プロジェクトを保守する

更新日: 2009年5月

 

トピックの最終更新日: 2009-04-27

この記事の内容 :

  • タイムシートを計画する

  • タスク管理を計画する

  • レポートを計画する

  • エンタープライズ レポート

プロジェクトを作成した後は、プロジェクトを更新し、完成させるための作業があります。このような作業では、計画を立てることが有効な場合があります。ここでは、この計画について説明します。

タイムシートを計画する

組織内に初めてタイムシートを導入する計画の場合は、経理部、上司、役職者、およびプロジェクト管理者と共に、タイムシートをどのように構造化し、更新されるタスクの進捗状況と関連付けるかについて決定してください。タイムシートを使用する過程で、組織の実務や企業カルチャーに影響する変更が生じることがあります。このような変更は、いずれも慎重に管理する必要があります。

以前のバージョンの Microsoft Project でタイムシートを使用していた場合は、Microsoft Office Project 2007 でタイムシートが大幅に変更されていることに注意してください。Microsoft Office Project Server 2007 では、タイムシートの各エントリが、データベース テーブルの 1 行で表されます。これにより、タイムシート データは正確になり、Project Server インターフェイスを使用してアクセスできるようになります。[タイムシート Web サービス] の詳細については、Office Project 2007 SDK を参照してください。以前のバージョンの Microsoft Project との主な相違点として、他には、Microsoft Office Project Web Access にアクセスできるユーザーが、タイムシートでエントリを作成できることが挙げられます。これにより、ユーザーをプロジェクトに割り当てる必要がなくなりました。ユーザーは、[表示者] セキュリティ グループのメンバであることだけが必要です。この機能は、仕事に関する情報や、プロジェクト内で予期されていない、その他の管理活動に関する情報を組織が収集する場合に役立ちます。

タイムシートの管理は、Office Project Web Access で、[サーバー設定] ページ内の [時間およびタスクの管理] セクションで行います。タイムシートについて計画するときは、[タイムシート期間]、[タイムシートの分類]、[タイムシートの設定および既定値]、および [管理用時間] にあるサーバー設定について検討してください。

タイムシート期間

[タイムシート期間] Web ページにアクセスし、変更するためには、ユーザーが Project Server 管理者グループに割り当てられている必要があります。タイムシート期間の構成を計画するには、期間の数、各期間の長さ、および最初の期間の開始日を知っておく必要があります。既定の設定は 52 個の期間で、今日より 7 日間ですが、ニーズに応じて必要な設定を選択できます。

Project Server のタイムシート作成オプション

次に、[一括作成] をクリックして期間を作成します。状況フィールドでは、期間を開いたり閉じたりできます。期間が閉じられている場合、Office Project Web Access のユーザーは、将来の期間には時間を入力できません。将来の期間は開いたままにしておくことをお勧めします。これにより、ユーザーは休暇、トレーニングなど、今後に予定されているイベントについて計画されている時間を入力できます。ただし、組織において将来の期間を閉じておく必要がある場合は、ページの [期間の作成] セクションの状況列でこの操作を実行できます。

閉じられたタイムシート期間

[保存] をクリックすると、変更がデータベースにコミットされます。

タイムシートの分類

[タイムシートの分類] ページへアクセスし、変更を行うには、ユーザーが Project Server 管理者グループに割り当てられている必要があります。ここでは、新しいタイムシート行の分類を作成できます。この操作を行うことには、多くの理由があります。そのいくつかの例を以下に示します。

  1. プロジェクト全体に共通するタスクがあり、それらを何回も行っている。タスクを行う理由はさまざまです。タスクは標準のメンテナンスとして行われる場合もあれば、保証の要件を満たすために行われる場合もあります。作業が実行された理由を確認したい場合もあります。タイムシート行の分類を作成すると、このような区別が可能になります。

  2. 組織では、150%、200%、およびフレックス タイムの 3 種類の超過時間の種類をサポートしていて、これらの超過時間の種類を区別できるようにしたいと考えている。タイムシート行の分類を作成すると、これらの超過時間の違いを確認できるようになります。

