Outlook 2010 で Exchange キャッシュ モードを構成する

更新日: 2012年10月

 

適用先: Office 2010

トピックの最終更新日: 2016-11-29

この記事では、Microsoft Outlook 2010 で Microsoft Exchange Server 電子メール アカウントに対して Exchange キャッシュ モードを構成する方法について説明します。

この記事の内容

  • 概要

  • はじめに

  • Exchange キャッシュ モードを構成する

    • Office カスタマイズ ツールを使用して Exchange キャッシュ モードの設定を構成するには

    • グループ ポリシーを使用して Exchange キャッシュ モードの設定を構成するには

    • グループ ポリシーを使用して .ost の既定の場所を構成するには

    • 非 Unicode ANSI 形式の .ost ファイルを Unicode 形式に強制的にアップグレードするには

概要

Outlook 2013 アカウントで Exchange キャッシュ モードを使用するように構成している場合、Outlook 2013 では、ユーザーのコンピューターのオフライン フォルダー ファイル (.ost ファイル) に格納されているユーザーの Exchange メールボックスのローカル コピーとオフライン アドレス帳 (OAB) が使用されます。キャッシュされたメールボックスと OAB は Exchange Server コンピューターとの間で定期的に更新されます。

Exchange キャッシュ モードは、Exchange Server の電子メール アカウントについてのみ構成できます。Exchange キャッシュ モードは、Outlook 2013 から接続できるすべてのバージョンの Exchange Server (つまり Exchange Server 2003 以降のバージョン) でサポートされています。

Exchange キャッシュ モードのオプションを構成しない場合、Exchange キャッシュ モードの現在の状態は、Microsoft Outlook を新しいバージョンにアップグレードしても既存のプロファイルについては変更されません。たとえば、ユーザー アカウントが Office Outlook 2003 または Microsoft Office Outlook 2007 で Exchange キャッシュ モードを使用するように構成されていた場合、このユーザーがソフトウェアを Outlook 2013 にアップグレードしても Exchange キャッシュ モードは有効のままになります。新しい .ost ファイルまたは OAB ファイルの場所は既定の場所です。Windows XP の場合、この場所は %userprofile%\Local Settings\Application Data\Microsoft\Outlook です。Windows Vista および Windows 7 の場合、この場所は %userprofile%\AppData\Local\Microsoft\Outlook です。

Exchange キャッシュ モードのいくつかのオプションを構成できます。たとえば、組織内で、Exchange キャッシュ モードで使用する .ost ファイルをまだ使用していないユーザー用の .ost ファイルの既定の場所を構成できます。別の .ost ファイルの場所を指定しない場合、ユーザーが Exchange キャッシュ モードで Outlook を起動したときに、Outlook で既定の場所に .ost ファイルが作成されます。

Outlook グループ ポリシー管理用テンプレート (Outlk14.adm) を使用して、Exchange キャッシュ モードをカスタマイズし、強制できます。または、Office カスタマイズ ツール (OCT) を使用して既定の設定を構成することもできます。その場合はユーザーが設定を変更できます。

はじめに

展開を開始する前に、「Outlook 2010 で Exchange キャッシュ モードの展開を計画する」および「Office 2010 の Office カスタマイズ ツール」を参照して、Exchange キャッシュ モード用に構成が必要となる可能性がある設定を確認してください。

Outlook 2013 管理用テンプレートをダウンロードするには、「Office 2010 Administrative Template files (ADM, ADMX, ADML) and Office Customization Tool (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=189316\&clcid=0x411) (英語) を参照してください。グループ ポリシーの詳細については、「Office 2010 のグループ ポリシーの概要」および「Office 2010 でグループ ポリシーを使用して設定を適用する」を参照してください。

OCT の詳細については、「Office 2010 の Office カスタマイズ ツール」を参照してください。

Exchange キャッシュ モード有効にしている以前のバージョンの Outlook から移行する場合は、ユーザーの .ost ファイルの形式が ANSI または Unicode のどちらであるかを調べます。「Outlook がオフライン フォルダー ファイルで使用しているモードを確認する方法」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=159924\&clcid=0x411) を参照してください。

Exchange キャッシュ モードを構成する

Exchange キャッシュ モードの設定を構成するには、次の手順を実行します。

Office カスタマイズ ツールを使用して Exchange キャッシュ モードの設定を構成するには

  1. Office カスタマイズ ツールのツリー ビューで、[Outlook] を探し、[アカウントの追加] をクリックします。閲覧ウィンドウの一覧の [アカウント名] 列で、構成するアカウントをクリックし、[変更] をクリックします。[Exchange の設定] ダイアログ ボックスが表示されます。

    OCT のツリー ビューで、[Outlook プロファイル] をクリックし、次に、[プロファイルの変更] または [新しいプロファイル] を選択して Exchange アカウントを追加し、Exchange Server の設定を構成する必要があります。

