Outlook 2010 の添付ファイルの設定を計画する

 

適用先: Office 2010

トピックの最終更新日: 2016-11-29

Microsoft Outlook 2010 では、Outlook アイテム (電子メール メッセージ、予定など) への添付ファイルをファイルの種類に基づいて制限できます。ファイルの種類には、レベル 1 またはレベル 2 の制限を設定できます。また、添付ファイルの使用方法についても制限を構成できます。たとえば、添付ファイルの種類のグループの制限をレベル 1 (ユーザーはファイルを表示できない) からレベル 2 (ユーザーはディスクに保存した後にファイルを開くことができる) に変更することを許可できます。

注意

添付ファイルの設定を適用するには、最初に、セキュリティ設定を適用するために Outlook 2013 で使用する方法をグループ ポリシーで構成します。Outlook 2013 でセキュリティ設定を適用する方法の詳細については、「Outlook 2010 のセキュリティと保護の設定の選択」の「Outlook のセキュリティ設定の適用方法を指定する」を参照してください。

この記事は Outlook 管理者を対象としています。一部の Outlook 添付ファイルがブロックされる理由の詳細については、「ブロックされる添付ファイル: ユーザーに敬遠される Outlook 機能」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=81268\&clcid=0x411) を参照してください。または、制限された種類のファイルを共有する方法については、「Outlook でブロックされる添付ファイル」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=188575\&clcid=0x411)」を参照してください。

この記事の内容

  • 概要

  • レベル 1 のファイル名拡張子を追加または削除する

  • レベル 2 のファイル名拡張子を追加または削除する

  • 追加の添付ファイル制限を構成する

概要

Outlook 2013 アイテム (電子メール メッセージ、予定など) の一部の添付ファイルには、アクセスの制限があります。ファイルの種類によって、各ファイルは、レベル 1 (ユーザーはファイルを表示できない) またはレベル 2 (ユーザーはディスクに保存した後にファイルを開くことができる) に分類できます。

既定で、Outlook 2013 では、いくつかのファイルの種類がレベル 1 に分類され、これらの拡張子を持つファイルをユーザーが受け取ることがブロックされます。たとえば, .cmd, .exe, .vbs は、このようなファイル名拡張子です。管理者は、電子メールの添付ファイルをブロックするために、ファイルの種類を分類する方法をグループ ポリシーで管理できます。たとえば、ファイルの種類の分類をレベル 1 からレベル 2 に変更したり、レベル 2 に分類されるファイルの種類の一覧を作成できます。既定ではレベル 2 のファイルの種類は存在しません。

Outlook 2013 添付ファイルのセキュリティ設定は、グループ ポリシーまたは Outlook 2013 テンプレート (Outlk14.adm) を使用して構成できます。添付ファイルのほとんどのセキュリティ設定は、[ユーザーの構成]\[管理用テンプレート]\[Microsoft Outlook 2010]\[セキュリティ]\[セキュリティ フォーム設定]\[添付ファイル セキュリティ] で行います。添付ファイル セキュリティのカスタマイズを禁止する設定と、内部の送信者から受け取った添付ファイルを表示するときに保護されたビューを使用する設定は、[ユーザーの構成]\[管理用テンプレート]\[Microsoft Outlook 2010]\[セキュリティ] で行います。添付ファイルのセキュリティ設定は、Office カスタマイズ ツール (OCT) では構成できません。

保護されたビューの詳細については、「Office 2010 の保護されたビューの設定を計画する」を参照してください。

Outlook 2013 管理用テンプレートをダウンロードする方法について、およびその他の Office 2010 管理用テンプレートについては、「Office 2010 管理用テンプレート ファイル (ADM、ADMX、ADML) および Office カスタマイズ ツール」を参照してください。グループ ポリシーの詳細については、「Office 2010 のグループ ポリシーの概要」および「Office 2010 でグループ ポリシーを使用して設定を適用する」を参照してください。

レベル 1 のファイル名拡張子を追加または削除する

レベル 1 のファイルは、ユーザーに対して非表示とされます。レベル 1 の添付ファイルを開く、保存する、または印刷することはできません (レベル 1 の添付ファイルをレベル 2 に下げることをユーザーに許可した場合は、レベル 2 の制限がファイルに適用されます)。ブロック対象の添付ファイルが電子メール メッセージまたは予定に添付されて受信されると、アイテムの上部に表示される情報バーに、ブロックされるファイルの一覧が示されます (ユーザー設定フォームには情報バーが表示されません)。レベル 1 の一覧からファイルの種類を削除すると、その種類の添付ファイルはブロックされなくなります。レベル 1 に分類されるファイルの種類の一覧については、「Outlook 2010 で制限される添付ファイルの種類」を参照してください。

以下の表は、既定のレベル 1 の一覧に対してファイルの種類を追加または削除できる設定を示しています。グループ ポリシーでは、これらは、[ユーザーの構成]\[管理用テンプレート]\[Microsoft Outlook 2010]\[セキュリティ]\[セキュリティ フォーム設定]\[添付ファイル セキュリティ] の下で設定します。これらの設定は、OCT からは構成できません。

オプション 説明

レベル 1 のブロックを適用するファイル拡張子を追加する

レベル 1 のファイルの一覧に追加するファイルの種類を指定します (通常は 3 文字) 。ファイル名拡張子の前にピリオド (.) を入力しないでください。複数のファイル名拡張子を入力するには、セミコロン (;) で区切ります。

