Office 2010 の言語のセットアップと設定をカスタマイズする
適用先: Office 2010
トピックの最終更新日: 2015-05-17
ここでは、Microsoft Office 2010 の展開時に複数言語バージョンの配布を管理する方法について説明します。
この記事の内容
概要
はじめに
既定の言語バージョンの Office を展開する
インストールする言語を指定する
ユーザー グループごとに異なる言語を展開する
インストールされている言語を確認する
言語設定をカスタマイズする
Office 2010 Proofing Tools Kit をカスタマイズおよびインストールする
概要
既定では、各ユーザーのコンピューターで設定された Windows ユーザー ロケールに適合する言語バージョンがセットアップによって自動的にインストールされます。この既定の動作を変更して、複数の言語バージョンの配布を詳細に管理することもできます。たとえば、以下の操作を実行できます。
単一のコンピューターに複数の言語をインストールする。
オペレーティング システムのユーザー ロケールで指定されている言語に関係なく、ユーザーのコンピューターにインストールする言語を指定する。
カスタム設定を 1 回指定して、組織内で展開するすべての言語バージョンにそのカスタム設定を適用する。
ユーザー グループごとに異なる言語を展開する。
追加言語について Microsoft Office 2010 Proofing Tools Kit を展開する。
詳細については、「Office 2010 の複数言語の展開を計画する」の「セットアップを計画する」を参照してください。
ユーザーが Office 2010 アプリケーションを初めて起動したときに、コンピューターにインストールされている言語および Windows ユーザー ロケール設定で指定されている言語に適合する既定の設定が、セットアップによって適用されます。ただし、グループ ポリシー、Office カスタマイズ ツール (OCT)、または言語設定ツールを使用して、言語設定を構成することもできます。詳細については、「Office 2010 の複数言語の展開を計画する」の「カスタマイズを計画する」を参照してください。
インストールされない言語または副校正言語をユーザーが使用する必要がある場合は、Office 2010 Proofing Tools Kit をカスタマイズできます。詳細については、「Office 2010 の複数言語の展開を計画する」の「校正ツールを計画する」を参照してください。
はじめに
展開に合わせて以下のどの手順を使用し、どのカスタマイズを行う必要があるかを判別するには、「Office 2010 の複数言語の展開を計画する」を参照してください。
既定の言語バージョンの Office を展開する
組織内のユーザーが全員同じ言語またはオペレーティング システムの言語と適合する言語の Office ファイルを使用する場合は、既定の言語バージョンの Office を展開できます。
以下の手順は、Office 2010 を展開する標準的手順と同様であり、テスト目的で含まれています。この手順の相違点は、言語パックをネットワーク上のインストール ファイルと同じ場所にコピーする必要がある点だけです。
既定の言語バージョンの Office をすべてのクライアント コンピューターに展開するには
ソース メディアからネットワークの共有フォルダーにすべてのファイルとフォルダーをコピーして、主要な Office 2010 製品のネットワーク インストール ポイントを作成します。
各言語パックのソース メディアからすべてのファイルとフォルダーをネットワークの同じ共有フォルダーにコピーし、重複するファイルを上書きするかどうかを確認するメッセージが表示されたら、[いいえ] をクリックします。
Office カスタマイズ ツール (OCT) を使用して、組織の要件に合わせてインストールを構成します。
カスタマイズの大半はコア製品に適用されるので、通常、各言語を個別にカスタマイズする必要はありません。インストールする言語に関係なく、セットアップによってインストール中にカスタマイズが適用されます。言語設定をカスタマイズする方法については、「言語設定をカスタマイズする」を参照してください。
ボリューム ライセンス契約によって入手した言語パックでは一意のプロダクト キーは必要ありません。インストール全体で必要なボリューム ライセンス キーは 1 つだけです。
セットアップのコマンド ラインで、展開する主要な Office 製品の Config.xml ファイルを指定します。
たとえば、以下のコマンド ラインでは、どの言語でも Microsoft Office Standard 2010 がインストールされます。
\\server\share\Office14\Setup.exe /config \\server\share\Office14\Standard.WW\Config.xml
ここで、Office14 はネットワーク インストール ポイントのルートです。
ネットワーク インストール ポイントのルートからセットアップを実行します。
セットアップによって、インストールする Office 製品に必要な言語固有の要素だけがインストールされます。言語パックを独立した製品として展開する場合を除き、セットアップでは言語パック全体はインストールされません。
インストールする言語を指定する
組織内のユーザーが複数の言語の Office ファイルを使用する場合や、オペレーティング システムの言語とは異なる言語の Office を必要とする場合は、必要なすべての言語を同時にインストールできます。