  2. ユーザーの Outlook データ ファイル (.ost) の新しい場所を指定するには、[Exchange の設定] ダイアログ ボックスで [詳細設定] をクリックし、[オフラインで使用できるようにする] をクリックして, .ost ファイルの場所のフォルダー パスとファイル名を入力します。または、[オフライン アドレス帳ファイルの保存先のパス] ボックスにパスを入力して、[OK] をクリックします。

  3. Exchange キャッシュ モードを有効または無効にしたり、Exchange キャッシュ モードを有効にしたときの既定のダウンロードの動作を指定したりするには、[キャッシュ モード] タブをクリックします。

  4. ユーザーに対して Exchange キャッシュ モードを有効にするには、[Exchange キャッシュ モードを構成する] を選択し、[Exchange キャッシュ モードを使用する] チェック ボックスをオンにします。[Exchange キャッシュ モードを使用する] チェック ボックスをオンにしていない場合、Exchange キャッシュ モードは既定で無効になります。

  5. 手順 4. で Exchange キャッシュ モードを有効にした場合は、[キャッシュ モード] タブで既定のダウンロード オプションを選択します。

    • [ヘッダーのみをダウンロードする]。ユーザーに対して、ヘッダー情報とメッセージまたはアイテムの本文の先頭部分 (256 KB のプレーン テキスト形式の情報バッファー) が表示されます。後で、いくつかの方法でアイテム全体をダウンロードできます。たとえば、ダブルクリックしてメッセージを開くか、閲覧ウィンドウの [メッセージの残りの部分を今すぐダウンロードする] をクリックします。

    • [ヘッダーに続いてアイテム全体をダウンロードする]。最初にすべてのヘッダーがダウンロードされた後、アイテム全体がダウンロードされます。ダウンロードの順序は時系列的ではない場合があります。ユーザーが現在アクセスしているフォルダーのヘッダーに続いてアイテム全体がダウンロードされ、次にユーザーが最近表示したフォルダーのヘッダーに続いてアイテム全体がダウンロードされます。

    • [アイテム全体をダウンロードする]。アイテム全体がダウンロードされます。低速接続回線でない限り、このオプションを使用することをお勧めします。ダウンロードの順序は時系列的ではない場合があります。ユーザーが現在アクセスしているフォルダーのアイテム全体がダウンロードされ、次にユーザーが最近表示したフォルダーのアイテム全体がダウンロードされます。

  6. ヘッダーのみのモードをオフにするには、[アイテム全体をダウンロードする] を選択し、[低速回線接続ではヘッダーのみをダウンロードする] チェック ボックスをオフにします。ヘッダーのみのダウンロードは、ユーザーの接続が低速である場合の既定の動作です。ユーザーのデータ スループットが高速であるときに Outlook で低速接続であると認識される場合や、その逆の場合があります。このような場合には、このオプションをオンまたはオフにします。

  7. Exchange キャッシュ モードでユーザーの .ost ファイルと同期するときに、メール フォルダー以外の共有フォルダーをダウンロードすることを無効にします。既定では、メール フォルダー以外の共有フォルダーはダウンロードされます。メール フォルダー以外の共有フォルダーをダウンロードすると、ユーザーの .ost ファイルのサイズが増加します。

  8. Exchange キャッシュ モードでユーザーの .ost ファイルと同期するときに、パブリック フォルダーのお気に入りをダウンロードします。既定では、パブリック フォルダーのお気に入りはダウンロードされません。メール フォルダー以外の共有フォルダーの場合と同様、パブリック フォルダーのお気に入りをダウンロードすると、ユーザーの .ost ファイルのサイズが増加します。また、パブリック フォルダーのお気に入りを同期すると、ネットワークのトラフィックが増加し、低速接続回線を使用するユーザーにとって適切ではない場合があります。

  9. Exchange キャッシュ モードを使用する共有メール フォルダーを有効にする必要がある場合は、次の操作を行います。

    1. OCT のツリー ビューで、[追加内容] を探し、[レジストリ エントリの追加] をクリックします。

    2. 閲覧ウィンドウで、[追加] をクリックします。

    3. 次の情報を入力します。

      ルート データ型 キー 値の名前 値データ

      HKEY_Current_User

      REG_SZ

      Software\Microsoft\Office\14.0\Outlook\CachedMode

      CacheOthersMail

      1

    4. [OK] をクリックします。

グループ ポリシーを使用して Exchange キャッシュ モードの設定を構成するには

  1. グループ ポリシーに Outlook 2013 テンプレート (Outlk14.adm) を読み込みます。

  2. Exchange キャッシュ モード オプションをカスタマイズするには、GPMC (グループ ポリシー管理コンソール) を開き、ツリー ビューで [ドメイン] を展開して、[グループ ポリシー オブジェクト] を展開します。

  3. 目的のポリシー オブジェクトを右クリックし、[編集] をクリックします。グループ ポリシー管理エディター ウィンドウが開きます。

  4. ツリー ビューで、[ユーザーの構成] を展開し、[ポリシー] を展開します。次に、[管理用テンプレート] を展開し、[従来の管理用テンプレート (ADM)] を展開します。さらに、[Microsoft Outlook 2010] を展開し、[アカウント設定] を展開して、最後に [Exchange] をクリックします。また、[Exchange] を展開し、[Exchange キャッシュ モード] をクリックすることもできます。

