ローカル インストール ソースからセットアップを実行して Office 2010 をインストールする

 

適用先: Office 2010

トピックの最終更新日: 2011-07-01

Microsoft Office 2010 を組織に展開する場合、セットアップによって各ユーザーのコンピューターにローカル インストール ソースが作成され、その場所から Office がインストールされます。インストール処理におけるこの 2 つの部分を別々に実行すると、ネットワークの負荷を軽減できます。最初に、セットアップを実行してローカル インストール ソースをユーザーに配布し、後でもう一度セットアップを実行してインストールを完了します。

ローカル インストール ソースにはセットアップのコピーが含まれているため、もう 1 つ先の手順に進み、ネットワーク経由ではなくローカル インストール ソースから直接セットアップを実行します。この方法に従うと、ネットワークの負荷を最小限に抑えながら、すべてのユーザーを同時に新しいバージョンへとアップグレードします。

この記事の内容

  • セットアップを実行する

  • MSOCache フォルダー

  • Office 製品のダウンロード コード

セットアップを実行する

セットアップを実行するには、MSOCache\All Users 内で、インストールするコア製品を含むサブフォルダーを見つける必要があります。この記事で後述する「MSOCache フォルダー」を参照してください。Setup.exe は、コア製品ファイル <製品名>WW.msi (ProPlusWW.msi など) と同じフォルダー内にあります。たとえば、Microsoft Office Professional Plus 2010 の場合、コア製品ファイルは ProPlusWW.msi で、Setup.exe が保存されているフォルダーは {10140000-0011-0000-0000-0000000FF1CE}-<ドライブ>です。このフォルダーには、次のようなファイルがあります。

  • Office64WW.msi

  • Office64WW.xml

  • Ose.exe

  • Osetup.dll

  • OWOW64WW.cab

  • ProPsWW.cab

  • ProPlusWW.msi

  • ProPlusWW.xml

  • Pkeyconfig-office.xrm-ms

  • Setup.exe

  • Setup.xml

重要

後述するように、MSOCache から Setup.exe を実行するのは、Office 2010 の新規インストールの場合のみです。Office 2010 をインストールしようとしているコンピューターに 2007 Office system が既にインストールされている場合、この方法は機能しません。MSOCache フォルダーから Office 2010 をインストールして、2007 Office system から Office 2010 へのアップグレードを試みる場合、「このインストール パッケージの言語がシステムでサポートされていません。」 というエラーが表示されることがあります。
コンピューターに 2007 Office system がインストールされている場合は、2007 Office system 用の MSOCache フォルダーが存在します。Office 2010 のローカル インストール ソースをプリキャッシュした場合は、コンピューター上に Office 2010 用の MSOCache フォルダーが存在します。このように 2007 Office system と Office 2010 の両方の MSOCache フォルダーがコンピューター上に存在する場合は、Office 2010 キャッシュ フォルダー ({90140000-0011-0000-0000-0000000FF1CE}-C) が、コンピューター上の MSOCache フォルダーに対して、インストールできるすべての Office 製品に関するクエリを実行します。これにより、2007 Office system はインストール可能な製品として認識されるため、エラーが発生します。
Office 2010 をインストールしようとするコンピューターに 2007 Office system が既にインストールされている場合は、次の手順を実行してこの問題を回避できます。

  • インストールのプリキャッシュに使用した元のネットワーク インストール ポイント (ネットワーク共有) から Office 2010 のインストールを開始します。

  • 以前に cacheonly 動作の実行に使用したものと同じ Config.xml を使用していないことを確認してください。同じ Config.xml を使用している場合、インストールの実行ではなく、cacheonly 動作が繰り返されます。Config.xml ファイルを変更して cacheonly 行を削除するか、別の Config.xml ファイルを使用できます。

    MSOCache が既に存在することをインストールが検出するので、この方法では追加データがコンピューターにコピーされません。

(新しい Office 2010 インストールの) ローカル インストール ソースからセットアップを実行するには

  1. ローカル インストールをユーザーに配布します。

    この手順の詳細については、「Office 2010 のローカル インストール ソースをプリキャッシュする」を参照してください。

  2. インストールする Office 製品のダウンロード コードを探します。ダウンロード コードは、コア製品フォルダーの Setup.xml ファイルに含まれています。たとえば、この Office Professional Plus 2010 の場合は、LocalCache エントリを含む次の行を Setup.xml で探します。

    <LocalCache DownloadCode="{10140000-0011-0000-0000-0000000FF1CE}" SkuComponentDirectory="ProPlus.WW">

  3. ダウンロード コードに対応した MSOCache\All Users のサブフォルダーから Setup.exe を実行します。各ユーザーのコンピューター上の Setup.exe の場所は、相対パスで指定できます。

    たとえば、Microsoft Office Professional Plus 2010 のローカル インストール ソースを C ドライブに展開する場合は、次のコマンド ラインを使用します。

    C:\MSOCache\All Users\{10140000-0011-0000-0000-0000000FF1CE}-C \setup.exe

    ログイン ファイル、バッチ ファイルなど、どのような方法を使用して、ユーザーに Setup.exe コマンド ラインを送信することもできます。

MSOCache フォルダー

ローカル インストール ソースの既定の場所は、Office をインストールするドライブのルートにある \MSOCache\All Users です。セットアップは、ネットワーク インストール ポイントから MSOCache\All Users の下の個別のサブフォルダーに各パッケージをコピーします。コア製品パッケージ用のサブフォルダーには、既定でその製品のインストールを実行する Setup.exe のコピーが含まれています。MSOCache\All Users の下にあるサブフォルダーには、ネットワーク インストール ポイントで使用されるフォルダーの名前付け規則ではなく、各パッケージのダウンロード コードに従った名前が付けられています。

各ダウンロード コードの末尾に追加された文字 (前述の例では -C) は、その製品のローカル インストール ソースがインストールされているドライブを示します。ユーザーが複数の Office 製品を別々のドライブにインストールした場合は、各ドライブの MSOCache\All Users フォルダーにローカル インストール ソースが作成されます。ダウンロード コードのドライブ文字によって、指定した製品の正しい場所を Windows インストーラーで識別できます。

プリキャッシュのシナリオのみ、セットアップによって Updates フォルダーもネットワーク インストール ポイントからローカル インストール ソースにコピーされます。セットアップ カスタマイズ ファイル (.msp ファイル) とソフトウェア更新プログラム (.msp ファイル) の両方を Updates フォルダーに格納し、自動的にインストールに含めることができます。カスタマイズした内容を失わずに、オフライン インストールの利点を得ることができます。

Office 製品のダウンロード コード

各 Office 製品のダウンロード コードは、コア製品フォルダーの Setup.xml ファイルに記載されています。Office Professional Plus 2010 の場合、Setup.xml ファイル内のダウンロード コード行は次に示す例のようになっています。

<LocalCache DownloadCode="{10140000-0011-0000-0000-0000000FF1CE}" SkuComponentDirectory="ProPlus.WW">