Office Project Server 2007 の構成を計画する

更新日: 2009年5月

 

トピックの最終更新日: 2015-03-09

この記事の内容 :

  • Project Server の構成を選択する

  • シナリオ 1 : 内部ホスティング

  • シナリオ 2 : 外部ホスティング

  • シナリオ 3 : ポートフォリオ管理の展開

  • シナリオ 4 : プロフェッショナル サービス/タイムシートの展開

  • シナリオ 5 : プログラムの導入

  • 規模の拡大を計画する

  • ワークシート

Project Server の構成を選択する

現在の環境を評価し、関連する環境要因を特定し、これらの要素が Microsoft Office Enterprise Project Management (EPM) Solutionのアーキテクチャに与える影響を判断したら、組織のニーズに最適な構成のシナリオを識別できます。Project Server の構成の選択には、以下の作業が含まれます。

  • 組織に最適な構成のシナリオを識別する。   組織の規模、使用する予定の Project Server の機能、管理するプロジェクトの数と種類、および組織内のユーザーの数と種類に最も近い構成のシナリオを選択します。

  • 該当する場合、ニーズを満たす構成オプション (標準または代替) を選択する。   選択する構成オプションは、特定のインフラストラクチャおよび環境の要因、可用性のニーズ、およびプロジェクト管理の要件によって異なります。

  • 必要に応じて、組織の特定のニーズに合わせて構成を変更する。   たとえば、次のような場合に構成を変更する必要があります。

    • インターネットまたはエクストラネット経由で Project Web Access へのアクセスを提供する。

    • Active Directory ディレクトリ サービス ドメインがない環境で運用する。

    • 統合されたハードウェアのセットで複数の Project Server サイトを提供するホスト構成をサポートする。

    • 12,000 人を超えるユーザーをサポートする。

    • 展開に合わせてハードウェアのサイズを変更する。

ここでは、組織や大規模な組織内の部署で構成の計画の土台として使用できる、5 つの基本的なシナリオについて説明します。各構成のシナリオでは、説明、ユーザーとプロジェクトに関する情報、および標準構成と代替構成の例を示しています。

これらの構成のシナリオは、Microsoft EPM Solutionを展開するすべての組織のニーズを反映したものではなく、エンタープライズ プロジェクト管理のソリューションを必要とする組織の代表的な例です。

シナリオ 1 : 内部ホスティング

シナリオ 1 では、組織内の部署またはグループの共有ハードウェアに Project Server の複数のインスタンスを展開します。この場合、Project Server のすべてのインスタンスは、ユーザーに一意の最上位レベルのサイト コレクションを提供しますが、共通の Windows SharePoint Services 3.0 アプリケーション プールに準備されます。個々のインスタンスは論理的に分離されており、共有の Project Server のインターフェイス経由でデータベースに格納されているデータにアクセスします。各インスタンスのデータベースは、SQL Server を実行する専用のコンピュータに展開されます。

"内部ホスティング" サーバー トポロジの例

Project Server は、インストールされ 1 回だけ構成されます。新しいインスタンスは、準備プロセスを使用して作成されます。インスタンスは、同じ Web アプリケーション プールおよび同じ共有サービス プロバイダに準備されます。インスタンスは、アプリケーション層の Project Server インターフェイスなど、共通のサービスのセットを共有します。インスタンスは共通の Windows SharePoint Services 構成データベースを使用します。また、インスタンスは共通の Windows SharePoint Services コンテンツ データベースを使用します。各インスタンスのプロジェクト データベースは異なります。

中規模ファーム トポロジ

ワークシートでの作業

Microsoft® Office Project Server 2007 内部ホスティング計画ワークシート (https://office.microsoft.com/search/redir.aspx?AssetID=AM101581511041) を使用して、内部ホスティングの計画をドキュメント化することができます。

