キューブ作成プロセスの概要

更新日: 2009年4月

 

トピックの最終更新日: 2009-04-16

Microsoft Office Project Server 2007 キューブ作成サービスとは、Microsoft Project Server でプロジェクト データの複雑な分析を実行するためのレポートと分析の機能です。このサービスは、SQL Server Analysis Services を使用して、データ分析レポートで使用するいくつかのキューブが含まれるオンライン分析処理 (OLAP) データベースを作成します。Project Web Access の [サイトの設定] ページから管理され、レポート データベース内の選択内容からデータ キューブを作成できます。ここでは、キューブ作成プロセスの概要を説明します。

Office Project Server 2007 の新機能により、キューブの作成は Microsoft Office Project Server 2003 より便利になります。Microsoft Office Project Server 2007 はマルチスレッド化されており、新しい Project Server キュー サービスは Project Server 展開で行われる他の処理中のキューブ作成に優先度を付けます。ただし、キューブの作成には数時間かかることがあり、トラブルシューティングの必要なエラーがこのプロセス中に発生する可能性があります。このため、プロセスの動作を理解することは重要です。

概要

キューブと作成の設定を構成すると、キューブの作成を始めることができます。この時点で、ボタンをクリックするだけでプロセスが開始されますが、このプロセスの背後ではいくつかの複雑な手順が実行されます。Office Project Server 2007 OLAP キューブ データベースの作成プロセスは次のようになります。

プロジェクト キューブ作成プロセスの概要

  1. Project Web Access の [サーバー設定] で [今すぐ作成] をクリックするとキューブ作成要求が作成され、Project Server キューに OLAP キューブ作成ジョブが生成されます。Microsoft Office Project Server キュー サービスは、ジョブを使用して ProjectServerOlapCubeGenerator.exe を呼び出します。これにより、キューブ生成プロセスが開始されます。この実行可能ファイルは、既定では C:\Program Files\Microsoft Office Servers\12.0\Bin に配置され、負荷分散されていません。

  2. キュー サービスを実行する ID と Cube Generator プロセスは、Analysis Services の Decision Support Objects (意思決定オブジェクト : DSO) によって Analysis Services を管理します。キューブ作成サービスは、SQL Server 2000 Analysis Services DSO 互換モードを使用します。SQL Server 2005 Analysis Service は下位互換性があるため、やはり使用できます。

  3. Analysis Services は、キューブを定義するために使用するメタデータの SQL Server Analysis Services リポジトリにアクセスします。このリポジトリを SQL Server データベースに格納することをお勧めします。SQL Server 2005 Analysis Services では、共有フォルダに配置することもできます。

  4. キューブ データベースは、Cube Generator プロセスの手順に従って、Analysis Services (Msmdsrv.exe) によって作成されます。これらの手順は、ユーザーが Project Web Access で指定したキューブ作成と構成設定に基づきます。このプロセスの間、Analysis Services は、キューブ データベース用の、Project Server レポート データベースからの中継テーブルにアクセスします。

  5. Project OLAP キューブ データベースが完成します。

キューブ データベース

キューブの作成に成功すると、SQL Server Analysis Services にキューブ データベースが作成されます。Office Project Server 2007 と Windows SharePoint Services 3.0 の 14 のキューブを基にして、3 つの仮想キューブを使用できます。

3 つの既定の仮想キューブは次のとおりです。これらのキューブには、基になるキューブ コンポーネントを統合したメジャーとディメンションのセットが含まれます。キューブ データを参照するユーザーには、仮想キューブが 1 つのキューブとして表示されます。Office Project Server 2007 および関連する Windows SharePoint Services 3.0 データのレポートでは、これらの仮想キューブを使用することをお勧めします。

  • MSP_Project_Timesheet   時間単位の割り当て、時間単位のリソース、および EPM タイムシートの各キューブの組み合わせです。

  • MSP_Project_WSS   時間単位以外のプロジェクト、案件、リスク、および成果物の各キューブの組み合わせです。Windows SharePoint Services 3.0 データに関するレポートには、このキューブが最も便利です。

  • MSP_Portfolio_Analyzer   時間単位の割り当てと時間単位のリソースの各キューブの組み合わせです。このポートフォリオ分析キューブは、Project Server 2003 MSP_Portfolio_Analyzer キューブとの下位互換性があります。プロジェクト データおよびプロジェクト計画に関するレポートには、このキューブが最も便利です。

最善の結果を得るには、キューブ データに基づくレポートを作成するときに、次のことに注意してください。

  • タイムシート キューブには、非稼働時間に関する詳細が含まれます。

  • タイムシートのデータは、プロジェクト計画での実績時間データと整合していない場合があります。タイムシートを作成した後でプロジェクト計画を変更した場合、タイムシートとプロジェクト計画で示される実績時間が一致しないことがあります。

  • プロジェクト計画で除去、名前変更、または削除された情報に関係のある履歴タイムシートは、タイムシート キューブでは使用できなくなります。

  • 時間の送信と承認が済んでいるプロジェクト情報を追跡するときは、MSP_Portfolio_Analyzer キューブを使用することをお勧めします。

[!メモ] Office Project Server 2007 OLAP キューブのスキーマ情報については、「Project 2007 SDK : ソフトウェア開発キット」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=86947&clcid=0x411) を参照してください。

8 つの主要エンタープライズ プロジェクト管理 (EPM) キューブと 3 つの既定の Windows SharePoint Services 3.0 キューブを次に示します。これらのキューブは、前に示した仮想キューブの集約に使用するものであり、レポートで直接使用することはお勧めできません。

EPM キューブ :

  • 時間単位以外のプロジェクト

  • 時間単位以外のタスク

  • 時間単位以外のリソース

  • 時間単位のリソース

  • 時間単位以外の割り当て

  • 時間単位の割り当て

  • タイムシート

  • EPM タイムシート

Windows SharePoint Services 3.0 キューブ :

  • リスク

  • 案件

  • 成果物

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