管理用時間

管理用時間は、非稼働日および非プロジェクト時間を追跡する方法です。既定では、以下の 3 つのカテゴリの管理用時間が作成されます。

  • 管理

  • 休暇

  • 病欠

Office Project Server 2007 では、管理用時間は Office Project Server 2007 で管理および追跡します。プロジェクト管理者グループのメンバは、管理用時間 Web ページの管理用時間のカテゴリを追加したり、既存のカテゴリを編集できます。この Web ページに移動するには、Office Project Web Access にログインし、[サーバー設定] をクリックして、[時間およびタスクの管理] セクションの [管理用時間] をクリックします。[常に表示する] をクリックすると、各ユーザーのタイムシートに、そのカテゴリの行が含まれるようになります。

Microsoft Office Project Server 2003 では、管理用プロジェクトは企業で使用できるプロジェクト テンプレートとして利用できました。管理用プロジェクトを作成するには、Project Professional 2003 を使用し、Project Server データベースに接続している必要がありました。管理用プロジェクトでタスクに時間を入力するには、Project Professional は不要でした。休暇、病欠などの非稼働日および非プロジェクト時間は、Project Web Access 2003 のリソースのタイムシートで直接報告できました。

Office Project Server 2007 で、Microsoft Office Project Server 2003 で作成した管理用プロジェクトを使用したい場合は、引き続き使用できます。管理用プロジェクトは、他のプロジェクトと同じ方法で移行します。ただし、通常は Office Project Server 2007 に表示されるタイムシートの管理タスクが、ユーザーに自動的に表示されません。Office Project Server 2007 の管理用時間機能を完全に稼動させるには、[管理用時間] Web ページでタスクを新しく作成する必要があります。展開の移行時にこの操作を行うことができない場合は、翌会計年度の開始時点、次の年初など、組織にとって都合のよい時間を選択することをお勧めします。

タスク管理を計画する

リソースによりタスクの進捗が更新され、承認のために提出された場合、承認の権限を持っていれば、その更新を承認または却下できます。Office Project Web Access では、タスクの更新を承認するルールを設定するか、更新を手動で承認または却下できます。大量のリソースを管理している場合は、プロジェクトに関連するタスクの更新を承認するときに、ルールがあると便利です。承認ルールを構成する方法の詳細については、Office Project Web Access ヘルプで、「タスクの更新の承認または却下」というトピックを参照してください。

レポートを計画する

データ分析

Office Project Server 2007 のデータ分析機能では、Microsoft ActiveX コンポーネントのコレクションである Microsoft Office Web コンポーネントが使用されます。Office Project Server 2007 では、Office Web コンポーネントを使って OLAP キューブ データにアクセスします。このデータは、Analysis Services データベースに保存されています (Office Project Web Access で作成される OLAP キューブごとに、Analysis Services データベースが作成されます)。ユーザーは、完全な対話型のピボットテーブルおよびピボットグラフのレポートを使用して、Office Project Web Access および Office Project Professional 2007 でこのデータを操作できます。また、データの並べ替え、フィルタ、追加と修正、詳細の展開と折りたたみ、結果の保存 (後日参照のため) ができます。

Microsoft SQL Server 2000 でデータ分析を構成する計画

データ分析機能には、Microsoft SQL Server 2000 の一部である Analysis Services Service Pack 3 以降が必要です。データ分析では、Analysis Services と同じサービス パックと共に実行される、Decision Support Objects (意思決定オブジェクト : DSO) が必要です。Office Project Server 2007 を実行しているコンピュータに Analysis Services がインストールされていない場合、Office Project Server 2007 を実行しているそのコンピュータに DSO をインストールする必要があります。DSO のインストールの詳細については、Analysis Services の記事「セットアップの実行」を参照してください。これは、Microsoft SQL Server 2000 のインストール メディアに付属の SQL Server Books Online に含まれています。

Microsoft SQL Server 2005 でデータ分析を構成する計画

データ分析では、Microsoft SQL Server 2005 の一部である Analysis Services Service Pack 1 が必要です。Service Pack 1 には、Analysis Services にインストールできる、下位互換性のあるコンポーネントが用意されています。Office Project Server 2007 が別のコンピュータにインストールされている場合、下位互換性のあるコンポーネントはそのコンピュータにもインストールします。このコンポーネントは、データ分析が機能するために必要な DSO サポートを提供します。

データ分析ユーザーに対する準備

ユーザーは、Office Project Web Access を使ってデータ分析ビューを作成、操作し、Office Project Professional 2007 を使ってデータ分析ビューを操作できます。データ分析ビューを作成して操作するには、以下のことが必要です。

