Office 2010 の Office Migration Planning Manager Offscan.ini の設定
適用先: Office 2010
トピックの最終更新日: 2016-11-29
この記事の Offscan.ini 設定表では、Offscan.ini ファイルで指定できる設定と値について説明します。Offscan.ini は、Office Migration Planning Manager (OMPM) ファイル スキャナーに読み込まれ、OMPM ファイル スキャナーのスキャン方法を決定する構成ファイルです。Offscan.ini ファイルは、OMPM ファイル スキャナーを実行する前に編集する必要があります。
OMPM ファイル スキャナーは、ファイル セットを RunID ごとに 1 回スキャンします。RunID は、offscan.ini 内のこの設定に割り当てる一意の ID 番号です。RunId は 1 回のスキャンを指定します。同じファイル セットを再度スキャンするときは、異なる RunID を指定します。
Offscan.ini の設定一覧
次の表に offscan.ini の設定と値を示します。
設定 | 必須か | 説明 | 指定できる値 | 値を指定しなかった場合 | 値が無効な場合 |
---|---|---|---|---|---|
[Run] |
必須かどうか |
スキャン実行識別子を定義します。 |
セクション見出し。 |
スキャンが停止します。 |
該当なし |
RunID= |
必須かどうか |
現在のスキャンの追跡番号。さまざまなコンピューターのスキャンをレポートにまとめるときに使用します。 RunID の用途は、OMPM レポート データベース内のスキャン結果を一意に識別することです。1 つの RunID は、各クライアント コンピューターで一度しか使用できません。こうすることで、重複するログ情報が生成されるのを防いでいます。それ以降のスキャンを実行するには別の RunID を使用します。 |
1 ~ 2,147,483,646。既定値は 1001 です。 |
スキャンが終了します。同じクライアント コンピューターで以前に使用された RunID が値に指定された場合、スキャンは直ちに終了し、"The scan with the specified RunID has already been completed on this Computer for this User. Scan Complete" というメッセージが表示されます。 |
スキャンを終了します。 |
Description= |
省略可 |
現在のスキャンを説明するテキスト。 |
自由形式のテキスト (255 文字で切り捨てられます)。 |
無視します。 |
該当なし |
[Scan] |
必須かどうか |
実行するスキャン アクションを定義します。 |
セクション見出し。 |
スキャンが停止します。 |
該当なし |
DestinationPath= |
必須かどうか |
ログ ファイルの保存先パス。 |
物理ドライブかマップされたドライブ、または UNC (たとえば、c:\scan\logs や \\server\logshare)。 既定の場所は c:\ompm\scandata です。 環境変数を使用できるのはローカル スキャンの場合のみです (この表の後の「メモ」を参照)。 |
スキャンを終了し、使用方法をコンソールに表示します。 |
ディレクトリが存在しない場合は、構成どおりにディレクトリが作成されます。パス全体が誤っている場合は、コンピューター上にエラーが表示され、スキャンが停止します。 |
ScanMyDocuments |
省略可 |
SourcePath で指定したパスになくても (別のハード ディスク ドライブやネットワーク共有にリダイレクトされる場合にも) ユーザーの [マイ ドキュメント] フォルダーがスキャンされるようにします。 |
1 - [マイ ドキュメント] がどの場所にあってもスキャンします。 0 - SourcePath で指定したパスにない場合は、[マイ ドキュメント] をスキャンしません。 既定値は 0 です。 |
[マイ ドキュメント] フォルダーに対して特別な処理を行いません。 |
無視します。 |
ScanDesktop |
省略可 |
SourcePath で指定したパスになくても (別のハード ディスク ドライブやネットワーク共有にリダイレクトされる場合にも) ユーザーの [デスクトップ] フォルダーがスキャンされるようにします。省略可能。 |
1 - [デスクトップ] がどの場所にあってもスキャンします。 0 - SourcePath で指定したパスにない場合は、[デスクトップ] をスキャンしません。 既定値は 0 です。 |
[デスクトップ] フォルダーに対して特別な処理を行いません。 |
無視します。 |
DeepScan= |
省略可 |
ディープ スキャンかどうかを指定します。OMPM スキャナーでファイル互換性の変更を検索するには、ディープ スキャンを有効にする必要があります。 |
0 - 簡易スキャンを実行します。 1 - ディープ スキャンを実行します。 既定値は 1 です。 |
簡易スキャンを実行します。 |
簡易スキャンを実行します。 |
CABLogs= |
省略可 |
CAB ファイルの作成を無効にします。 |
0 - CAB ファイルの作成を許可しません。 1 - CAB ファイルの作成を許可します。 既定値は 0 です。 |
