUser:

    Unable to make connection to the server. (hr=0x80004005, ec=1003) が発生したため、

    Exchange Search Indexer はメールボックス データベース First Storage Group\Mailbox Database (GUID = <GUID>)

    のインデックス処理を一時的に無効にしました。

  • test-mapiconnectivity -verbose コマンドレットなどのコマンドレットを実行して MAPI 接続テストを実行すると、"Microsoft.Mapi.MapiExceptionUnknownUser" という結果が返される。

Outlook クライアントが Exchange から空き時間情報を取得するには、システム アテンダント メールボックスが必要です。また、メールボックスの移動操作には、システム アテンダント メールボックスが必要になります。システム アテンダント メールボックスを使用できない場合は、アプリケーション ログにイベント ID 9175 が記録されます。homeMDB 属性は、システム アテンダント メールボックスをホストする Exchange データベースの識別名 (DN) を表します。この値が指定されていないと、システム アテンダント メールボックスを使用できません。

この問題に対処するには、ADSI エディタ ツールを使用して、該当するメールボックス データベースの識別名を確認し、システム アテンダントの homeMDB 属性を設定します。

Exchange データベースの識別名を確認するには、次の操作を行います。

  1. ADSI エディタ ツールを起動します。このためには、[スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。次に、「adsiedit.msc」と入力し、[OK] をクリックします。

    note注 :
    Windows Server 2008 では、ADSI エディタが既定でインストールされています。Windows Server 2003 では、ADSI エディタは Windows Support Tools に含まれています。Windows Support Tools をインストールするには、Windows Server 2003 CD の Support\Tools フォルダにある Suptools.msi をダブルクリックします。
  2. ADSI エディタが接続されていない場合は、[構成] コンテナに接続します。それには、次の手順に従います。

    1. [操作] メニューの [接続] をクリックします。
    2. [既知の名前付けコンテキストを選択する] の一覧で [構成] をクリックし、[OK] をクリックします。
  3. 次のパスを展開します。

    • Configuration [<ドメイン コントローラ>.contoso.com]
    • CN=Configuration,DC=contoso,DC=com
    • CN=Services
    • CN=Microsoft Exchange
    • CN=<組織名>
    • CN=Administrative Groups
    • CN=Exchange Administrative Group (<ID>)
    • CN=Servers
    • CN=<メールボックス サーバー名>
    • CN=Information Store
    • CN=<ストレージ グループ名>
  4. 詳細ウィンドウで、[クラス] の値が msExchPrivateMDB である CN=<データベース名> エントリを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  5. [属性エディタ] タブで、[distinguishedName] をクリックし、[表示] をクリックします。

  6. [値] ボックスに表示されるパスをコピーして、[キャンセル] をクリックします。

  7. [キャンセル] をクリックし、ADSI エディタ ツールを終了します。

homeMDB 属性を設定するには、次の操作を行います。

  1. ADSI エディタ ツールを起動します。このためには、[スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。次に、「adsiedit.msc」と入力し、[OK] をクリックします。

    note注 :
    Windows Server 2008 では、ADSI エディタが既定でインストールされています。Windows Server 2003 では、ADSI エディタは Windows Support Tools に含まれています。Windows Support Tools をインストールするには、Windows Server 2003 CD の Support\Tools フォルダにある Suptools.msi をダブルクリックします。
  2. ADSI エディタが接続されていない場合は、[構成] コンテナに接続します。それには、次の手順に従います。

    1. [操作] メニューの [接続] をクリックします。
    2. [既知の名前付けコンテキストを選択する] の一覧で [構成] をクリックし、[OK] をクリックします。
  3. 次のパスを展開します。

    • Configuration [<ドメイン コントローラ>.contoso.com]
    • CN=Configuration,DC=contoso,DC=com
    • CN=Services
    • CN=Microsoft Exchange
    • CN=<組織名>
    • CN=Administrative Groups
    • CN=Exchange Administrative Group (<ID>)
    • CN=Servers
    • CN=<メールボックス サーバー名>
  4. 詳細ウィンドウで、[CN=Microsoft System Attendant] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  5. [属性エディタ] タブで、[homeMDB] をクリックし、[編集] をクリックします。

  6. distinguishedName の値を [値] ボックスに入力するか貼り付けて、[OK] をクリックします。この値は次のようになります。

    CN=Mailbox Database,CN=<ストレージ グループ名>,CN=InformationStore,CN=<メールボックス サーバー名>,CN=Servers,CN=Exchange Administrative Group (<ID>),CN=Administrative Groups,CN=<組織名>,CN=Microsoft Exchange,CN=Services,CN=Configuration,DC=contoso,DC=com

  7. ADSI エディタ ツールを終了します。

  8. 影響を受ける Exchange サーバーで、Microsoft Exchange System Attendant サービスを再開します。