  • ユーザーには、データ分析の操作を可能にする、Office Project Web Access の [データ分析] ページへのアクセス権が割り当てられている必要があります。また、データ分析ビューの一部となるデータへのアクセス権を持っている必要があります。

  • ユーザーには、Office Project Web Access または Office Project Professional 2007 のレポート センター サイトからデータ分析を表示するアクセス権が割り当てられている必要があります。

  • 完全な対話性を備えたバージョンの Office Web コンポーネント (OWC) 2003 がユーザーのコンピュータにインストールされている必要があります。完全な対話性を備えたバージョンの OWC は、Microsoft Office 2003 および Project Professional 2003 のみで利用できます。OWC は、ポートフォリオ分析へのアクセス元となるコンピュータで利用できる必要があります。クライアント コンピュータに OWC がない場合、Project Server 2003 により、対話性のないバージョンの OWC がインストールされます。このバージョンでは、ユーザーはポートフォリオ分析ビューを表示できますが、ビューを作成または変更することはできません。

データ分析機能を使用するには、ユーザーには以下のアクセス権が割り当てられている必要があります。

  • データ分析の表示   これは、ユーザーが Office Project Web Access または Office Project Professional 2007 を使用してデータ分析を表示できるようにするグローバル アクセス権です。

  • Project Web Access ビューの管理 これは、ユーザーが Office Project Web Access で新しいビューを作成できるようにするグローバル アクセス権です。

エンタープライズ設定の確認

Office Project Server 2007 のエンタープライズ グローバル テンプレートおよびエンタープライズ リソース共有元の設定は、ユーザーがデータ分析を使用中のデータ処理の方法に大きな影響を与えます。データ分析を使用する前に、以下のことを検討してください。

  • 組織では、エンタープライズ プロジェクト ユーザー設定フィールドおよびエンタープライズ リソース ユーザー設定フィールドを定義していますか。

  • 必要なすべてのリソースをエンタープライズ リソース共有元に追加しましたか。

  • いずれかのエンタープライズ ユーザー設定フィールドに値を割り当てましたか。

  • エンタープライズ リソース共有元のリソースを、正しい Project Server セキュリティ カテゴリに割り当て、データ分析ビューへのアクセスを可能にしましたか (リソースをインポートするか、エンタープライズ リソース共有元を Active Directory ディレクトリ サービスと同期する場合、すべてのリソースは [チーム メンバ] セキュリティ カテゴリに追加されます)。

    [!メモ] OLAP キューブの作成、データ分析ビューの作成、またはデータ分析ビューの操作の詳細については、「Office Project Server 2007 の運用」を参照してください。

    [!メモ] Microsoft Office Project Server 2003 から Office Project Server 2007 へのビューの移行の詳細については、「Office Project Server 2007 の移行ガイド」を参照してください。

エンタープライズ レポート

Office Project Server 2007 のエンタープライズ レポート機能では、Microsoft SQL Server レポート サービスを使ってエンタープライズ レポートを作成します。SQL Server レポート サービスは、総合的なサーバー ベースのレポート ソリューションであり、紙ベースおよび対話型の Web ベースのレポートの両方を作成、管理、および提供できるようにするために設計されています。エンタープライズ レポートを使用する場合は、Microsoft レポート サービス URL を入力する必要があります。手順は以下のとおりです。

  1. 管理者として Office Project Web Access にログオンします。

  2. Office Project Web Access ホーム ページの [サーバー設定] をクリックします。

  3. [サーバー設定] ページの [運用ポリシー] セクションにある [その他のサーバー設定] をクリックします。

  4. Microsoft レポート サービスの既定の URL を、[その他のサーバー設定] ページの [Microsoft レポート サービス URL] のボックスに入力します。

  5. [保存] をクリックします。

Office Project Server 2007 の既定のインストールでは、SQL Server レポート サービスの 1 つのインスタンスのみにアクセスできます。新しい Web パーツを作成して、追加のインスタンスにアクセスすることもできます。エンタープライズ レポートを広範に使用する場合は、Project レポート データベースを別のサーバーに分割することをお勧めします。

[!メモ] SQL Server Reporting Services の追加のインスタンスにアクセスするために新しい Web パーツを作成することの詳細については、「Office Project Server 2007 の運用」を参照してください。