以下の手順は、Office 2010 を展開する標準的手順と同様であり、テスト目的で含まれています。この手順の相違点は、言語パックをネットワーク上のインストール ファイルと同じ場所にコピーし、Config.xml ファイルを編集してインストールする言語を指定する必要がある点です。
クライアント コンピューターにインストールする言語を指定するには
ソース メディアからネットワークの共有フォルダーにすべてのファイルとフォルダーをコピーして、主要な Office 2010 製品のネットワーク インストール ポイントを作成します。
各言語パックのソース メディアからすべてのファイルとフォルダーをネットワークの同じ共有フォルダーにコピーし、重複するファイルを上書きするかどうかを確認するメッセージが表示されたら、[いいえ] をクリックします。
インストールする製品のコア製品フォルダーにある Config.xml ファイルを探します。
たとえば、Office Standard 2010 をインストールする場合は、Standard.WW フォルダーにある Config.xml ファイルを探します。
メモ帳などのテキスト エディターを使用して、Config.xml ファイルを開きます。
<AddLanguage> 要素を追加します。
Id 属性の値を、インストールする言語に対応する言語タグに設定します。追加の <AddLanguage> 要素と属性を含めることによって、複数の言語を指定できます。
<AddLanguage> 要素の <ShellTransform> 属性を設定することによって、シェル ユーザー インターフェイス (シェル UI) で使用する言語を指定します。
たとえば、セットアップで英語とフランス語の両方をインストールすることを指定し、英語を既定のインストール言語として指定するには、以下の要素を追加します。
<AddLanguage Id="en-us" ShellTransform="yes"/> <AddLanguage Id="fr-fr" />
既定のインストール言語とシェル UI をオペレーティング システムの言語と同じ言語にし、各ユーザーが英語とフランス語の両方の Office をインストールするように設定する場合、Config.xml ファイルのコードは以下のようになります。
<AddLanguage Id="match" ShellTransform="yes"/> <AddLanguage Id="en-us" /> <AddLanguage Id="fr-fr" />
複数の <AddLanguage> 要素を追加する場合は、ShellTransform 属性の値を指定する必要があります。この手順を省略すると、インストールに失敗します。
セットアップでユーザーの Windows ユーザー ロケールの言語と一致する言語をインストールすることを指定するには、Config.xml ファイルに以下の行を追加します。
<AddLanguage Id="match" />
この場合、セットアップでは、指定したすべての言語と、ユーザー ロケールに一致する言語 (その言語が異なるとき) がインストールされます。
Config.xml ファイルを保存します。
Office カスタマイズ ツール (OCT) を使用して、組織の要件に合わせてインストールを構成します。
言語設定をカスタマイズする方法については、「言語設定をカスタマイズする」を参照してください。
Setup.exe を実行し、編集した Config.xml ファイルのパスを指定します。
絶対パスを指定する必要があります。たとえば、「\\server\share\Office14\setup.exe /config\\server\share\Office14\Standard.WW\Config.xml」のように指定します。
ここで、Office14 はネットワーク インストール ポイントのルートです。
ユーザー グループごとに異なる言語を展開する
ユーザー グループごとに、異なる言語の Office を展開できます。たとえば、東京にある現地法人で英語と日本語の Office Standard 2010 ドキュメントを使用する必要があり、ヨーロッパの現地法人では英語、フランス語、およびドイツ語が必要であるとします。この場合、ユーザー グループごとに固有の Config.xml ファイルを作成します。
以下の手順は、Office 2010 を展開する標準的手順と同様であり、テスト目的で含まれています。この手順の相違点は、言語パックをネットワーク上のインストール ファイルと同じ場所にコピーし、グループごとに Config.xml ファイルを作成および編集してインストールする言語を指定し、Config.xml ファイルをそれぞれのグループに展開する必要がある点です。
ユーザー グループごとに異なる言語を展開するには
インストールする製品のコア製品フォルダーにある Config.xml ファイルを探します。
たとえば、Office Standard 2010 をインストールする場合は、Standard.WW フォルダーにある Config.xml ファイルを探します。
メモ帳などのテキスト エディターを使用して、Config.xml ファイルを開きます。
<AddLanguage> 要素を探し、前に説明したように、このユーザー グループ用にインストールする言語一式を指定します。
注意
前に説明したように、<AddLanguage> 要素の <Shell UI> 属性も設定する必要があります。
一意のファイル名を付けて Config.xml ファイルを保存します。