CAB ファイルを作成しません。 |
CAB ファイルを作成しません。 |
Verbose= |
省略可 |
スキャン アクティビティを画面に表示するかどうかを指定します。 |
0 - 画面に出力を表示しません。 1- 画面に出力を表示します。 既定値は 1 です。 |
画面に出力を表示しません。 |
画面に出力を表示しません。 |
Recovery= |
省略可 |
OMPM ファイル スキャナーを再度実行するとき、失敗したスキャンを再開します。 |
0 - 失敗したスキャンを再開しません。 1 - 失敗したスキャンを再開します。 既定値は 1 です。 |
失敗したスキャンを再開しません。 |
失敗したスキャンを再開しません。 |
LogOutput= |
省略可 |
出力をファイルに書き込むかどうかを指定します。 |
0 - 出力をファイルに書き込みません。 1 - 出力をファイルに書き込みます。 既定値は 1 です。 |
出力をファイルに書き込みません。 |
出力をファイルに書き込みません。 |
SkipOldAccessedFiles |
省略可 |
ファイルの最終アクセス日に基づいて、スキャン フィルターを有効にします。有効にした場合、指定した日付よりも最終アクセス日が古いファイルは、スキップ対象のファイルとして記録されます。それらのファイルはスキャンされません。 この設定は、ディープ スキャンが有効になっている場合 (DeepScan=1) のみ使用されます。ライト スキャン時 (DeepScan=0) にはこの設定は無視されます。 |
1 - 最終アクセス日が OldAccessedDate より古い日付のファイルをスキップします。 0 - 最終アクセス日に基づいて古いファイルをスキップしません。 既定値は 0 です。 |
どのファイルもスキップされません。 |
どのファイルもスキップされません。 |
OldAccessedDate |
省略可 |
最終アクセス日によるファイル スキャンのフィルターに使用する日付を定義します。SkipOldAccessedFiles 設定を使用して有効にする必要があります。日付の形式は YYYY/MM/DD です。 |
有効な日付。 既定値は 2005/01/01 です。 |
どのファイルもスキップされません。 |
スキャンが停止します。 |
SkipOldModifiedFiles |
省略可 |
ファイルの最終更新日に基づいて、スキャン フィルターを有効にします。有効にした場合、指定した日付よりも最終更新日が古いファイルは、スキップ対象のファイルとして記録されます。それらのファイルはスキャンされません。 この設定は、ディープ スキャンが有効になっている場合 (DeepScan=1) のみ使用されます。ライト スキャン時 (DeepScan=0) にはこの設定は無視されます。 |
1 - 最終更新日が OldModifiedDate より古い日付のファイルをスキップします。 0 - 最終更新日に基づいて古いファイルをスキップしません。 既定値は 0 です。 |
どのファイルもスキップされません。 |
どのファイルもスキップされません。 |
OldModifiedDate |
省略可 |
最終更新日によるファイル スキャンのフィルターに使用する日付を定義します。SkipOldModifiedFiles 設定を使用して有効にする必要があります。日付の形式は YYYY/MM/DD です。 |
有効な日付。 既定値は 2005/01/01 です。 |
どのファイルもスキップされません。 |
スキャンが停止します。 |
VerboseSkipping |
省略可 |
スキップ対象のファイルをスキャン中に画面に表示するかどうかを定義します。 |
1 - スキップ対象のすべてのファイルが表示されます。 0 - スキップ対象のファイルは表示されません。 既定値は 1 です。 |
スキップ対象のファイルは表示されません。 |
スキップ対象のファイルは表示されません。 |
ScanMacros |
省略可 |
ファイルをスキャンしてマクロ VBA コードを調べ、現在のバージョンから Office 2010 でのオブジェクト モデルの潜在的な変更点の数を確認するかどうかを指定します。 |
1 - スキャン対象の種類のファイル内のマクロをスキャンして、API やオブジェクト モデルの互換性の問題がないか調べます。マクロが含まれるファイルのスキャン所要時間は長くなります。したがって、大量のマクロが含まれるドキュメント セットをスキャンすると、長い時間がかかる場合があります。 0 - マクロをスキャンして API やオブジェクト モデルの問題を確認しません。 既定値は 0 です。 |
マクロの問題についてファイルはスキャンされません。 |
マクロの問題についてファイルはスキャンされません。 |
ScanMacrosx64 |
省略可 |
マクロ VBA コードをスキャンして、現在のバージョンから 64 ビット版の Office 2010 での潜在的な変更点の数を確認するかどうかを指定します。 |
1 - スキャン対象の種類のファイル内のマクロをスキャンして、API やオブジェクト モデルの互換性の問題がないか調べます。マクロが含まれるファイルのスキャン所要時間は長くなります。したがって、大量のマクロが含まれるドキュメント セットをスキャンすると、長い時間がかかる場合があります。 0 - マクロをスキャンして API やオブジェクト モデルの問題を確認しません。 既定値は 0 です。 |
