容量に制限のあるネットワークに 2007 Office system を展開する

更新日: 2006年11月

適用対象: Office Resource Kit

 

トピックの最終更新日: 2008-10-14

ネットワーク リソースに制限のある環境で 2007 Microsoft Office system を展開する場合、2007 Office リリースのセットアップ アーキテクチャでは、ネットワークの必要性を最小限に抑えながらも、ユーザー全員が新しいバージョンを同時にインストールすることができます。

たとえば、制限があったりコストが高かったりするワイド エリア ネットワーク (WAN) を通じて企業ネットワークに接続する遠距離の支店があるとします。または、数千人のユーザーをサポートする、より対応能力の高い企業ネットワークがあるとします。一般的なログオン スクリプトを使用して Office を配布し、10,000 人のユーザーが同時にネットワークにアクセスする場合、500 MB のインストール ファイルではネットワーク上を移動するのに、長時間待たされる可能性があります。

このような種類の環境では、Office ソース ファイルを時間をかけてユーザーに配布します。対象のユーザー グループのコンピュータにローカル インストール ソースが展開されたら、企業ネットワークに過剰な負荷をかけることなく、Office の同時インストールをスケジュールできます。

動作のしくみ

この展開戦略が可能であるのは、2007 Office リリースが必ず 2 つの段階でインストールされるためです。最初に、セットアップは必要なすべてのインストール ファイルを、ネットワーク インストール ポイントからローカル コンピュータの非表示のフォルダにコピーします。2 番目に、セットアップは、Windows インストーラを呼び出して、各ユーザーのローカル インストール ソースからインストールを実行します。このようにプロセスを 2 つの段階に分離することで、ネットワークにかかる負荷をより効率的に管理することができます。

ローカル インストール ソースを配布する前に Office を構成します。ほとんどのユーザー構成オプションを指定するには、Office カスタマイズ ツールを実行してセットアップ カスタマイズ ファイル (MSP ファイル) を生成します。カスタマイズ ファイルを格納する推奨の場所は、ネットワーク インストール ポイントのルートにある Updates フォルダです。

追加の言語の指定など一部のカスタマイズでは、インストールする製品の Config.xml ファイルを編集する必要があります。また、Config.xml を編集して、ローカル ソースのみを展開するように指定します。

カスタマイズが完了したら、セットアップを実行して、ローカル インストール ソースを一度に 1 つのユーザー グループに配布します。ログオン スクリプト、バッチ ファイル、Microsoft Systems Management Server などの別の展開ツールなど、任意の配布方法を使用できます。プリキャッシュのシナリオに限り、セットアップはネットワーク インストール ポイントからローカル ソースに Updates フォルダをコピーします。すべてのカスタマイズは、ローカル ソースに含まれます。

セットアップ プログラムのコピーもローカル インストール ソースに含まれます。対象ユーザーのコンピュータにローカル インストール ソースが配布されたら、ローカル ソースからセットアップの実行を開始し、スケジュールした時間にインストールを完了できます。カスタマイズとソフトウェアの更新プログラムの適用を含むインストールは、ファイル転送またはネットワーク上のその他の操作を必要とせずに、ローカルに実行されます。

[!メモ] ローカル インストール ソースから Office をインストールするときに、元のネットワーク インストール ポイントに戻って新しいカスタマイズ ファイルやソフトウェアの更新プログラムを探すことはありません。ユーザーのコンピュータ上のローカル インストール ソースにキャッシュされたファイルのみが適用されます。ローカル ソースをプレキャッシュした後に、ネットワーク インストール ポイントに追加のカスタマイズを行ったり、新しいソフトウェアの更新プログラムを追加したりする場合は、Office のインストール後にそれらを個別に配布する必要があります。