次のユーザー グループについて、この手順を繰り返します。
OCT を使用して、組織の要件に合わせてインストールを構成します。
言語設定をカスタマイズする方法については、「言語設定をカスタマイズする」を参照してください。
ユーザー グループごとに Office を展開し、それぞれについて、セットアップのコマンド ラインで、対応する Config.xml ファイルを指定します。たとえば、
「\\server\share\Office14\setup.exe /config\\server\share\Office14\Standard.WW\SubAConfig.xml」、
「\\server\share\Office14\setup.exe /config\\server\share\Office14\Standard.WW\SubBConfig.xml」のように指定します。
ここで、Office14 はネットワーク インストール ポイントのルートです。
インストールされている言語を確認する
Office 2010 用にインストールされている言語のリストは、言語パックを初めてインストールしたときか別途インストールしたときに、以下のレジストリ キーで確認できます。このレジストリ キーには、有効になっている各言語の LCID が示されます。
HKCU\Software\Microsoft\Office\14.0\Common\LanguageResources\EnabledLanguages
ユーザー インターフェイス (UI) 言語とフォールバック言語は、以下のレジストリ キーで確認できます。
HKCU\Software\Microsoft\Office\14.0\Common\LanguageResources
Office 2010 のすべてのアプリケーションに共有のレジストリ データ セットを使用してアプリケーションの UI 言語が決定されていますが、すべてのアプリケーションが同じ UI 言語で表示されるとは限りません。通常、Office 2010 のアプリケーションは、このレジストリ キーの UILanguage エントリの値で示された UI 言語で表示されます。ただし、これとは異なる状況の場合もあります。たとえば、Microsoft Word 2010 と Microsoft Excel 2010 はフランス語でインストールされ、それ以外の Office アプリケーションは他の言語でインストールされているような展開の場合です。この場合、他のアプリケーションではこのレジストリ キーの UIFallback リストが参照され、インストールされている構成に対応する最初の言語が使用されます。
言語設定をカスタマイズする
グループ ポリシーを使用して言語設定を適用する
ポリシーを使用すると、既定の言語設定を強制的に適用できます。ポリシーによって管理されている設定を組織内のユーザーが永続的に変更することはできません。設定はユーザーがログオンするたびに再適用されます。
グループ ポリシーを使用して言語設定を管理するには
Office 2010 ポリシー テンプレート ファイルをコンピューターにコピーします。
コンソール ツリーで、[コンピューターの構成] または [ユーザーの構成] の下にある [管理用テンプレート] を右クリックします。
[テンプレートの追加と削除] をクリックし、[追加] をクリックします。
[ポリシー テンプレート] ダイアログ ボックスで、追加するテンプレートをクリックし、[開く] をクリックします。
必要なテンプレートを追加したら、[閉じる] をクリックします。
ポリシーを設定する対象のグループ ポリシー オブジェクト (GPO) を開きます。
[コンピューターの構成] または [ユーザーの構成] をダブルクリックし、[管理用テンプレート] の下のツリーを展開します。
[Microsoft Office 2010 system\言語設定] ノードで、言語に関連したポリシーを探します。
各設定に使用する言語を選択します。
GPO を保存します。
セットアップ カスタマイズ ファイルを使用して既定の言語設定を指定する
OCT を使用してセットアップ カスタマイズ ファイル (.msp ファイル) を作成し、それをインストール時にセットアップで適用できます。OCT で指定した設定は既定の設定です。ユーザーはインストール後に既定の設定を変更できます。
OCT を使用して言語設定をカスタマイズするには
/admin コマンド ライン オプションを指定してセットアップを実行することによって、OCT を起動します。
[ユーザー設定の変更] ページでツリーを展開し、[Microsoft Office 2010 system\言語設定] を表示します。
ナビゲーション ウィンドウで目的のフォルダーを開きます。右側のウィンドウで設定をダブルクリックし、[有効] を選択して、値を指定します。
ネットワーク インストール ポイントのルートにある Updates フォルダーにセットアップ カスタマイズ ファイルを保存します。
保存したファイルは、ユーザーのコンピューターに Office をインストールするときに、セットアップによって自動的に適用されます。
OCT を使用する方法の詳細については、「Office 2010 の Office カスタマイズ ツール」を参照してください。
言語設定ツールを使用して言語設定を変更する
ポリシーによる言語設定の適用を行わない場合、Office アプリケーションで作業するユーザーは、言語設定ツールを使用して言語設定を変更できます。
言語設定ツールを使用して言語設定を変更するには