64 ビットのマクロの問題についてファイルはスキャンされません。 |
64 ビットのマクロの問題についてファイルはスキャンされません。 |
[FoldersToScan] |
省略可 |
スキャン対象のフォルダー ツリーを指定するセクション。サブフォルダーもスキャンされます。 |
セクション見出し。 環境変数を使用できるのはローカル スキャンの場合のみです (この表の後の「メモ」を参照)。 |
スキャン用に指定されているフォルダーが存在しない場合は、OMPM ファイル スキャナーはエラー メッセージを生成してスキャンを停止します。 |
|
Folder= |
省略可 |
スキャン対象に含めるフォルダーを指定します。このフォルダーとサブフォルダー内のすべてのファイルがスキャンされます。スキャン対象に含めるフォルダー (およびそのフォルダーに含まれるサブフォルダー) ごとに Folder エントリを追加できます。 ローカル ドライブ、UNC パス、または WebDAV パスを定義します。 |
例: ローカル: C:\samplefolder または C:\%localappdata% サーバー: \\servername\share WebDAV(SharePoint): \\server\DAVwwwRoot 既定では値は指定されません。 |
OMPM ファイル スキャナーは、ローカルのすべての物理ドライブをスキャンします。 |
OMPM ファイル スキャナーは、無効なパスを無視してログに記録し、定義された残りのフォルダーのスキャンを続行します。有効なフォルダーが定義されていない場合、OMPM ファイル スキャナーはローカルのすべての物理ドライブをスキャンします。 |
[FoldersToExclude] |
省略可 |
スキャン対象から除外するフォルダーを指定するセクション。サブフォルダーも除外されます。コンピューターに存在しないフォルダーが [FoldersToExclude] に含まれていると、スキャンは停止します。 |
セクション見出し。 環境変数を使用できるのはローカル スキャンの場合のみです (この表の後の「メモ」を参照)。 |
どのフォルダーもスキャン対象から除外されません。 |
FoldersToScan と FoldersToExclude に同じフォルダーが指定されている場合、tblErrors にエラーが書き込まれ、スキャンは終了します。 エラーは次のとおりです。 "Error: Cannot include and exclude the same path. Make sure each path only appears once in the config file." スキャンは中止されます。 |
Folder= |
省略可 |
スキャン対象から除外するフォルダーを指定します。このフォルダーとサブフォルダー内のすべてのファイルがスキャンされます。省略可能。 |
ローカル ドライブ、UNC パス、または WebDAV パスを定義します。 環境変数を使用できるのはローカル スキャンの場合のみです (この表の後の「メモ」を参照)。 スキャン対象から除外するフォルダーごとに Folder エントリを追加できます。 例: ローカル: C:\samplefolder または C:\%localappdata% サーバー: \\servername\share WebDAV(SharePoint): \\server\DAVwwwRoot 既定値は指定されていません。 |
OMPM は、[FoldersToScan] セクションの定義に従ってファイルをスキャンします。どのフォルダーもスキャン対象から除外されません。 |
無効なパスは無視してログに記録し、定義された残りのフォルダーのスキャンを続行します。 |
[Network] |
省略可 |
ネットワーク経由でスキャンする場合は、[Network] セクションを使用して、いくつかの制限付きエラーで再試行します。 再試行が成功しない場合は、エラーがログに記録されてスキャンが続行されます。 |
セクション見出し。 |
再試行を試みません。 |
再試行を試みません。 |
RetryCount |
省略可 |
次のファイルに移動するまでの、ファイルあたりの再試行回数。 |
整数。 既定値は 10 です。 |
||
RetryInterval |
省略可 |
次の再試行まで待機する間隔 (ミリ秒)。 |
整数。 既定値は 1000 です。 |
||
RetryTimeout |
省略可 |
スキャン停止まで連続して再試行するファイルの数。省略可能。 |
整数。 0 - ファイル数は無制限です。 既定値は 10 です。 |
||
[Application] |
必須かどうか |
各 Office アプリケーションに固有の設定を記述するセクション。 |
セクション見出し。 Access Excel PowerPoint Project Publisher Visio Word |
このセクションがない場合、アプリケーションのドキュメント ファイルはスキャンされません。 |
[Application] が既知の値でない場合、このセクションは無視されます。 |
Ext= |
必須かどうか |
アプリケーションでスキャンする拡張子の一覧を指定します。[Application] を指定した場合は必須です。OMPM ファイル スキャナーでスキャンされるファイルの種類の一覧については、「Office 2010 用の Office Migration Planning Manager の概要」を参照してください。 拡張子はアプリケーションごとに定義します。 |