シナリオ 2 : 外部ホスティング

シナリオ 2 では、共有ハードウェア上で Project Server の複数のインスタンスを分離します。シナリオ 1 と同様に、Project Server のインスタンスは、ユーザーに一意の最上位レベルのサイト コレクションを提供します。ただし、シナリオ 2 では、各インスタンスは独立して Windows SharePoint Services 3.0 アプリケーション プールに準備され、データベースに格納されたデータへのアクセスは、共有サービス プロバイダ Web アプリケーションを介して行われます。このシナリオは、データとデータ アクセスを分離することによって、データのセキュリティを向上させます。

"外部ホスティング" サーバー トポロジの例

新しいインスタンスは、準備プロセスを使用して作成されます。新しいインスタンスは、独立したアプリケーション プールに準備されます。インスタンスは独立した Windows SharePoint Services コンテンツ データベースを使用します。インスタンスは、アプリケーション層の Project Server インターフェイスなど、専用のサービスのセットを使用します。インスタンスは共通の Windows SharePoint Services 構成データベースを使用します。各インスタンスの Project Server データベースは異なります。

プロキシ エクストラネット構成内の境界領域

"内部ホスティング" と "外部ホスティング" の利点の比較

"外部ホスティング" のシナリオの主な利点はプロセス アカウントの分離です。これは、2 つの共有サービス プロバイダで固有のアカウントを使用することによるもので、Project Server データベースへのアクセスは個々のユーザーごとに分離されます。さらに、Web アプリケーションで使用できる共有サービス プロバイダは 1 つだけなので、Web アプリケーションのセキュリティも分離されます。"外部ホスティング" のシナリオの欠点は、各共有サービス プロバイダによってパフォーマンスが影響を受けることです。また、アプリケーション プールとデータベースが増えると、必要なディスク容量も増加します。"内部ホスティング" のように、これらのリソースを共有すると、複数の Microsoft Office Project Web Access インスタンス間での IIS アプリケーション プール プロセスを使用するためのオーバーヘッドが最大化されます。

ワークシートでの作業

Microsoft® Office Project Server 2007 外部ホスティング計画ワークシート (https://office.microsoft.com/search/redir.aspx?AssetID=AM101581521041) を使用して、外部ホスティングの計画をドキュメント化することができます。

シナリオ 3 : ポートフォリオ管理の展開

Microsoft Office Project Server 2007 のポートフォリオ管理の展開のシナリオは、Project Server を使用してプロジェクトのポートフォリオを管理しようとする中規模以上の組織に適用できます。これらの組織には、通常、以下の特徴があります。

  • 多数の割り当てを含むプロジェクトが多い

  • プロジェクト管理者の割合が高い

  • Microsoft Office Project Professional 2007 の使用率が高い

  • 共有サービス プロバイダ Web アプリケーションが単一である

このシナリオが該当する組織では、通常、Project Server のさまざまな機能を使用しています。たとえば、タイムシート、ドキュメント ライブラリ/懸案事項/リスク、エンタープライズ グローバル テンプレート、エンタープライズ リソース プールなどです。

このシナリオを適用できる組織は、同一 LAN 上の同じ物理的な場所をすべてのユーザーが共有する中規模以上の組織 (または大規模な組織内の部署) である場合と、複数の物理的な場所にユーザーが存在している大規模な組織である場合があります。

部署のサーバー トポロジの例

中規模の組織で使用方法およびサービス レベルの要件をサポートするには、ベースライン サーバーのトポロジを、フロントエンドの Web およびアプリケーション サーバー コンポーネントを実行するサーバーと、必要なデータベースに対応する SQL Server 2000 または SQL Server 2005 を実行するデータベース サーバーで構成することができます。このトポロジは、ある時点でのプロジェクト管理者が 20 人未満で、アクティブなプロジェクトが 100 ~ 500 である場合に最適です。