[スタート] ボタンをクリックし、[プログラム] をポイントします。次に、[Microsoft Office] をポイントし、[Microsoft Office 2010 ツール] をポイントします。
[Microsoft Office 2010 言語設定] をクリックします。
[編集言語の選択] セクションの下部にある言語の一覧から、編集に使用する言語を選択し、[追加] をクリックします。追加する編集言語ごとにこの手順を繰り返します。
[編集言語の選択] セクションで、Office のアプリケーションとドキュメントで最もよく使用する言語を選択し、[既定に設定] をクリックします。
[表示言語とヘルプ言語の選択] セクションの [表示言語] で、Office アプリケーションのボタンやタブの表示に使用する言語を選択し、[既定に設定] をクリックします。
[ヘルプ言語] で、Office アプリケーションのヘルプの表示に使用する言語を選択し、[既定に設定] をクリックします。
ヘルプ言語を指定しなかった場合は、オンライン ヘルプ言語に表示言語が使用されます。
注意
ユーザーは、コンピューターにインストールされていない言語を使用するための機能を有効にできます。たとえば、韓国語を編集言語として選択する場合は、韓国語の校正ツールがインストールされていなくても、Word のアジア言語および韓国語の機能を有効にできます。オペレーティング システムでその言語のサポートを有効にする必要があります。
Office 2010 Proofing Tools Kit をカスタマイズおよびインストールする
ここでは、Office 2010 Proofing Tools Kit をカスタマイズおよびインストールする方法について説明します。
注意
必要な校正言語が少ない場合には、1 つまたは 2 つの言語パックをインストールするだけで、必要な校正ツール言語がすべて使用できるようになることもあります。各言語バージョンの Office 2010 には、一連の副言語の校正ツールが含まれています。詳細については、「Office 2010 の複数言語の展開を計画する」の「校正ツールを計画する」を参照してください。
Office 2010 Proofing Tools Kit をカスタマイズする
インストールする校正ツール言語は、Proof.WW セットアップ ファイルの config.xml で指定できます。使用する OptionState 属性と ID の一覧については、「Office 2010 の複数言語の展開を計画する」の「校正ツールを計画する」を参照してください。
セットアップを校正ツールについてカスタマイズするには
ProofKit.WW フォルダーにある Config.xml ファイルを探します。
メモ帳などのテキスト エディターを使用して、Config.xml ファイルを開きます。
インストールする必要のない校正ツールごとに、OptionState 要素の State 属性を Absent に設定します。たとえば、カタルニア語の校正ツールをインストールしないようにするには、以下の構文を使用します。
<OptionState Id="ProofingTools_1027" State="Absent" Children="force"/>
展開する校正ツールの State 属性を Local に設定します (必要に応じて、Default または Advertise にすることもできます)。たとえば、バスク語の校正ツールを展開するには、以下の構文を使用します。
<OptionState Id="ProofingTools_1069" State="Local" Children="force"/>
Config.xml ファイルを保存します。
Setup.exe を実行し、編集した Config.xml ファイルのパスを指定します。
絶対パスを指定する必要があります。たとえば、「\\server\share\Office14\Proof.WW\setup.exe /config\\server\share\Office14\Proof.WW\Config.xml」のように指定します。
ここで、Office14 はネットワーク インストール ポイントのルートです。
単一のコンピューターに Office Proofing Tools Kit 2010 をインストールする
校正ツールを必要とするユーザーが 1 人または 2 人の場合は、Office 2010 Proofing Tools Kit から個別のコンピューターに校正ツールをインストールできます。
単一のコンピューターに Office Proofing Tools Kit 2010 をインストールするには
Office 2010 Proofing Tools Kit CD の Setup.exe を実行します。
マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項を読んで同意してから、[続行] をクリックします。
使用できるすべての言語の校正ツールをインストールするには、[今すぐインストール] をクリックします。インストールが開始されます。個々の言語を個別にインストールする場合は、[カスタマイズ] をクリックします。
[カスタマイズ] を選択した場合は、[ファイルの場所] タブと [ユーザー情報] タブをクリックし、必要に応じて情報を変更します。[インストール オプション] タブで、インストールする言語のノード (プラス (+) 記号) をクリックし、ドロップダウン矢印をクリックして適切なインストール状況を設定します。
[インストール] をクリックします。