たとえば、"doc" や "dot" ("." を付けないカンマ区切りの一覧) を指定します。特定のドキュメントの種類について他の拡張子を使用している場合、拡張子を追加できます (Word のレター文書に付ける .LET など)。 注意 OpenXML 形式のファイル (.xlsx, .pptx, .docx) は、この設定に明示的に追加されない限り、OMPM ファイル スキャナーによってスキャンされません。 アプリケーションごとの既定値: Access: mdb、mde、mdz、adp、ade、mdt、mda、accda、accdb、accdr、accdu、accde、accdt、accdc Excel: xls、xlt、xla、XLC、XLM、xlsm、xltm PowerPoint: ppt、pot、pps、ppa、pptm、ppam、potm Project: mpp、mpt Publisher: pub Visio: vsd、vss、vst、vdx、vtx、vsx Word: doc、dot、wiz、docm、dotm |
[Application] セクションで Ext= の値を指定しなかった場合、OMPM ファイル スキャナーはファイルをスキャンせずに終了します。 |
ファイルの種類は無視されます。 |
[Access] |
省略可 |
Access の構成設定。 |
セクション見出し。 |
||
ScanDAO= |
省略可 |
スキャン対象の Access データベースからデータ アクセス オブジェクト (DAO) のプロパティを収集するかどうかを指定します。 |
0 - DAO のプロパティを収集しません。 1 - DAO のプロパティを収集します。 既定値は 1 です。 |
DAO のプロパティを収集します。 |
DAO のプロパティを収集します。 |
AccessScan= |
省略可 |
スキャン対象の Access データベースから Access のプロパティを収集するかどうかを指定します。Access のプロパティを収集するには、OMPM ファイル スキャナーを実行しているコンピューターに Access 95 以降をインストールしておく必要があります。autoexec マクロを含む Access データベースはスキャンされません。 |
0 - Access のプロパティを収集しません。 1 - Access のプロパティを収集します。 既定値は 0 です。 |
Access のプロパティを収集しません。 |
Access のプロパティを収集しません。 |
DisableConvDialog= |
省略可 |
次回、ユーザーが Access 2002 (または Access 2003) で Access 2002 (または Access 2003) より前のバージョンの Access データベースを開いたときに変換ダイアログ ボックスが表示されないようにするかどうかを指定します。DisableConfDialog=1 に設定すると、Access データベースの LastModified 日付が変更されます。 |
0 - 変換ダイアログ ボックスを表示します。 1 - 変換ダイアログ ボックスを表示しません。 既定値は 0 です。 |
変換ダイアログ ボックスを表示します。 |
変換ダイアログ ボックスを表示します。 |
MaxCopyFileSize= |
省略可 |
Access のプロパティを収集するために OMPM ファイル スキャナーがコピーする最大ファイル サイズ (MB 単位) を指定します。Access のプロパティを収集するとき、OMPM ファイル スキャナーはデータベースのコピーを作成し、そのコピーを開いてスキャンします。そのため、データベースの LastModified 日付は変更されません。この設定を使用して、コピーするファイルのサイズを制限できます。 |
整数。 既定値は 0 です。 重要 Access データベースをスキャンするときは、スキャンする最大のデータベースのサイズより大きい値に設定する必要があります。この値を 0 のままにすることはできません。 |
既定の 0 MB です。 |
既定の 0 MB です。 |
TempPath= |
省略可 |
OMPM ファイル スキャナーがスキャン前に Access データベースをコピーするフォルダー パスを指定します。 |
ドライブ文字または UNC パス。 既定値は null です。 |
コンピューターで実行している Windows オペレーティング システムの TEMP 環境変数に指定されているフォルダー パスを使用します。 |
コンピューターで実行している Windows オペレーティング システムの TEMP 環境変数に指定されているフォルダー パスを使用します。 |
注意
(offscan.exe と offscan.ini が同じコンピューターからアクセスされる) ローカル スキャンでのみ、Offscan.ini の [FoldersToScan]、[FoldersToExclude]、および [DestinationPath] プロパティは、環境変数をサポートします。たとえば、一時ファイルの格納場所として解決される %temp% を指定できます。スペルミスや他の理由 (%temps% の代わりに %temp% を指定したなど) によって環境変数を解決できない場合、OMPM ファイル スキャナーはそのエントリを環境変数ではなくフォルダー名として処理します。