  5. 閲覧ウィンドウの [設定] 列で、設定するポリシーをダブルクリックします。たとえば、[Exchange] 閲覧ウィンドウで、[新規および既存の Outlook プロファイルで Exchange キャッシュ モードを使用する] をダブルクリックします。

  6. [有効にする] を選択し、必要に応じてオプションを選択します。

  7. [OK] をクリックします。

グループ ポリシーを使用して .ost の既定の場所を構成するには

  1. グループ ポリシーに Outlook 2013 テンプレート (Outlk14.adm) を読み込みます。

  2. .ost の既定の場所を構成するには、GPMC (グループ ポリシー管理コンソール) を開き、ツリー ビューで [ドメイン] を展開し、[グループ ポリシー オブジェクト] を展開します。

  3. 目的のポリシー オブジェクトを右クリックし、[編集] をクリックします。グループ ポリシー管理エディター ウィンドウが開きます。

  4. ツリー ビューで、[ユーザーの構成] を展開し、[ポリシー] を展開します。次に、[管理用テンプレート] を展開し、[従来の管理用テンプレート (ADM)] を展開します。さらに、[Microsoft Outlook 2010] を展開し、[その他] を展開して、最後に [PST 設定] をクリックします。

  5. [OST ファイルの既定の場所] をダブルクリックします。

  6. [有効] を選択してポリシーの設定を有効にします。

  7. [OST ファイルの既定の場所] ボックスに, .ost ファイルの既定の場所を入力します。たとえば、次のように入力します。

    %userprofile%\Local Settings\Application Data\Microsoft\新規フォルダー

  8. [OK] をクリックします。

    個人用 Outlook データ ファイル (.pst) と .ost ファイルの両方の新しい既定の場所を定義できます。ツリー ビューの [PST 設定] をクリックした後、閲覧ウィンドウの [PST ファイルと OST ファイルの既定の場所] の設定をクリックします。

非 Unicode ANSI 形式の .ost ファイルを Unicode 形式に強制的にアップグレードするには

  1. 既存の非 Unicode ANSI 形式の .ost ファイルを持つユーザーの場合、以下の手順を実行しても、ANSI 形式の .ost ファイルは Unicode 形式の .ost ファイルにアップグレードされません。この手順を実行すると、Unicode 形式でユーザー プロファイルの .ost ファイルが新しく作成され、ANSI 形式の元の .ost ファイルはそのまま残ります。

  2. ユーザーの .ost ファイルが ANSI または Unicode のどちらの形式であるかを調べるには、「Outlook がオフライン フォルダー ファイルで使用しているモードを確認する方法」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=159924\&clcid=0x411) を参照してください。

  3. グループ ポリシーに Outlook 2013 テンプレート (Outlk14.adm) を読み込みます。

  4. GPMC (グループ ポリシー管理コンソール) を開き、ツリー ビューで [ドメイン] を展開し、[グループ ポリシー オブジェクト] を展開します。

  5. 目的のポリシー オブジェクトを右クリックし、[編集] をクリックします。グループ ポリシー管理エディター ウィンドウが開きます。

  6. ツリー ビューで、[ユーザーの構成] を展開し、[ポリシー] を展開します。次に、[管理用テンプレート] を展開し、[従来の管理用テンプレート (ADM)] を展開します。さらに、[Microsoft Outlook 2010] を展開し、[アカウント設定] を展開して、最後に [Exchange] をクリックします。

  7. [Exchange Unicode モード - OST 形式を無視する] をダブルクリックします。

  8. [有効] を選択してポリシーの構成を有効にします。

  9. [既存の OST 形式によってメールボックスのモードを決定するかどうかを選択してください] ボックスの一覧の [形式とモードが一致しない場合、新しい OST を作成する] をクリックします。

  10. [OK] をクリックします。

  11. [Exchange Unicode モード - ユーザーに確認せずに OST 形式を変更する] をダブルクリックします。

  12. [有効] を選択してポリシーの構成を有効にし、[OK] をクリックします。

  13. [Exchange Unicode モード - ANSI モードをオフにする] をダブルクリックします。

  14. [有効] を選択してポリシーの構成を有効にし、[OK] をクリックします。

  15. ツリー ビューの [その他] で [PST 設定] を展開し、次に、閲覧ウィンドウで [優先する PST モード (Unicode/ANSI)] をクリックします。

  16. [有効] をクリックし、[新しい PST の既定の形式を選択してください] ボックスの一覧の [常に Unicode PST にする] をクリックして、[OK] をクリックします。