シナリオ 3 : 部門

シナリオ 3 の企業サーバーのトポロジの例

システムが増大し、プロジェクト管理者が 50 人以上になり、アクティブなプロジェクトが 1,000 を超えた場合は、企業サーバーのトポロジを実装できます。このトポロジでは、Project Server のフロントエンド Web サーバーは、高可用性を実現するために負荷分散クラスタに展開されます。この構成によって、ハードウェア エラーの発生時の可用性が向上し、タイムシート ユーザーによって発生する大量の同時 TCP 接続に対応することによって、パフォーマンスが向上するという追加の利点もあります。さらに、大規模なプロジェクトの数が増大することによる Project Server インターフェイス (PSI) の呼び出しに対応するために、アプリケーション層は独自のサーバーに配置されます。組織の規模が拡大するにつれて、新しいデータ センターでは WAN リンクを使用して通信したり、ファイアウォールによってセキュリティを強化したりする必要があります。

冗長性のある中規模ファーム トポロジ 1

シナリオ 3 のエンタープライズ サーバーのトポロジの例

EPM ソリューションが大規模な組織のサイズにまで拡大し、多数のアクティブなプロジェクト (3,000 以上) をサポートする必要がある場合は、各層に冗長性を持たせるサーバー トポロジに拡大して可用性を向上させる必要があります。追加のフロントエンド Web サーバーによって、多数の Office Project Web Access ユーザーにより良い操作性を提供できます。

冗長性のある中規模ファーム トポロジ 2

ワークシートでの作業

Microsoft® Office Project Server 2007 ポートフォリオ管理ワークシート (https://office.microsoft.com/search/redir.aspx?AssetID=AM101581541041) を使用して、ポートフォリオ管理の展開の計画をドキュメント化することができます。

シナリオ 4 : プロフェッショナル サービス/タイムシートの展開

Office Project Server 2007 のプロフェッショナル サービス/タイムシートの展開のシナリオは、Project Server を主に時間の収集と報告に使用する大規模な組織に適用できます。従業員や請負業者のサービスでは、Project Server のタイムシート機能を使用して、特定の期間にタスクについて作業した時間を送信します。

このシナリオには、次のような特徴があります。

  • Office Project Professional 2007 の使用が最小限である

  • 主に時間と材料の請求に使用する

  • タスクが比較的少ないプロジェクトの数が多い (600 ~ 2,500)

  • 予測可能な使用状況のピーク期間が Office Project Web Access でスケジュールされたタイムシートのエントリに対応する

  • Office Project Web Access のインスタンスが単一である

このシナリオが該当する組織は、通常、情報を取得するタイムシートを使用することによって時間とコストを追跡する Project Server の限定された機能を使用します。短期間に多数のタイムシートが送信されるためにシステム リソースが集中的に使用される結果として、拡張性の問題が発生します。

シナリオ 4 : 企業

シナリオ 4 の企業サーバーのトポロジの例

従業員が 12,000 人の大規模な組織で、この企業サーバーのトポロジを使用します。このトポロジでは、Project Server のフロントエンド Web サーバーは、高可用性を実現するために負荷分散クラスタに展開されます。この構成によって、ハードウェア エラーの発生時の可用性が向上し、タイムシート ユーザーによって発生する大量の同時 TCP 接続に対応することによって、パフォーマンスが向上するという追加の利点もあります。さらに、大規模なプロジェクトの数が増大することによる Project Server インターフェイス (PSI) の呼び出しに対応するために、アプリケーション層は独自のサーバーに配置されます。負荷分散クラスタは、データベース層にも適用されます。

冗長性のある中規模ファーム トポロジ 1

シナリオ 4 のエンタープライズ サーバーのトポロジの例

組織の従業員の数が 20,000 人まで増大した場合は、タイムシート ユーザーおよび閲覧者のカテゴリが増加するので、エンタープライズ サーバー トポロジに拡大する必要があります。このトポロジでは、フロントエンド Web とアプリケーション層の冗長性が向上します。ユーザーが増加すると、金曜日の夕方に発生するタイムシート使用の一時的な増加の振幅が増大します。