レベル 1 のブロックを適用するファイル拡張子を削除する

レベル 1 のファイルの一覧から削除するファイルの種類を指定します (通常は 3 文字) 。ファイル名拡張子の前にピリオド (.) を入力しないでください。複数のファイル名拡張子を入力するには、セミコロン (;) で区切ります。

レベル 2 のファイル名拡張子を追加または削除する

ファイルの種類がレベル 2 の場合、ユーザーはファイルを開く前にハード ディスクに保存する必要があります。レベル 2 のファイルをアイテムから直接開くことはできません。

ファイルの種類をレベル 2 の一覧から削除すると、その種類のファイルは Outlook 2013 で開く、保存する、および印刷できる通常のファイルの種類となります。ファイルに関する制限はなくなります。

以下の表は、既定のレベル 2 の一覧に対してファイルの種類を追加または削除できる設定を示しています。グループ ポリシーでは、これらは、[ユーザーの構成]\[管理用テンプレート]\[Microsoft Outlook 2010]\[セキュリティ]\[セキュリティ フォーム設定]\[添付ファイル セキュリティ] の下で設定します。これらの設定は、OCT からは構成できません。

オプション 説明

レベル 2 のブロックを適用するファイル拡張子を追加する

レベル 2 のファイルの一覧に追加するファイルの種類を指定します (通常は 3 文字) 。ファイル名拡張子の前にピリオド (.) を入力しないでください。複数のファイル名拡張子を入力するには、セミコロン (;) で区切ります。

レベル 2 のブロックを適用するファイル拡張子を削除する

レベル 2 のファイルの一覧から削除するファイルの種類を指定します (通常は 3 文字) 。ファイル名拡張子の前にピリオド (.) を入力しないでください。複数のファイル名拡張子を入力するには、セミコロン (;) で区切ります。

追加の添付ファイル制限を構成する

以下の表は、グループ ポリシーを使用して添付ファイルに構成できる追加の設定を示しています。グループ ポリシーでは、これらは、[ユーザーの構成]\[管理用テンプレート]\[Microsoft Outlook 2010]\[セキュリティ]\[セキュリティ フォーム設定]\[添付ファイル セキュリティ] の下で設定します。これらの設定は、OCT からは構成できません。

オプション 説明

レベル 1 の添付ファイルを表示する

レベル 1 のファイルの種類に分類されるすべての添付ファイルへのアクセスを、ファイルを最初にディスクに保存した後で (レベル 2 の添付ファイルとして) 開く方法により、ユーザーに許可します。

添付ファイルをレベル 2 に下げることをユーザーに許可する

レベル 1 からレベル 2 に制限を下げる添付ファイル名拡張子の一覧を作成することをユーザーに許可します。このグループ ポリシー設定を構成しない場合、Outlook ではユーザーが作成した一覧が既定で無視されます。レベルを下げるファイルの種類の一覧を作成するときに使用するレジストリ キーは、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\14.0\Outlook\Security\Level1Remove です。このレジストリ キーに、レベル 1 のファイルの一覧から削除するファイル名拡張子を指定します (通常 3 文字)。複数の拡張子を指定するにはセミコロンで区切ります。

アイテムを送信するときにレベル 1 の添付ファイルに関する確認メッセージを表示しない

レベル 1 の添付ファイルが含まれるアイテムを送信するときに警告を表示しません。このオプションは、警告にのみ適用されます。アイテムの送信後、受信者が添付ファイルの表示またはアクセスを行えるかどうかは、受信者側のセキュリティ設定によって決定されます。アイテムをパブリック フォルダーに投稿するときに確認メッセージを表示しない場合は、この設定と [アイテムを閉じるときにレベル 1 の添付ファイルに関する確認メッセージを表示しない] 設定を有効にする必要があります。

アイテムを閉じるときにレベル 1 の添付ファイルに関する確認メッセージを表示しない

レベル 1 の添付ファイルが含まれる電子メール メッセージ、予定、またはその他のアイテムを閉じるときに警告を表示しません。このオプションは、警告にのみ適用されます。アイテムを閉じた後で、受信者は添付ファイルの表示またはアクセスを行えません。アイテムをパブリック フォルダーに投稿するときに確認メッセージを表示しない場合は、この設定と [アイテムを送信するときにレベル 1 の添付ファイルに関する確認メッセージを表示しない] 設定を有効にする必要があります。

OLE パッケージ オブジェクトを表示する

パッケージ化された OLE オブジェクトを表示します。パッケージは、埋め込みまたはリンク OLE オブジェクトを表すアイコンです。パッケージをダブルクリックすると、オブジェクトの作成に使用されたプログラムでオブジェクトが再生される (オブジェクトがサウンド ファイルの場合) か、オブジェクトが開かれて表示されます。アイコンは簡単に変更できるため、安全でないファイルの偽装に使用される可能性があります。Outlook で OLE パッケージ オブジェクトの表示を許可することは、お勧めしません。

以下の表は、[ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Outlook 2010\セキュリティ] にあるグループ ポリシー設定を示しています。これらの設定は、OCT からは構成できません。

処理 説明

添付ファイルのセキュリティ設定をユーザーが変更できないようにする

この設定を有効にすると、Outlook の他のセキュリティ設定の構成とは無関係に、Outlook で添付ファイルとして許可されたファイルの種類の一覧をカスタマイズすることが禁止されます。

内部の送信者から受信した添付ファイルに対して、保護されたビューを使用する

この設定を有効にすると、組織内の送信者から受け取られた添付ファイルは、保護されたビューで開かれます。この設定は、Microsoft Exchange Server が動作するコンピューターに接続する Microsoft Outlook アカウントのみに適用されます。