シナリオ 4 : エンタープライズ

ワークシートでの作業

Microsoft® Office Project Server 2007 タイムシートのシナリオ ワークシート (https://office.microsoft.com/search/redir.aspx?AssetID=AM101582091041) を使用して、タイムシートの展開の計画をドキュメント化することができます。

シナリオ 5 : プログラムの導入

Office Project Server 2007 のプログラムの導入のシナリオは、重要な領域がプロジェクト マネジメント オフィス (PMO) によるトップダウンの計画である大規模な組織に適用されます。このシナリオは、製品開発および製造市場で、より一般的です。次のような特徴があります。

  • 少数の大規模なプロジェクトがあり、通常互いに関連している

  • PMO に重点を置いている

  • Office Project Professional 2007 がよく使用される

  • 提案と作業計画が使用される

シナリオ 5 の企業サーバーのトポロジの例

使用方法およびサービス レベルの要件をサポートするために、ベースライン サーバーのトポロジは以下で構成することができます。

  • 負荷分散クラスタで構成された 2 つの Office Project Web Access フロントエンド Web サーバー

  • Project Server インターフェイス (PSI) を実行する 1 つのアプリケーション サーバー。このアプリケーション サーバーは、将来、別のアプリケーション サーバーを容易に追加できるように、1 ノードの負荷分散構成に展開されます。

  • 必要なデータベースに対応するために Microsoft SQL Server を実行する別のコンピュータのクラスタ

  • データ層を分離するファイアウォール

シナリオ 5

ワークシートでの作業

Microsoft® Office Project Server 2007 プログラムの導入ワークシート (https://office.microsoft.com/search/redir.aspx?AssetID=AM101581551041) を使用して、プログラムの導入の計画をドキュメント化することができます。

規模の拡大を計画する

どのようなサーバー構成を選択する場合でも、EPM Solution に対する需要の増大に対応する方法を計画しておくことをお勧めします。システムを拡張するには、スケール アップとスケール アウトの 2 つの選択肢があります。

スケール アップ

  • より多くの/高速なプロセッサや RAM を追加したり、64 ビット ハードウェアを使用したりすることによって、データベース サーバーのサイズを拡大します。

  • サーバー間のネットワークの速度を向上させます。

  • データベース サーバーのスループットを最大化します。

  • ネットワーク インターフェイス カードを追加してトラフィックを分離します。

  • ネットワーク セグメントを追加するか、SQL セグメントのノードを削減します。

  • Microsoft SQL Server がインストールされたサーバーでネットワーク インターフェイス カード チームを使用してパフォーマンスと冗長性を実現します。

スケール アウト

  • アプリケーション サーバーを追加して、増加した Office Project Professional 2007 の使用状況を処理します。これによって、冗長性も追加されます。

  • Office Project Server 2007 の追加のインスタンスとしてフロントエンド Web サーバーが追加されます。

  • クラスタ データベース サーバーによって、パフォーマンスと信頼性が向上します。

ワークシート

Microsoft® Office Project Server 2007 内部ホスティング計画ワークシート (https://office.microsoft.com/search/redir.aspx?AssetID=AM101581511041)

Microsoft® Office Project Server 2007 外部ホスティング計画ワークシート (https://office.microsoft.com/search/redir.aspx?AssetID=AM101581521041)

Microsoft® Office Project Server 2007 ポートフォリオ管理ワークシート (https://office.microsoft.com/search/redir.aspx?AssetID=AM101581541041)

Microsoft® Office Project Server 2007 タイムシートのシナリオ ワークシート (https://office.microsoft.com/search/redir.aspx?AssetID=AM101582091041)

Microsoft® Office Project Server 2007 プログラムの導入ワークシート (https://office.microsoft.com/search/redir.aspx?AssetID=AM101581551041)